泡坂 妻夫 (あわさか つまお) 
1933〜
東京・神田鍛冶町生まれ。
九段高卒。
職歴・紋章上絵師。
本名:厚川昌男(あつかわまさお、筆名はアナグラム)
1976年「DL2号機事件」でデビュー。
代表作 「乱れからくり」推理作家協会賞
「折鶴」 泉鏡花文学賞
「陰桔梗」 直木賞
趣味 マジック
雲や虫など奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン亜愛一郎は、 長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、 グズでドジなブラウン神父型のキャラクターである。 ところがいったん事件に遭遇すると、 独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。 作家・泡坂妻夫のデビュー作「DL2号機事件」など全8話を収録した。 第1話 DL2号機事件 ローカルプロペラ機、DL2号機の爆破予告事件。 事件は未遂に終わったのだが……。 亜愛一郎と作者のデビュー作。 犯人の犯行というか、行動理念が強烈です。 第2話 右腕山上空 (腕枕の形状に似た)右腕山の上空、 熱風船のゴンドラ内で起きた空中密室殺人事件! トリックは王道か。 第3話 曲った部屋 お化け団地と呼ばれる住宅で起きた殺人事件。 怪奇じみていて雰囲気がすばらしい。 大胆な伏線もなかなか。 日本の団地は事件の現場向き?(^^ヾ 第4話 掌上の黄金仮面 弥勒菩薩の掌上に、黄金の仮面とマントをまとった男が出現。 宣伝ビラをまくための演出だったのだが、射殺されてしまう。 後ろ向きだったみたいな解釈は好きだな〜。 第5話 G線上の鼬 タクシーを狙った連続強盗殺人事件。 雪の現場の、足跡のない殺人系統。 やや解決までが強引かな、すっきりはしてますが。 第6話 掘出された童話 童話に隠された暗号もの。 こんなもの、解読できるもんか(w 作中に登場する作者ネタがナイス。 第7話 ホロボの神 激戦区に接していたホロボ島で発生した、 原住民の酋長の自殺のなぞに、現代の亜愛一郎が挑む! 第8話 黒い霧 黒い霧(カーボン)が吹き荒れた町のミステリー。 なぜ犯人はそれをまいたかのホワイダニットです。 総じて探偵役の亜愛一郎が魅力です。 人物の背景が薄いのがもったいないこともない。
二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体"惟霊講会"。 超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、 布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。 41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、 実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ―。 マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、 どうか未読の方には明かさないでください。 ヨギ ガンジー・シリーズ第2弾。 (第1弾「ヨギ ガンジーの妖術」は連作短編集) ある新興宗教団体の何人かの信者が事故などで死亡・失踪していたが、 そのすがたが目撃されるという現象が起きていた。 興味から首を突っ込んだヨギ ガンジーご一行。 やがて思いもよらぬ陰謀に巻き込まれていくが―― 大仕掛けなトリックで有名な本書。 いや、本当にご苦労さまとしか(w たしかにページをパラパラとめくると特徴ありますね。 これはぜひ触れていただきたい。 本格的な断食のくだりなんかも興味深かったです。
奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が、 マンションの自室で殺されていた。 しかも奇術仲間が書いた『11枚のとらんぷ』に出てくる小道具が、 儀式めかして死体の周囲を取りまいていた。 著者の鹿川舜平がたどり着いた真相とは。 石田天海賞受賞のマジシャン泡坂妻夫が、 マジックとミステリを結合させた第一長編で観客=読者を魅了する。 代表作。▼BACK▼ ▽TOP▽
玩具会社部長の馬割朋浩は隕石に当たるという奇禍で命を落とす。 その葬儀も終えぬ内に彼の幼児が睡眠薬を過って飲み死亡する。 さらに馬割家の人々のあいだで不可解な死が連続して……。 ねじ屋敷と呼ばれる馬割家の庭に造られた巨大迷路に隠された一族の謎とは? おもちゃ箱のようなミステリ。 多様なミステリの要素が詰まってます。 ドミノ的でスピーディな展開もいいですねー。 それでいて丁重だから置いてけぼりも食らいません。 雰囲気がいい♪