井上 夢人 (いのうえ ゆめと)
1950〜
1982年、徳山諄一との共作筆名・岡嶋二人として「焦茶色のパステル」で
第28回江戸川乱歩賞を受賞。
1986年、日本推理作家協会賞、
1989年、吉川英治文学新人賞受賞後、
同年「クラインの壷」刊行と同時にコンビを解消する。
1992年「ダレカガナカニイル…」でソロとして再デビュー。
本名:井上 泉
OHP
超参考
1997「メドゥサ、鏡をごらん」★★★★☆
作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に 全身を塗り固めて絶命していた。 傍らには自筆で〈メドゥサを見た〉と記したメモが遺されており、 娘とその婚約者は、異様な死の謎を解くため、 藤井が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。 だが、何かがおかしい。次第に高まる恐怖。そして連鎖する怪死! ホラー。ややミステリの要素も。 それなりに怖いです、逆転していく様が… もう鏡 見たくなくなります。 おしゃれな人は読まない方がいいかも(w メドゥサといってもグラマーな眼鏡姉さんは出てきませんよ?(訊いてません
1997「風が吹いたら桶屋がもうかる」★★★☆☆
牛丼屋でアルバイトをするシュンペイには フリーターのヨーノスケと、 パチプロ並の腕を持つイッカクという同居人がいる。 ヨーノスケはまだ開発途上だが超能力者である。 その噂を聞きつけ、なぜか美女たちが次々と事件解決の相談に訪れる。 ミステリ小説ファンのイッカクの論理的な推理をしり目に、 ヨーノスケの能力は、鮮やかにしかも意外な真相を導き出す。 ユーモアミステリ。 繋がりのある短編集ですねー。 展開はワンパタですが面白おかしく飽きません。 主役の3人組みがいい味出してます(^^)▼BACK▼ ▽TOP▽
1992「ダレカガナカニイル…」★★★★☆
僕、西岡悟郎は28歳独身。 警備保障会社に勤める、まったく普通の人間だった。あの日までは。 あの8月2日の夜、一体僕に何が起こったのだろうか― 僕の新しい職場は山梨の小さな村、新興宗橋の道場の警備だった。 ところが道場が火事になった教祖が死に、 職を失って東京に戻ると僕に異変が起こった。 僕の頭の中に誰かがいるのだ― 井上夢人のデビュー作、多重人格ミステリー。 ジャンルはミステリー(ミステリではない) デビュー作といっても、ソロデビュー作なだけ。 多重人格といっても、二重人格なだけ。 タイトルからホラーだと思ってたんですよね。 なんか、朝起きたらなぜか血痕が付着していて、 近隣で殺人事件が多発していた、みたいなベタなの。 ところが、ナカニイルのは記憶消失の女性なんです。 これを学術と宗教の観点から縫い合わせた物語。 分厚いけど一気に読ませるスピーディな文体は相変わらず。 そして、なんともいえないあの結末。ゾクゾクします(;´Д`) でも展開は読めちゃいましたけどね(^^; だって、ぜんぜんおばさんっぽくないんだもん>中の人 犯人役まで担っているとは思いませんでしたが。 ループエンドによってホラーであり恋愛小説で閉まるのも秀穎。