ウィリアム・シェイクスピア (William Shakespeare)

1564.4.26〜1616.4.23
ストラトフォード・アポン・エイヴォン生まれ。
ほとんどの作品に種本が存在し、独創性には注意が必要だが、
エリザベス朝演劇から現代まで、
もっとも優れた英文学作家と謳われている。
どの著作も一度は耳にしたことがある不動の大文豪。
引用される名言も数知れず。

私は手さぐりで新潮文庫ばかり読んでいたのですが、
白水Uブックスのシェイクスピア全集(全37巻)を収集しながらにすればよかった。

超参考
著作リスト
年度 邦題/原題 act
1592-94 間違いの喜劇 Comedy of Errors 喜劇
1593-94 じゃじゃ馬ならし The Taming of the Shrew 喜劇
1594 ヴェローナの二紳士 The Two Gentlemen of Verona 喜劇
1594-95 恋の骨折り損 Love's Labour's Lost 喜劇
1595-97 夏の夜の夢 A Midsummer Night's Dream 喜劇
1596-97 ヴェニスの商人 The Merchant of Venice 喜劇
1597 ウィンザーの陽気な女房たち The Merry Wives of Windsor 喜劇
1598-99 空騒ぎ Much Ado About Nothing 喜劇
1599 お気に召すまま As You Like It 喜劇
1601-02 十二夜 Twelfth Night, or What You Will 喜劇
1602-03 終わりよければ全てよし All's Well That Ends Well 喜劇
1604 尺には尺を Measure for Measure 喜劇
1607-08 ペリクリーズ Pericles, Prince of Tyre 喜劇
1609-10 シンベリン Cymbeline 喜劇
1610-11 冬物語 The Winter's Tale 喜劇
1611 あらし The Tempest 喜劇
1613 二人のいとこの貴公子 The Two Noble Kinsmen 喜劇
1593-94 タイタス・アンドロニカス Titus Andronicus 悲劇
1599 ジュリアス・シーザー Julius Caesar 悲劇
1600-01 ハムレット Hamlet 悲劇
1601-02 ロミオとジュリエット Romeo and Juliet 悲劇
1601-02 トロイラスとクレシダ Troilus and Cressida 悲劇
1604 オセロー Othello 悲劇
1605 リア王 King Lear 悲劇
1606 マクベス Macbeth 悲劇
1606-07 アントニーとクレオパトラ Antony and Cleopatra 悲劇
1607-08 コリオレイナス Coriolanus 悲劇
1607-08 アテネのタイモン Timon of Athens 悲劇
1589-90 ヘンリー六世 第1部 Henry ��, Part 1 史劇
1590-91 ヘンリー六世 第2部 Henry ��, Part 2 史劇
1590-91 ヘンリー六世 第3部 Henry ��, Part 3 史劇
1592-93 リチャード三世 Richard �� 史劇
1594-96 ジョン王 King John 史劇
1595 リチャード二世 Richard �� 史劇
1596-97 ヘンリー四世 第1部 Henry ��, Part 1 史劇
1598 ヘンリー四世 第2部 Henry ��, Part 2 史劇
1599 ヘンリー五世 Henry �� 史劇
1612-13 ヘンリー八世 Henry �� 史劇
― ソネット集 The Sonnets 詩作
― ヴィーナスとアドーニス Venus and Adonis 詩作
― ルークリース凌辱 The Rape of Lucrece 詩作
― 情熱の巡礼者 The Passionate Pilgrim 詩作
― 不死鳥と雉鳩 The Phoenix and the Turtle 詩作
― 恋人の嘆き A Lover's Complaint 詩作
    Richard ��
1593「リチャード三世」★★★★☆

身体に障害を負った野心家グロスター公リチャードは、 兄のエドワード四世王が病に倒れると、王劇を狙い、 その明晰な知能と冷徹な論理で、 次つぎに残忍な陰謀をくわだて、ついに王位につく―。 魔性の君主リチャードを中心に、 薔薇戦争へといたるヨーク家の内紛をたどり、 口を開いた人間性のおそろしい深淵に、 劇詩人シェイクスピアが、真っ向からいどんだ傑作史劇である。 薔薇戦争中の15世紀イングランド。 せむしでびっこのグロスター公リチャードは王座を狙い、 巧みな口弁と残虐な手段でついにその野心が成就。 しかし血塗られた栄冠は一瞬で転げ落ちてしまう。 それぞれの政治と呪い、めぐる因果の復讐劇。 憎悪している相手を言いくるめてしまう、 アンとエリザベスとの問答みたいなやりとりがすごいわ。 怪気炎でも"当事者と第三者"のちがいはあるのでしょうね。 とにかく悪評高いリチャード三世ですが(本書の影響も強そう)、 テイの「時の娘」なんかを読んでいると、 "偽善と偽悪は紙一重"に泣けてきます。これを演じるのは可能なのか?
    The Taming of the Shrew / Much Ado About Nothing
1594「じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ」★★★★☆

美人だが、手におえないじゃじゃ馬むすめカタリーナが、 男らしいペトルーキオーの機知と勇気にかかって、 ついに可愛い世話女房に変身――。 陽気な恋のかけひきを展開する『じゃじゃ馬ならし』。 青年貴族のクローディオーと知事の娘ヒーローのめでたい婚礼の前夜、 彼女に横恋慕するドン・ジョンの姦計から大騒動がまきおこる『空騒ぎ』。 明るい情熱と機知の横溢する喜劇の傑作2編を収録。  じゃじゃ馬ならし 気性が激しい男勝りの跳ねっ返り娘カタリーナ。 その妹ビアンカは清廉可憐で求婚者もあとをたたない。 しかし姉より先に嫁ぐわけにいかず、求婚者たちはやきもきしていた。 そんな折、カタリーナを見初めた豪傑ペトルーキオーは それを上回る当意即妙な態度で彼女の首根っ子を巧みに押さえつけ、 理想の妻に変貌させようとするが―― 姉妹の攻略ルートがそれぞれ描かれている、元祖ツンデレストーリー(w 序劇で貧乏な酔いつぶれた男を領主が気まぐれで "殿様"に仕立てあげるというドッキリもあったりと、 (こっちのほうはほったらかしですが^^;) なんとも現代的な作品といえます。  空騒ぎ 凱旋したクローディオーと知事の娘ヒーローの結婚前夜。 領主の弟ドン・ジョンの姦計(というか、たんなる嫌がらせ^^;)により、 ヒーローの不貞の現場を目撃したと思い込んだクローディオーだが―― クローディオーの戦友ベネディックと ヒーローの従姉妹ベアトリスの恋物語のほうがおもしろい(w こっちもツンツンしてるヒロインで、 デレそうでデレないあたりがまたすばらしい。 主役を食っちゃったってのもうなずけますね。
    A Midsummer Night's Dream / The Tempest
1597「夏の夜の夢・あらし」★★★★★

妖精の王とその后の喧嘩に巻き込まれ、 さらに茶目な小妖精パックが惚れ草を誤用したために、 思いがけない食い違いの生じた恋人たち。 妖精と人間が展開する詩情豊かな幻想喜劇『夏の夜の夢』。 ほかに、奸悪な弟に領地を奪われ、 娘ミランダと共に絶海の孤島に漂着したミラノ公プロスペローは、 魔法の力を究め弟の船を難破させたが…… シェイクスピアの最後の傑作『あらし』を収める。  夏の夜の夢 アセンズ(アテネ)の森に妖精たちが棲んでいた。 そこに4人の若い男女が。 2人の男――ライサンダーとデメロリアス――は ハーミアを恋しており、彼女はライサンダーを愛していた。 ヘレナはむくわれない想いをデメロリアスによせていた。 見かねた妖精の王は"浮気草"―― まぶたに塗ったあと、最初に見た相手に惚れてしまう―― を用いて事態を収拾させようと試みるが、 手ちがいからライサンダーとデメロリアスはヘレナに惚れてしまう! 妖精たち、恋人たち、それと職人たちによる素人劇団。 それぞれの要素がユーモアたっぷりにからみ描かれます。 すばらしすぎる題名を裏切らない夢幻的内容に大満足。 この時代(?)の"悪口"っておもしろいなぁ(w  あらし 弟に領地を奪われ、島流しとなったミラノ公プロスペローと その幼い娘ミランダ。それから10数年……。 魔法の力を身につけ、妖精たちを使役しめるプロスペローは 島近くで航海していた弟たち一行が乗った船に あらしをぶつけ難破させ、一同を島へと漂着させた。 積年の恨みを晴らす機会を得たプロスペローだが―― 積極的に手を下すでもなく、悪役が改心するわけでもなく、 万能的な魔法の力を放棄してしまう。 この在りかたの荘厳なこと。幕引きとしてもできすぎです。
    The Merchant of Venice
1597「ヴェニスの商人」★★★★★

裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、 貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。 担保は自身の肉1ポンド。 商船が難破し全財産を失ったアントニオに、 シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが……。 人望あるヴェニスの大貿易商人アントニオは 友人バサーニオの恋を後押しするため、 ユダヤ人の高利貸しシャイロックから 自身の肉1ポンドを担保に借金をこさえてしまう。 ところが返済の期限がせまったある日、 アントニオの商船が次々と座礁し難破したとの一方が。 無一文となったアントニオに恨みをいだくシャイロックは 頑として肉1ポンドの返済をせまり、法廷へ赴くが―― 借金の証文にしっかり書いてある"肉1ポンド"をめぐる 法律論がじつに痛快。法廷ミステリを思わせます。 (あの場のグラシアーノはやたらうざいけど^^;) ポーシャの3つの箱の婚礼儀式も喜劇らしくていい。 中世におけるキリスト教社会のユダヤ人の差別・迫害がろこつで シャイロックの慟哭も胸を打つものがありますね。
    As You Like It
1599「お気に召すまま」★★★★☆

弟に領地を奪われた公爵は、アーデンの森に移り住んでいる。 公爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため 邸内にとどまっていたが、ついに追放される。 男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、 一方、公爵の功臣の遺子オーランドーも、 兄の迫害を逃れて森にやって来る…。 幾組もの恋人たちが織りなすさまざまな恋を、 明るい牧歌的雰囲気の中に描く。 暴君に追われた人々がアーデンの森で織り成す恋愛喜劇。 これといったストーリー性はないんですよねぇ。 やはり道化の狂言がとびぬけておもしろい。 極上のハッピーエンドも悪玉の改心っぷりも、 のどかな森の風景にこそとけこむものですな。
    Julius Caesar
1599「ジュリアス・シーザー」★★★★☆

シーザーが帰ってきた! 凱旋する英雄を歓呼の声で迎えるローマ市民たち。 だが群衆のなかには、彼の強大な権力に警戒心を抱く キャシアス、フレヴィアスらの姿があった。 反感は、暗殺計画の陰謀へとふくらむ。 担ぎ出されたのは人徳あるブルータス。そして占い師の不吉な予言……。 英雄シーザーの凱旋に熱狂するローマ市民。 しかし、シーザーの暴君の片鱗をうかがわせる性質に 危惧をいだくキャシアスをはじめとした同輩たち。 高潔の士であるブルータスさえ例外ではなかった。 やがてシーザー暗殺計画が持ちあがり、ついに決行される。 英雄を喪ったローマ市民たちは―― 施政(演説)と群衆(心理)が見所。 この辺の人間事情は現代でも大差なさそうです。 アントニーの説伏の巧妙さもだけど、 懸念で殺しても説得力に欠けるのね、民衆を折伏するほどには。
    Hamlet
1601「ハムレット」★★★★★

城に現われた父王の亡霊から、 その死因が叔父と母の計略によるものであるという事実を告げられた デンマークの王子ハムレットは、固く復讐を誓う。 道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、 ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる――。 恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、 数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。 真夜中の城に先王の亡霊が出るという噂を耳にした、 その息子の(デンマークの)王子ハムレット。 待ちうけているとさっそく亡霊がそのすがたを現わし、 王位を継承したハムレットの叔父と母の策略により毒殺されたと訴えた。 父の復讐を誓ったハムレットは狂気を装い、契機をうかがうが―― ハムレットの狂言がとにかく絶品でおもしろい。 演劇における演戯なのにその差が明確とかすごすぎです。 浅読みで要望をいうなら、亡霊のあつかいかな。 序盤と中盤に登場するけど、 序盤のほうもハムレットのみはっきり認識してる感じがよかった。 そうすると狂気の真偽がぼやけて解釈がたのしくなる。 オフィーリアとの恋愛の意義は私にはさっぱり理解できません(w
    Romeo and Juliet
1602「ロミオとジュリエット」★★★★☆

モンタギュー家の一人息子ロミオは、 キャピュレット家の舞踏会に仮面をつけて忍びこんだが、 この家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった。 仇敵同士の両家に生れた二人が宿命的な出会いをし、 月光の下で永遠の愛を誓い合ったのもつかのま、 かなしい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、 現代でもなお広く翻訳翻案が行われている。 世界恋愛悲劇の代表的傑作。 一触即発のモンタギュー家のキャピュレット家だが、 運命の導きのように両家の一粒種が恋の落ちてしまった。 燃えあがった二人――ロミオとジュリエットが早々に婚姻した矢先、 ついに両家の者の小競合いから死者が出てしまう。 この出来事を発端に物語は破局へと向かうことに―― ベランラ越しに愛を交わすふたりのシーンなど、 有名すぎるタイトルですね。作品知名度ではナンバー1? 新潮文庫の中野好夫訳で読む。 当人、訳すのに相当苦労したようで、 はしがきと解説で"危険な冒険"と自認するほど。 なるほど日本ナイズの違和感は若干ありましたし、 どうせ注釈で説明するなら無理しない手もあったでしょう。 (異国の大古典ですから、意味不明でもナンセンスの妙としてはあり) そのうえできばった功労は漢といえましょう(何様だ)
ジュリエットたんは13歳!
    Twelfth Night, or What You Will
1602「十二夜」★★★★★

シェイクスピア喜劇の到達点!笑いが涙にかわるとき…… 行き違う愛の行方 男に変装した若く美しいヴァイオラは、 セザーリオと名乗ってある国の領主に仕えていた。 その領主に魅せられたヴァイオラだが、 領主は、伯爵家の令嬢で当主のオリヴィアに恋焦がれている。 ところが、こんどはオリヴィアが男装のヴァイオラにひと目惚れ、 大混乱が巻き起こって……。 嵐で船が難破し、イリリアに流れ着いたヴァイオラは 男装して当地の領主に仕えるうちに恋に落ちてしまう。 しかし、領主オーシーノは伯爵家当主オリヴィアに求愛しており、 その想いを伝えるために派遣されたヴァイオラに 今度はオリヴィアが心を奪われてしまった! 奇妙な三角関係を軸に繰りひろげられるシェイクスピア喜劇の集大成。 単純に、もっとも笑えた作品。 タイトルはクリスマスから数えて12番目の夜、 1月6日の夜の"御公現の祝日"を指すそうな。 クリスマスから続くお祭り騒ぎの最後の一夜という感じ。 最初からハイテンションの乱痴気騒ぎが持続し、 いかにもな大団円といくつかの不協和音をもって終幕。 本格的な悲劇時代に差しかかってきている因子ですかね。 最後の詩も哀切感がたまらないけど喜劇でやるのかと思うし(w やはり道化が大好きだ。
    Othello
1604「オセロー」★★★★☆

ムーア人の勇敢な将軍オセローは、 サイプラス島の行政を任され、同島に赴く。 副官に任命されなかったことを不満とする旗手イアーゴーは、 策謀を巡らせて副官を失脚させた上、 オセローの妻デズデモーナの不義をでっちあげる。 嫉妬のあまり、妻を自らの手で扼殺したオセローは、 すべてが、イアーゴーの奸計であったと悟り自殺する。 シェイクスピアの後期の傑作で、四大悲劇の一つ。 ムーア人の勇猛で実直な軍人オセローは新婚早々、 妻デズデモーナを連れ、軍務でサイプラス島に派遣される。 一方、部下のひとり旗手イアーゴーはオセローへの積怨を晴らすため、 復讐の計略を着々とめぐらせていた。 執拗にオセローの心に嫉妬の種を植えつけ、やがて実を結ぶが―― "愛することを知らずして愛しすぎた男の身の上"話。 数日間の一家庭の悲劇で魅せる魅せる。 オセローが単純に純朴でいい人に映るから効きますね。 大恋愛中にでも読めばいっそう共鳴できるんだろうなぁ。
副題:ヴェニスのムーア人
    King Lear
1605「リア王」★★★★★

とつぜん引退を宣言したリア王は、 誰が王国継承にふさわしいか、娘たちの愛情をテストする。 しかし結果はすべて、王の希望を打ち砕くものだった。 最愛の三女コーディリアにまで裏切られたと思い込んだ王は、 疑心暗鬼の果てに、心を深く病み、荒野をさまよう姿となる。 隠居を決めたリア王は3人の娘―― 長女ゴネリル、次女リーガン、三女コーディリア――に対し、 だれが継承者にふさわしいか愛情を試し、 美辞麗句を並べたてるゴネリルとリーガンに権力をあたえ、 真実の愛ゆえにひかえめな表現にとどめたコーディリアを勘当してしまう。 やがて本性を現しはじめたゴネリルとリーガンに邪険にされるリア王。 そしてさらなる悲劇が老王に降りかかる―― リアじいちゃんが泣くまいとがんばる感じがなんともいえん。 グロスター父子のからみや道化も妙にたのしい。 種本におけるハッピーエンドの否定もこそまでするかと。 あの流れでリア王とコーディリアが助からないなんてね。 父子の悲劇……4大悲劇ではマイベスト。
    Macbeth
1606「マクベス」★★★★☆

かねてから、心の底では王位を望んでいたスコットランドの武将マクベスは、 荒野で出会った三人の魔女の奇妙な予言と 激しく意思的な夫人の教唆により野心を実行に移していく。 王ダンカンを自分の城で暗殺し王位を奪ったマクベスは、 その王位を失うことへの不安から 次々と血に染まった手で罪を重ねていく……。 シェイクスピア四大悲劇中でも最も密度の高い凝集力をもつ作品である。 「きれいは穢い、穢いはきれい」 凱旋中、3人の魔女に出会った野心家の驍将マクベスは、 やがて自分が王になるとの予言を受けた。 彼に劣らぬ野心を持つ妻に扇動され、 ついに景仰すべき王を暗殺し、血塗られた王位を簒奪する。 己の性質を無視したマクベスのこの行為の代償、顛末とは―― みんなのブラッドレー教授いわく、 自己を了解していない男の、良心の悲劇。 "巨人の衣装を盗んで着用におよんだ小人のみじめさ"、 この適確極まる表現に集約されている物語ですね。 「ハムレット」との対比も注目点。
    Antony and Cleopatra
1607「アントニーとクレオパトラ」★★★★☆

シーザー亡き後、ローマ帝国独裁の野望を秘めるアントニーは エジプトの女王クレオパトラと恋におちる。 妖女の意のままになったアントニーはオクテイヴィアスとの大海戦に敗れ、 クレオパトラ自殺の虚報を信じて自殺する…。 多様な事件と頻繁な場面転換を用い、陰謀渦巻くローマ帝国を舞台に、 アントニーとクレオパトラの情熱と欲情を描いて 四大悲劇と並び称される名作である。 物語設定が「ジュリアス・シーザー」後の作品。 ローマの主権のめぐり敵対する各勢力の野望と、 「ロミオとジュリエット」のような若く甘い恋愛と対比される、 アントニーとクレオパトラの熟し苦みもある恋愛の一話。 クレオパトラの人間像をどうとらえるかで 作品の印象がおおきく変わってきます。
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