ウィリアム・ギブスン (William Ford Gibson)
1948.3.17〜
サウスカロライナ州コンウェイ生まれ。
ベトナム戦争の徴兵を拒否してカナダに移住。
世界を旅し、ブリティッシュ・コロンビア大学英文科を卒業。
1977年、アンアース誌で作家デビュー。
いくつかの中短編を発表し続け、
1982年「クローム襲撃」でその名をとどろかす。
その世界観を引き継いだ初長編、
1984年「ニューロマンサー」でその地位を確立。
ネビュラ賞、ディック記念賞、ヒューゴー賞などを総なめし、
サイバーパンクというSFの新しいジャンルを開拓した。
日本文化に関心を持っており、作品内随所に見受けられる。
OHP
Neuromancer 1984「ニューロマンサー」★★★★★
ケイスは、コンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。 だが、その能力を再生させる代償に、 ヤバイ仕事をやらないかという話が舞いこんできた。 きな臭さをかぎとりながらも、仕事を引き受けたケイスは、 テクノロジーとバイオレンスの支配する世界へと 否応なく引きずりこまれてゆく。話題のサイバーパンクSF登場! 電脳空間(サイバースペース)が張り巡らされた近未来。 電脳空間に意識を没入して企業のファイアウォールを破り、 データを盗み取るコンピュータカウボーイ(クラッカー)のケイス。 24歳の若さでありながらやり手の彼だったが、 ある仕事で雇い主を裏切り、それが発覚し、ウイルスを送られ、 神経系を焼かれ、電脳空間から放逐されてしまう。 そんなとき、空虚な日々を過ごしていた彼に アーミテジという見知らぬ男から仕事が舞いこんだ。 ケイスは損傷した能力修復を条件に、 ある巨大企業へのクラッキングを依頼される。 同様に雇われていた戦闘サイボーグの女性モリイと共に、 大仕事に乗りだすが、そこには人知を超えた存在が―― 「攻殻機動隊」や「マトリックス」を想起すべきみたいですが どちらもよく知らず、「BALDR FORCE」だったのは私だけでいい。 とにもかくにも記念碑、金字塔、大傑作につきる作品のようです。 が、文章のクセが強いので万人向けとはいいがたい扞格。 キレがいいのにキレが悪いという印象、句点不足というか。 外来語(カタカナ)ルビの量も厖大で、無いページが無いほど。 これぞサイバーパンクなのですね。 タイトルの解釈は(べた褒めの)解説にもいくつか出てるけど、 やはり新世界の夢想家が好きだなぁ。 ハイテクの近未来でありながら、ごみごみ退廃的な町並風景によくあう。 本書、「カウント・ゼロ」、「モナリザ・オーヴァドライヴ」で 電脳三部作をなしているそうな。
Count Zero 1986「カウント・ゼロ」
新米ハッカーのボビイ、別名カウント・ゼロは、 新しく手に入れた侵入ソフトの助けを借りて電脳空間に没入していた。 だが、ふとしたミスから“黒い氷”と呼ばれる 防禦プログラムの顎にとらえられ、意識を破壊されかけてしまった。 そのとき、思いがけないことが起こった―。 きらめくデータの虚空のかなたから、神秘的な少女の声がきこえてきたのだ! ボビイは必死で電脳空間から離脱しようとするが…? SF界の話題をさらった『ニューロマンサー』と同じ世界を舞台にして、 前作をはるかに上まわる衝撃的なヴィジョンを展開した、 ファン待望のギブスンの長篇第2作登場!▼BACK▼ ▽TOP▽
Mona Lisa Overdrive 1988「モナリザ・オーヴァドライヴ」
久美子はひとりで、成田発ロンドン直行便に乗りこんだ。 だがヤクザの大物の娘で十三歳の彼女は知るよしもなかった―― 自分がミラーシェードを埋めこんだ女ボディガードや大スターのアンジイ、 伝説的ハッカーのボビイらとともに 電脳空間の神秘をかいま見る冒険に旅立つとは! 電脳空間三部作の完結篇登場!