京極 夏彦 (きょうごく なつひこ)

1963.3〜
北海道小樽市出身。
桑沢デザイン研究所を経て、広告代理店等に勤務の後、制作プロダクションを設立。
アートディレクターとして、現在でもデザイン・装丁を手掛ける。
現在、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員、
国際日本文化研究センター客員研究員、関東水木会会員。
94年「姑獲鳥の夏」でデビュー。
96年「魍魎の匣」で第49回日本推理作家協会賞長篇部門、
97年「嗤う伊右衛門」で第25回泉鏡花賞を受賞。
03年「覘き小平次」にて第16回山本周五郎賞を受賞。
04年「後巷説百物語」にて第130回直木賞を受賞。
OHP
超参考
1994「姑獲鳥の夏」★★★★★

この世には不思議なことなど何もないのだよ― 古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。 東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。 娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。 文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。 妖怪シリーズ第1弾。 とにかく浩瀚なるシリーズ。ヘタな辞書より分厚いですからねー。 上下巻などにわけない日本の製本技術に驚愕を禁じえません(w 陰陽師の京極堂、ぽんこつ文士の関口君、 超絶探偵の榎木津、マイシスター敦子ちゃんなど 魅力的な萌え燃えキャラも多数登場。 やや密室もの。舞台は昭和20年代後半です。 雨の場面が大好き。 このシリーズは順番がおすすめです。
1995「魍魎の匣」★★★★★

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。 箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。 そして巨大な箱型の建物― 箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。 探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。 果たして憑物は落とせるのか!? 妖怪シリーズ第2弾。 ごちゃごちゃで乱雑でも 終わってみれば理路整然としちゃうのは大したもんだよ。 ラストが秀逸。
1995「狂骨の夢」★★★★
夫を四度殺した女、朱美。 極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。 神を信じ得ぬ牧師、白丘。 夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。 海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。 遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、 京極堂は憑物を落とせるのか? 妖怪シリーズ第3弾。 首無し死体は己の髑髏を求め彷徨う。 朱美たんと降旗(元精神科医)がいい味出してます。
1996「鉄鼠の檻」★★★★
忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。 箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者―骨董屋・今川、老医師・久遠寺、 作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。 謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、 さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第4弾! 妖怪シリーズ第4弾。 閉ざされた雪の山荘(寺院)もの。 京極堂の"先生"が素敵。 バランスはシリーズ随一じゃないかな。
1996「絡新婦の理」★★★★★

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな― 二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。 房総の富豪、織作家創設の女学校に拠る美貌の堕天使と、 血塗られた鑿をふるう目潰し魔。 連続殺人は八方に張り巡らされた蜘蛛の巣となって 刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。 中心に陣取るのは誰か? 妖怪シリーズ第5弾。 目潰し魔もの(なんじゃそら 嫌ですねー、想像するだけで鬱になります。 でも書き出しが超好きなこの作品。 しかしレギュラー多すぎ。 同じキャラ使う必要性も必然性も薄いと思うんだけどなぁ。 地味なのは切り捨ててくれ…(←忘れてきてる
1998「塗仏の宴 宴の支度」

「知りたいですか」。 郷土史家を名乗る男は囁く。 「知り ――たいです」。 答えた男女は己を失い、昏き界へと連れ去られた。 非常時下、大量殺戮の果てに伊豆山中の集落が消えたとの奇怪な噂。 敗戦後、簇出した東洋風の胡乱な集団6つ。 15年を経て宴の支度は整い、京極堂を誘い出す計は成る。 妖怪シリーズ第6弾。
1998「塗仏の宴 宴の始末」

「愉しかったでしょう。こんなに長い間、楽しませてあげたんですからねえ」。 その男はそう言った。 蓮台寺温泉裸女殺害犯の嫌疑で逮捕された関口巽と、 伊豆韮山の山深く分け入らんとする宗教集団。 接点は果たしてあるのか? ようやく乗り出した京極堂が、 怒りと哀しみをもって開示する「宴」の驚愕の真相。 妖怪シリーズ第7弾。
2003「陰摩羅鬼の瑕」

白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主の5度目の婚礼を控えていた。 過去の花嫁は何者かの手によって悉く初夜に命を奪われているという。 花嫁を守るよう依頼された探偵・榎木津礼二郎は、 小説家・関口巽と館を訪れる。 ただ困惑する小説家をよそに、館の住人達の前で探偵は叫んだ。 ――おお、そこに人殺しがいる。 妖怪シリーズ第8弾。
2001「今昔続百鬼 雲」★★★★
河童に噛み殺された男。物忌みの村を徘徊する怪人。 絶対負けない賭博師。神隠しに遭う即身仏―― はたしてそれは全部妖怪の仕業なのか? 断言するのは全身妖怪研究家・多々良勝五郎大先生! 戦後まもなく各地で発生する怪事件に 次々巻き込まれる妖怪馬鹿コンビの大冒険。 短編集。4話収録。 多々良先生と沼上くんの掛け合いが楽しいです(^^) 妖怪好きは要チェックです。 ちらっと黒衣の男も登場♪
おまけ
1994「憑霊信仰論」★★★★
小松 和彦 (著) 「憑く」という語の本来の意味は、 事物としてのものにもともと内在する精霊や、異界の神霊などが、 別の事物としてのものに乗り移ることを意味していた。 本書は、こうした憑依現象を手懸りにして、 狐憑き、犬神憑き、山姥、式神、護法、付喪神など、 人間のもつ邪悪な精神領域へと踏み込み、 憑依という宗教現象の概念と行為の体系を介して、 日本人の闇の歴史の中にうごめく情念の世界を明らかにした好著。 目次 1 「憑きもの」と民俗社会―聖痕としての家筋と富の移動 2 説明体系としての「憑きもの」―病気・家の盛衰・民間宗教者 3 〈呪咀〉あるいは妖術と邪術―「いざなぎ流」の因縁調伏・生霊憑き・犬神憑き 4 式神と呪い―いざなぎ流陰陽道と古代陰陽道 5 護法信仰論覚書―治療儀礼における「物怪」と「護法」 6 山姥をめぐって―新しい妖怪論に向けて 7 熊野の本地―呪咀の構造的意味 8 器物の妖怪―付喪神をめぐって 9 収録論文解題 著者紹介 1947年東京都生まれ。 埼玉大学教養学部卒業。東京都立大学大学院博士課程修了。 現在、大阪大学文学部助教授。 専攻は文化人類学・民俗学。 著書は『異人論』『悪霊論』『神々の精神史』『説話の宇宙』 『神隠し』『日本の呪い』『鬼がつくった国・日本』(共著)など多数。 幅広い妖怪やら呪詛やら憑きものやらの読み物。 京極にかぶれ傾倒してた頃に購入。 専門書というより入門書なので とっても丁寧でわかりやすく面白い(^^) 人によっては一笑に付すジャンルでしょうが、 なんのなんの埋もれた含蓄の豊富さは有益ですぞ。 式法『天道血花式』といざなぎ流『不動王生霊返し』の呪法付き(w
1999図説 百鬼夜行絵巻をよむ★★★☆☆

奇妙な妖怪たちが闇の京都を行列をなし徘徊する…。 日本のお化け絵の源流「百鬼夜行絵巻」はなぜ生まれ、何を描いたのか。 異界の達人たちが日本の「闇の文化史」の謎を解読する。 田中 貴子 1960年、京都生まれ。 広島大学大学院博士課程修了。甲南大学文学部教授。中世国文学 花田 清輝 1909〜74年、福岡生まれ。 京都大学英文科中退。文芸評論家、小説家、劇作家 澁澤 龍彦 1928〜87年、東京生まれ。 東京大学仏文科卒。エッセイスト、翻訳家、小説家として多数の作品を発表 それに小松和彦氏を加えた4人の論考やエッセイ付き。 4つの「百鬼夜行絵巻」―― 真珠庵本、京都市立芸術大学蔵、東京国立博物館蔵・模本、大阪市立美術館蔵 ――をカラーで楽しめるのがいいですね。 付喪神との関係で古道具や動物をあしらった妖怪はかわいらしいです。 物語もわかりやすい現代訳で紹介されていてグッド。 でも全体的にボリューム不足で半端な研究書な感じ。
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