ダニー・マーティン (Dannie Martin)
強盗罪で実際に服役した経験を持つ異色のアメリカ人作家。
作品は下記の3作がある。
「掟」
「Committing Journalism」(未訳)
「報復者」
The Dishwasher 1995「掟」
14年ぶりに出獄した男、ビル・マローン。 彼の今の望みは、まっとうな人生を歩むことだけだった。 だが、カリフォニルアで皿洗いの仕事についた彼は、 ある事件を契機に地元の犯罪組織と敵対してしまう。 いつしか愛し合うようになった女のためにも、逃げることはできない。 彼は意を決し、訣別したはずの血と暴力の世界に再び足を踏み入れた。 全米を沸かせた鮮烈なハードボイルド・ロマン。▼BACK▼ ▽TOP▽
In The Hat 1997「報復者(ヒットマン)」★★★☆☆
強大な囚人ギャング団が、「帽子籤」をおこなって密かに殺し屋を指名した。 標的は麻薬取引を密告したと疑うポン引きのヴァーン・コイ。 誤って妻のポーラが爆殺された。これで黙っていられるか。 一匹狼になったコイは全面戦争へと突っ走る。フレズノの街に銃弾の雨が。 男の意地と心の絆を描くクライム・サスペンス。 悪漢犯罪小説。 闘鶏に夢中の主人公ヴァーン。 ポン引きでもあるのですが、妻や兄嫁を売春婦として扱っています。 といって夫婦愛・家族愛もちゃんとあるというなんとも奇妙な関係。 兄ウェルダンは強盗で服役中。塀の中の勢力争いにも勝ち抜いています。 その兄にある誤解から弟が殺害されるとの情報が耳に入る。 この抗争があらすじ的にも主題か…と思われるのですが、 そこまで大きく描いてはいないんですよねぇ…w "一匹狼になった"なんてありますが頼もしい仲間もいるわけで。 やはり動機(そもそも誤解)や敵組織の規模が物足りない。 行き当たりばったりな展開も、 やくざな世界を覗き見ている感覚がおもしろい一本です。