スティーヴン・バクスター (Stephen Baxter)

1957〜
リバプール生まれ。
ケンブリッジ大学で数学の学位を、
サウサンプトン大学で工学の博士号を取得。
現在はイギリス南部バッキンガムシア在住。
1987年、短編「ジーリー・フラワー(「プランク・ゼロ」に収録)」で作家デビュー。
代表作は、バリオン物質世界に君臨する超種族ジーリーと
それに伍していこうとする人類文明の運命を描いた<ジーリー>年代記。
著作リスト
No. 年度 邦題 原題
1991 天の筏 Raft
1992 時間的無限大 Timelike Infinity
1993 フラックス Flux
1994 虚空のリング Ring
1995 タイム・シップ The Time Ship
1997 プランク・ゼロ
真空ダイアグラム
Vacuum Diagram
1999 マンモス 反逆のシルヴァーヘア Mammoth Book One : Silverhair
    Raft
1991「天の筏」

重力定数が10億倍の宇宙に迷いこんだ宇宙船乗組員の末裔たちは、 呼吸可能な大気に満たされた〈星雲〉で生き延びていた。 彼らは宇宙船の残骸である円盤状の筏〈ラフト〉を中心にして 社会を形成し過酷な環境に耐えてきたのだが、 〈星雲〉の寿命が残り少なくなったいま、 人々の命運も尽きようとしている…。 この危機を打開すべく、 勇気と好奇心にあふれる少年リースの冒険が始まった。 ハードSFの気鋭が放つ、長篇第1作。
    Timelike Infinity
1992「時間的無限大」

人類は、木星軌道上に設置したワームホールを タイムマシンに転換すべく奮闘していた。 そんな時、そのワームホールから未来人の船が現れた。 乗っていたのは〈ウィグナーの友人〉と名乗る人々で 千五百年未来の地球を支配する異星種属クワックスを 滅ぼすためにやって来たのだという。 だが、その裏には途方もない意図が。 ハードSFの新たな旗手が、 千五百年の時に隔てられた二つの太陽系の抗争を壮大に描いた傑作長篇。
    Ring
1994「虚空のリング」

3953年。 人類はワームホール・テクノロジーの開発により、 着々と版図を拡大しつつあった。 ところが、太陽をはじめとする主系列星に思わぬ異常が発見された! 恒星の進化過程が何百倍にも加速され、 恐るべきスピードで銀河が老化しているのだ。 このままでは、遠からず宇宙は死滅してしまう! この異変の謎を探るべく、 最新鋭の宇宙船「グレート・ノーザン」が、 ワームホールを利用して五百万年後の未来へと旅立つが…。
    The Time Ship
1995「タイム・シップ」

1891年、時間航行家はタイム・マシンに乗り、ふたたび未来へ旅立った。 タイム・マシンを発明した時間航行家は、 最初の時間旅行から帰還したものの、 野蛮なモーロック族に拉致されたエロイ族の少女ウィーナを 忘れられなかったのだ。 彼女を救うべく時間航行家は西暦80万2701年の未来をめざすが…。 英国SF協会賞、ジョン・W・キャンベル記念賞、 P・K・ディック賞、クルト・ラスヴィッツ賞受賞。
    Vacuum Diagrams
1997「プランク・ゼロ」★★★★★

恒星間宇宙へと進出した人類は、 豊饒にして冷徹なる時空の真実を知り、 多種多様な生命形態との遭遇を繰り返していく。 だが、その前途には、宇宙の黎明期から存在する謎の超種属ジーリーとの 百万年にもおよぶ興亡の歴史が待ち受けていた。 時空の誕生から終末までを描く、未来史連作集。 〔ジーリー・クロニクル1〕前半。 す、スケールでけぇ!!(`Д´) 壮大、なんて次元じゃないっす。 時間は特異点(ビックバン)から特異点(時間的無限大)。 空間は宇宙全土。これ以上の単位はありませんよ。 「真空ダイヤグラム」とセットのハードSF短編集です。 タイトルのプランクはプランク定数のあれね。 ドイツの物理学者、量子の父。 その基本定数がゼロになると…? どの話も奇想のかたまりで興味深いのばかりだけど、 個人的には「論理木」の発想がツボすぎた(;´Д`) 信じられない、よくあんなの思いつくなぁ…
    Vacuum Diagrams
1997「真空ダイヤグラム」★★★★★

宇宙進出から1万年の歳月が経過し、 異星種属スクウィーム、クワックスによる支配をも克服した人類は、 ついに超種属ジーリーに次ぐ地位を獲得するに至った。 しかし、彼らはまだ知らなかった― 時空の開闢以来、数百億年をかけてジーリーが遂行してきた計画の存在を。 その目的が、間近に迫った宇宙の終末とともに成就されることを…。 人類という種の絶頂から衰退、 時空の黄昏までを描ききった驚愕の未来史連作集第2巻。 〔ジーリー・クロニクル2〕後半。 「プランク・ゼロ」 は歴史的事象になりうる 人類のサクセスストーリーと異種生命がメイン。 「真空ダイヤグラム」はそれと併合して人類復活のストーリー。 そして"イヴ"の存在とは… ともかく比類ないくらい壮大なんで、 力技で細かい点まではフォローしきれてないけど (したところで煩雑になるだけでほぼ無意味だろうけど) 歴史年表が巻末に挿入されてて大局が掌握しやすいのも便利。 なおこのジーリーシリーズは長編で、 「天の筏」「時間的無限大」「フラックス」「虚空のリング」 の4作が前に発行されているんです。 だからこっちを先に読んどくのがベターなのかなあ。 未読なんでなんともいえないんですけどねぇ。 まあ、それでもむちゃくちゃおもしろかったけど♪ 小さいことなど気にならなくなっちゃうね! カバー(フォティーノ・バード)もかっこいい。 なによりジーリーかっこよすぎ(#´Д`)レーテー
    Mammoth Book One : Silverhair
1999「マンモス 反逆のシルヴァーヘア」

雪と氷に閉ざされた厳寒のツンドラ地帯の孤島で、 地上最大の哺乳類であるマンモスの一族が人知れず生きていた。 その一族の若き雌マンモス、シルヴァーヘアがたどる 波瀾万丈の冒険を描く話題作。
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