1990「消失!」★★★☆☆
高塔市――赤毛の人々が数多く住む奇妙な街で、その事件は起こった。
美しい赤毛の持ち主ばかりを次々に殺害し、
忽然と「消失!」する黒ずくめの男の謎。
痕跡ゼロ、関連性ゼロの完全犯罪に名探偵新寺仁が挑む!
ミステリマニアの間で伝説と化していた本書が今また甦る!
のりりんの「本格ミステリ・アンソロジー」で読んだ氏の短編がばつぐんで、
検索したらこの長編一本だけがあると判明、興味を持つも絶版状態。
そんななか、綾辻・有栖川復刊セレクションとかいう企画で復刊!
ようやく読むことができたわけです。
ああ、だというのに。
24ページの時点でマリーって猫?と思いついたからたまらない。
その後の祐二や純もそんな感じで解釈できるし強まる確信。
(そう思わせる逆トリックともうたぐってた)
まあ、結果的には間違いではあったんですけどね、けどね。
もちろん、犯人や動機、消失のミステリは不明だったし、
興が完全にそがれたわけじゃないけど、やはりきれいにやられたかったです。
あれがなくても、他のサプライズの詰込みっぷりはたいしたものだけど。
(動機だけは単純な狂気でいただけませんが)
犯人と死体が次々と消失する怪事件、
とりあえずでも押さえておきたい一本です。
"らいつビル"などクイーンネタがいくつかあり。贔屓みたい。
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