中西 智明 (なかにし ともあき)

1967〜
福井県生まれ。
同志社大学文学部在籍中、趣味のマジックが縁で
京大ミス研の綾辻氏と知りあい、同研究会に入る。
在学中の1990年「消失!」でデビュー。
人をくった大胆なトリックで話題になるが、これ以降の作品の発表はない。
1990消失!★★★☆☆

高塔市――赤毛の人々が数多く住む奇妙な街で、その事件は起こった。 美しい赤毛の持ち主ばかりを次々に殺害し、 忽然と「消失!」する黒ずくめの男の謎。 痕跡ゼロ、関連性ゼロの完全犯罪に名探偵新寺仁が挑む! ミステリマニアの間で伝説と化していた本書が今また甦る! のりりんの「本格ミステリ・アンソロジー」で読んだ氏の短編がばつぐんで、 検索したらこの長編一本だけがあると判明、興味を持つも絶版状態。 そんななか、綾辻・有栖川復刊セレクションとかいう企画で復刊! ようやく読むことができたわけです。 ああ、だというのに。 24ページの時点でマリーって猫?と思いついたからたまらない。 その後の祐二や純もそんな感じで解釈できるし強まる確信。 (そう思わせる逆トリックともうたぐってた) まあ、結果的には間違いではあったんですけどね、けどね。 もちろん、犯人や動機、消失のミステリは不明だったし、 興が完全にそがれたわけじゃないけど、やはりきれいにやられたかったです。 あれがなくても、他のサプライズの詰込みっぷりはたいしたものだけど。 (動機だけは単純な狂気でいただけませんが) 犯人と死体が次々と消失する怪事件、 とりあえずでも押さえておきたい一本です。 "らいつビル"などクイーンネタがいくつかあり。贔屓みたい。
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