二階堂 黎人 (にかいどう れいと)

1959.7.19〜
東京都生まれ。
昭和59年中央大学理工学部数学科を卒業。
在学中、手塚プロ主催の「手塚治虫ファンクラブ」の会長を務める。
卒業後、運輸省の外郭団体に勤務。
1990年、第1回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。
1992年「地獄の奇術師」でデビュー。
本名:大西克己

超参考
OHP
1992「地獄の奇術師」★★★★
十字架屋敷と呼ばれる実業家の邸宅に、 ミイラのような男が出没した。 顔中に包帯を巻いた、異様な恰好である。 自らを「地獄の奇術師」と名乗り、 復讐のためにこの実業家一族を皆殺しにすると予告をしたのだ。 「地獄の奇術師」の目的は何なのか。 女子高生で名探偵、二階堂蘭子の推理が冴え渡る、本格探偵小説。 二階堂蘭子シリーズ第1弾。ミステリ。 …ああ、驚いた。 別に「驚愕の真実」や「意外な犯人」に ビックリしたわけじゃないんですけどね。 (珍しく大雑把には看破できましたよ) まず、 >女子高生で名探偵、二階堂蘭子 これがもう数年前から興味はあったんですよ。 でものびのびになっててようやく読破。 んで、蘭子たんなんですが、序盤の作中でこのように紹介されています。  私の隣には、私と色違いの茶色いコートを着た、 綺麗な顔立ちの少女が歩いている。 その若々しいはつらつとした表情を見ると、 勝気な漆黒の瞳が印象的に輝いており、驚くほど豊かな巻き毛が、 映画女優と見間違うばかりに、肩の上へ美しく降りかかっていた。 彼女の名前は二階堂蘭子。私と同年の義妹である。 義妹キタ━━━(゜∀゜)━━━!!!! や、もう、この時点で歴史的かつ画期的名作ですよ! "私"ってのは記述者の二階堂黎人くんです。 (ちなみに父親・二階堂陵介は警視庁警視正) 義妹のホークショーちゃんなんて「チェキー!」とかいってるあの娘しか 知らないもんなあ、萌えるけどあれは探偵とはいいがたいもんなあ。 序盤にこんなシーンもあります。 二階堂兄妹と親友の英希がミステリ談議をして、 英希が乱歩を批判的に攻めたてます。すると… 「それは認めるわ。でもやっぱり、乱歩の悪口は嫌だわ」 乱歩叩かれてすねてる━━━(゜∀゜)━━━!!!! ああ、驚いた。こんなすてきな探偵を今まで知らずにいたなんて… ただ極めて遺憾なことに"私"の呼称が「黎人」なんですorz ぜんぜん異性の意識もしてないし、もったいねぇ… この辺が星4つのゆえんです(w (探偵役がおっさんとかだったら星3つ) さてさて、ついで(!)に内容の紹介でも軽く。 作風は「乱歩が生みの親、カーが育ての親」と豪語するだけあって 怪奇趣味がちりばめられています。 作中にもいろんなミステリの名作が引用されてるので、 ある程度 ミステリの大局観はつかんでないと食あたりするかも。 あとあんまりにも名作を引用するもんだから、 この作品の魅力がすべてオマージュに思えてきちゃうんだな。 自分で自分の首をしめてる感じ。 (あのオチでQの「十日間の不思議」の引用をよくできるね…) オリジナルな部分もも少し頑張って欲しい要素が多い。 科学捜査をきらって舞台を昭和中期にするのも姑息といえばそれ。 これシリーズ第3弾あたりでやればよかったのにね。 あわよくば「人狼城」まで繋ごうかと思ってたけどキツいかな… まあ、雰囲気至上なら問題ない完成度だし、 乱歩やカーの呼吸が好きならおさえておくべき作品ではありますね。 90年代初頭の島荘の解説が読めるのもおいしいです(w
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