乾 くるみ (いぬい くるみ)
1963.10.30〜
静岡県生まれ。
静岡大学理学部数学科卒。
1998年に第4回メフィスト賞を受賞した「Jの神話」でデビュー。
竹本健治の「匣の中の失楽」へのオマージュである
第2作「匣の中」など、戦慄と衝撃に満ちた作品郡。
別名義:市川尚吾
著作リスト 1998「Jの神話」 1998「匣の中」 1999「塔の断章」タロット 2001「マリオネット症候群」 2003「林真紅郎と五つの謎」林四兄弟 2004「イニシエーション・ラブ」タロット 2004「リピート」タロット 2008「カラット探偵事務所の事件簿1」カラット 2008「クラリネット症候群」 2009「六つの手掛かり」林四兄弟 2010「セカンド・ラブ」タロット 2010「蒼林堂古書店へようこそ」林四兄弟 2010「スリープ」 2011「嫉妬事件」タロット 2012「カラット探偵事務所の事件簿2」カラット
1998「Jの神話」★★★★☆
全寮制の名門女子高「純和福音女学院」を次々と怪事件が襲う。 1年生の由紀は塔から墜死し、 生徒会長を務める美少女・真里亜は「胎児なき流産」で失血死をとげる。 背後に暗躍する謎の男「ジャック」とは何者か? その正体を追う女探偵「黒猫」と新入生の優子にも魔手が迫る。 女に潜む“闇”を妖しく描く衝撃作! 百合ミステリ。ホラーというべきか(;´Д`) いかにもメフィストらしい作品。 読後感は最悪orz 数日間は鬱りましたよ……。 これなんてエロゲ? よもやJとふたなりが関するとはおもわなんだ('A`) 好き嫌いは激しくわかれそうですが、 発生学の理系ミステリとしての異色さは凄絶。 これ、女性の視点だとどうなんだろうなあ……。ああ鬱だ。
1998「匣の中」
探偵小説の愛好家グループの中心人物・伍黄零無が 奇妙な言葉を残し密室から消えた。 メンバーの仁行寺馬美が書くモデル小説通り、 仲間達もまた密室で殺される。 死者を愚弄するような装飾と暗号。 目眩く推理合戦。 すべてを裏切って全宇宙を揺るがす真相。 新本格の原点『匣の中の失楽』への、罠に満ちたオマージュ。 実質的に第一作
1999「塔の断章」★★★☆☆
作家・辰巳まるみが書いた小説『機械の森』。 そのゲーム化をはかるスタッフ八人が湖畔の別荘に集まった。 その夜に悲劇が起こる。 社長令嬢の香織が別荘の尖塔から墜落死したのだ。 しかも彼女は妊娠していた。 自殺なのか、それとも? 誰もが驚くジグソー・ミステリ、 著者自身による解説を加えた「完全版」で登場。 タロウ(タロット)・シリーズ第1弾。 ある小説をゲーム化するため、塔のある別荘に集まったスタッフたち。 一晩明けた朝に事件が。出版社の女性がテラスで死んでいた。 塔から墜落したようで、彼女は妊娠していた。何が起こったのか。 プロジェクトのリーダーの天童太郎、小説原作者の辰巳まるみが真相を追う。 文庫版(講談社)には著者のネタバレ解説あり。 バレなしだと語りにくいw 断章というだけあってあちこち場面が飛ぶからややこしいんですよね。 もっともこれが重要というか最大の伏線なわけですがw あとは一人称のはっきりしない性別もモヤモヤしてたなぁ。 これも結果的にはアレなわけですが、きれいに騙されたかった。 そんなわけで読んでてフラストレーションがありました。 題材の表現としてはこうする他なかったのはわかりますけども!
2001「マリオネット症候群」
とにかく私は驚いた。 ある晩、目覚めたら、勝手に動いている自分の身体。 意識はハッキリしてるのに、声は誰にも通じない― まさか私、何かに乗っ取られちゃったの!? 誰の仕業かと思っていたら、 なんと操り主は、あこがれの森川先輩らしいの。 でも、森川先輩って、殺されちゃったらしくって… それっていったい、どういうこと? とっても奇妙なパラサイト・ストーリー。書き下ろしで登場。
2003「林真紅郎と五つの謎」
複雑な波形が脳裏で重なるとき、林真紅郎の前にもはや謎はない! 林真紅郎は35歳の元法医学者。 妻を事故で亡くしたことがきっかけで大学を辞めてからは、 「隠居」生活を送っている。 そんな彼が出会う不思議な5つの事件。 バラバラに見える謎すべてが脳裏でシンクロした時に見える真相とは?
2004「イニシエーション・ラブ」★★★★★
目次から仕掛けられた大胆な罠、 全編にわたる絶妙な伏線、 そして最後に明かされる真相…。 80’sのほろ苦くてくすぐったい恋愛ドラマはそこですべてがくつがえり、 2度目にはまったく違った物語が見えてくる…。 ああ、凄かった… 上記の通り、ラスト(というか全体)に なんかあるのは承知の上だったけど、ああくるかね… なんだろう、あんまりいえないんだけど(物凄いいいたくなるw)、 久々に最悪だったよ… ちぐはぐな違和感が爆発的につながるこういう感覚は ミステリでしか味わえませんねぇ。 基本は恋愛小説です、それはそれはピュア〜な恋愛ものです。 甘甘のラブ萌えですよ、えちぃ描写も濃いし(w それでいてミステリ。 値段がちと高いけど、このできなら文句なしです♪ ページも薄めで読みやすいので全人類にお薦めします(ニヤリ
2004「リピート」
もし、現在の記憶を持ったまま十カ月前の自分に戻れるとしたら――。 この夢のような「リピート」に成功し、 人生の「やり直し」に臨もうとしている、 年齢も職業もバラバラの十人の男女。 彼らは一人、また一人と、次々と不審な死を遂げていきます。 誰が「リピーター」を殺しているのか? 家族にも警察にも相談できないまま、 独自の捜査を行う彼らが辿りついた衝撃の真相とは――。 ミステリ界の鬼才が、永遠の名作『リプレイ』 +『そして誰もいなくなった』に挑んだ傑作の登場です。
2004「カラット探偵事務所の事件簿1」
あなたの頭を悩ます謎をカラッと解決いたします! 浮気調査や信用調査などを扱う普通の私立探偵とは異なり、 謎解きだけを専門に扱うカラット探偵事務所。 探偵・古谷と助手・井上は毎回事件現場を訪れ、持ち込まれた事件を鮮やかに解決する! ファンとのメールのやりとりから作家の夫の浮気をあぶり出す「卵消失事件」、 武家屋敷と呼ばれる豪邸で建物に突き刺さった矢が次々と見つかる「三本の矢」、 祖父が作ったという三つの和歌から屋敷内に隠されたお宝を掘り当てる「兎の暗号」、 差出人不明の手紙に同封された写真から父の居場所を見つけ出す「別荘写真事件」、 団地内に配られた住人の不倫を告発する怪文書の謎を解く「怪文書事件」、 古谷と井上の同級生の結婚式で、 新婦の父親から風変わりな相談をされる「三つの時計」の6つのファイルを収録。
2004「クラリネット症候群」
ドレミ…の音が聞こえない? 巨乳で童顔、憧れの先輩であるエリちゃんの前でクラリネットが壊れた直後から、 僕の耳はおかしくなった。しかも怪事件に巻き込まれ……。 僕とエリちゃんの恋、そして事件の行方は? 『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大ブレイクの著者が贈る、 待望の書下し作が登場!著者ならではの思いがけない展開に驚愕せよ。
2004「六つの手掛かり」
見た目は「太ったチャップリン」の謎めく男、林茶父は神出鬼没。 変死事件にたびたび遭遇して、 犯人と、犯人が隠匿しようとした事実をカラリと鮮やかに暴いてみせる。 普段はおかしみのある雰囲気でも、洞察鋭く、奥に潜む真実にたどりつく。 さあご覧あれ、類い稀なる見事なロジック! 全六話のうち三作が日本推理作家協会や 本格ミステリ作家クラブ編のアンソロジーに入った傑作ミステリー短編集。
2004「セカンド・ラブ」
1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。 やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。 春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは…。 清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる心。 『イニシエーション・ラブ』に続く二度読み必至、驚愕の「恋愛ミステリー」。
2004「蒼林堂古書店へようこそ」
書評家の林雅賀が店長の蒼林堂古書店は、ミステリファンのパラダイス。 バツイチの大村龍雄、高校生の柴田五葉、 小学校教師の茅原しのぶ―いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、 ささやかな謎解きを楽しんでいく。 かたわらには珈琲と猫、至福の十四か月が過ぎたとき…。 乾くるみがかつてなく優しい筆致で描くピュアハート・ミステリ。
2004「スリープ」
目覚めると、そこは30年後の世界だった。 『イニシエーション・ラブ』『リピート』に続き、今度は未来へ… 6年ぶりの長篇書き下ろし。
2004「嫉妬事件」
城林大ミステリ研究会で、年末恒例の犯人当てイベントが開催され、 サークル一の美人・赤江静流が、長身の彼氏を部室へ連れてきた当日、 部室の本の上には、あるものが置かれていた。 突如現れたシットを巡る尾篭系ミステリの驚愕の結末とは!? 「読者への挑戦」形式の書き下ろし短編、「三つの質疑」も特別収録。▼BACK▼ ▽TOP▽
2004「カラット探偵事務所の事件簿2」
≪あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決いたします≫ ――閑古鳥の啼く「謎解き専門」の探偵事務所に持ち込まれた 七つの事件を、探偵・古谷が鮮やかに解決! <年上の女性からの誘惑>に悩まされる高校三年の従弟が持ち込んだ「小麦色の誘惑」、 密室状態の事務所から盗まれたあるものを見つけ出す「昇降機の密室」、 偶然井上が遭遇した駐車場の追突事件の真相を暴く「車は急に……」、 リンク切れになったネットのクイズ記事の解答を知りたいという「幻の深海生物」、 三十六年前に義絶した弟の死の通知と共に届けられた絵画をめぐる「山師の風景画」、 事故で急死した父親が残した秘伝のたれのレシピを探す「一子相伝の味」、 古谷の<運命の人>西田カレンから依頼された ストーカー疑惑を解決する「つきまとう男」の七つのファイルを収録。 リアルな日常生活の中で謎解きの面白さを追求する、 ミステリの名手による連作短編集。 シリーズの新たな展開を予感させる、衝撃の第二弾!