The Word
1972「イエスの古文書」★★★☆☆
若くて広告業界で成功をおさめたランダルに、
宗教書の出版社から、宣伝の依頼がもたらされる。
ランダルは、その驚くべき内容に戦慄した―
イエス・キリストの実弟が書き遺した古文書が発見された。
近親者が記した、この新たな福音書によって、
謎につつまれた人間イエスの真実が明らかになるのだ。
しかもそこには、誰も予想もしなかった
“第二の復活”が記されているという!
そして、この文書を収録した新編集の聖書が、世界中で発売される。
そのPRを、ランダルに任せたいというのだ。
イエスの弟ヤコブが記したと思われる古文書が発掘された。
この衝撃的な、新たな福音書を収めた新聖書の出版が決まり、
宣伝広告会社社長スティーブ・ランダルに
極秘ビックプロジェクトへの参加の話が舞いこんだ。
信仰と利権をかけた保守派と改革派の折衝、
やがてランダルはある疑惑に取り付かれることに――
歴史ミステリ。
聖書(新約)の知識が浅くてもたのしめます。ソース私。
エンタメ色が強くて、
サスペンス(いきなり散歩したいと言いだし襲われたりw)や
エロス(節操ない!)のシーンがじつにわかりやすい。
といっても聖書がらみの記述はなかなか本格的で興味深い。
やはり欧米人にとっては影響力が段違いなのでしょうね。
個人的にはそこまで人生観変わるんかいと思っちゃうのですが。
結末はもの足りなく感じてしまいました。曖昧で。
ランダルが到った真理もどうもね。
この真偽の曖昧さこそ皮肉で象徴的ともいえそうですが。
ロマンスのほうは鼻白むばかり('・c_・` )
本書はアブリッジみたい、完訳じゃないと損した気分。
旧版(新潮文庫)は『「新聖書」発行作戦』というタイトル。だせえええ。
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