チャールズ・ディケンズ (Charles John Huffam Dickens)

1812.2.7〜1870.6.9
ハンプシャー州、ポーツマス郊外生まれ。
貧困と病苦の少年時代を送り、
ジャーナリストを勤めながら、
1836年、エッセイ「ボズのスケッチ集」を発表する。
社会の下積みの人々の生活を哀歓をこめて描き、
幾多の不朽の人物像を生み出す一方、
世の不正・矛盾をユーモアを交えて批判した。
また、この時代にミステリとよべる作品も多数ものにしていた。
(EQMMにいくつかの短編が掲載された)
ポーを触発させたとの意見もありますね。
「エドウィン・ドルードの謎」を未完のままに
ケント州ギャッズ・ヒルの邸宅で脳卒中により死去。
墓碑銘は
"He was a sympathiser to the poor, the suffering, and the oppressed;
and by his death, one of England's greatest writers is lost to the world."
(故人は貧しき者、苦しめる者、そして虐げられた者への共感者であった。
その死により、世界から英国の最も偉大な作家の一人が失われた。)

超参考
主要著作リスト
No. 年度 原題 邦題
1836 Sketches by Boz ボズのスケッチ集
1836-37 The Pickwick Papers ピクウィック・クラブ
1837-39 Oliver Twist オリバー・ツイスト
1838-39 Nicholas Nickleby ニコラス・ニクルビー
1840-41 Master Humphrey's Clock ( ハンフリー親方の時計
1840-41 The Old Curiosity Shop 骨董屋
1841 Barnaby Rudge バーナビー・ラッジ
1842 American Notes アメリカ覚書
1843-44 Martin Chuzzlewit マーティン・チャズルウィット
10 1843 A Christmas Carol クリスマス・キャロル
11 1844-45 Pictures from Italy イタリアだより
12 1846-48 Dombey and Son ドンビー父子
13 1849-50 David Copperfield デイヴィッド・コパフィールド
14 1851-53 A Child's History of England 子供のための英国史
15 1852-53 Bleak House 荒涼館
16 1854 Hard Times ハード・タイムズ
17 1855-57 Little Dorrit リトル・ドリット
18 1858 Reprinted Pieces 再録小話
19 1859 A Tale of Two Cities 二都物語
20 1859-67 Christmas Stories クリスマス・ストーリーズ
21 1860 The Uncommercial Traveller 無商旅人
22 1860-61 Great Expectations 大いなる遺産
23 1864-65 Our Mutual Friend 互いの友
24 1870 The Mystery of Edwin Drood エドウィン・ドルードの謎
    Oliver Twist
1837-39オリバー・ツイスト★★★★★

救貧院の孤児として育てられたオリバーは、 食べ物も満足にあたえられず、 煙突掃除屋や葬儀屋に「貸出」される仕打ちに耐え切れず、 9歳のある日そこを抜け出してロンドンへ向かう。 オリバーは、道中で出会った少年に案内されて、 とある家に泊まることができたが、 そこはユダヤ人フェイギン率いる窃盗団の巣窟だった。 いやいや一味に加えられたオリバーは、早々に警察に捕まってしまう。 救貧院で生まれ育った9歳の少年オリバー・ツイスト。 ちょっとした反抗をして施設から葬儀屋に引き渡されてしまう。 しかしそこでもひどい仕打ちを受け、ついに身一つで抜け出し、 すがたをくらまし働くためにロンドンへ向かうことに。 その途中、同世代のような少年と知りあい、 彼の招待で仕事と家を世話してもらいことに。 ところがそこは窃盗団の住処だったのだ。 心根のやさしいオリバーはなじむことができず、 いよいよ出かけた"仕事"のさいちゅうに警察に捕まってしまう。 だが、この出来事が少年の運命を大きく変えることに―― 勧善懲悪ストーリー。 貧困と階級社会の暗い影の部分を、 皮肉とユーモアでつつみ描く人間小説。 全体的にはシンパサイザーと窃盗団のオリバー争奪戦なのですが、 後半における当の本人の放置っぷりはすごい(w もうちょっとからめられないものかね。 犯罪組織と出生の秘密のくだりなどはミステリのひな鳥みたい。
    A Christmas Carol
1843クリスマス・キャロル★★★★★

並はずれた守銭奴で知られるスクルージは、 クリスマス・イヴにかつての盟友で亡きマーリーの亡霊と対面する。 マーリーの予言通りに3人の精霊に導かれて、 自らの辛い過去と対面し、 クリスマスを祝う、貧しく心清らかな人々の姿を見せられる。 そして最後に自分の未来を知ることに。 ディケンズの代名詞たるクリスマス・ブック。 偏屈で人間不信、守銭奴の老商人スクルージ。 クリスマス・イヴに浮かれる世間をくだらないと独り帰宅した夜、 そこにかつての共同経営者で故人のマーリーの霊が。 彼はこれからの3日間、3人の精霊がスクルージの前に現われるという。 はたしてその通りに出現した精霊に先導され、 スクルージは過去、現在、そして未来を見せつけられることに……。 この陶化にスクルージは―― 奇跡をあつかった童話、心の貧富、ツンデレスクルージ、そんな物語(w わかりやすい、短い長編なので幅広く愛されているのも道理ですね。 こういうクリスマスならいいよね。教徒じゃなくても歓迎すべき。 現代日本はいちゃいちゃが先行しすぎだ、ちっくしょう!
    Great Expectations
1860-61大いなる遺産★★★★★

貧しい鍛冶屋のジョーに養われて育った少年ピップは、 クリスマス・イヴの晩、寂しい墓地で脱獄囚の男と出会う。 脅されて足枷を切るヤスリと食物を家から盗んで与えるピップ。 その恐ろしい記憶は彼の脳裏からいつまでも消えなかった。 ある日彼は、謎の人物から莫大な遺産を相続することになりロンドンへ赴く。 優しかったジョーの記憶も、いつか過去のものとなっていくが……。 貧しく不学ながら正直で善良な鍛冶屋のジョーと その妻で独裁的な姉に育てられている少年ピップ。 クリスマスの前日、少年は墓地で足枷をはめた脱獄囚の男に出くわし、 やすりと食べ物を盗んでくるよう脅迫された。 おののきながらもピップは約束を果たし、 後日、その脱獄囚は追手の官憲にたやすく逮捕されたが、 その忌むべき記憶は少年の脳裏に鮮明に焼きついた。 ようやく平穏な日々に戻りかけたある日、 今度は町の富豪の老婦人ミス・ハヴィシャムが 突然ピップを気まぐれな暇つぶしとして召喚する。 その屋敷は時間が停止したように奇妙に廃頽しており、 そこでピップは高慢な美少女エステラに出逢い一目惚れ。 少年は自らの境遇を恥じるようになってしまう。 そんなある日、なぞの人物から大いなる遺産相続の見込みがあるという しらせがピップのもとに舞いこんだ。 紳士になるための修業にピップはロンドンに向かうことに。 今までとはちがう贅沢三昧の生活に慣れ、少年が成人するころ、 ついにピップの前に彼を眷顧したなぞの人物が現われるが―― 因果応報と成長の物語。 ままあるサクセスストーリーで、 身分で変わる自身や周囲の人々の反応が冠絶。 忘恩ピップへの赦免ジョー(そんな気すらないであろう!)もすばらしすぎる。 でもこれ、なにげに鬱るね(;´Д`)
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