ガストン・ルルー (Gaston Leroux)
1868.5.8〜1927.4.15
パリのフォーブール・サン・マルタン通り生まれ。
密室トリック物の草分けとして
推理小説史に残る「黄色い部屋の謎」の著者であり、
「オペラ座の怪人」の著者としても有名。
ミステリ以外にも大衆、歴史小説、SF、ホラーなど作品のジャンルは多岐に渡る。
またル・マタン紙の特派員として世界を飛び回り、
ジャーナリストとしても評価が高い。
Le Mystere de la Chambre Jaune 1907「黄色い部屋の謎」★★★★☆
内部から完全に密閉された〈黄色い部屋〉の中から令嬢の悲鳴が聞こえ、 救援にかけつけた一同がドアをこわして飛び込んだとき、 血の海の中には令嬢が倒れていた。 犯人の姿はどこにも見あたらない―― “密室犯罪”と“意外な犯人”の二大トリックを有する本編は、 数少ないフランス本格派を代表する傑作であり、 世界ベストテンで上位を占める名作。 ジョゼフ・ルールタビーユシリーズ第1弾。 通称ぶな屋敷と呼ばれる原子物理学者の権威スタンガースン博士の 城の離れにある〈黄色い部屋〉で巻き起こった密室傷害事件。 このセンセーショナルな事件に、 新聞記者で18歳の若き名探偵ルールタビーユと、 パリ警視庁の老練の名探偵ラルサンが挑む! 密室ものの里程標。歴史的価値も高いです、必読。 〈黄色い部屋〉の謎以外にも、 城内で逃げた犯人がみなの前で消失してしまう〈不可思議な廊下〉の 謎も持ちあがったり、怪死体が発見されたりとスタミナもあり。 ただ、どうにも劇作家の根性なのか、 芝居っ気がたちこめているので、引かないように(w 密室が完ぺきすぎて、トリックは自作自演の覚悟をしたけれど、 二段階の犯行に悪夢ですか(^^; こめかみの傷とか、見逃すものか……? まあ、許容範囲内ですけどね、ぜんぜん。 それよりラストの子供がいるってところで震えたんですが! あれ、ルールタビーユだと思ったもので――ちがうかな?(^^;
Le Parfum De La Dame En Noir 1909「黒衣婦人の香り」
『黄色い部屋の謎』事件から2年、ルールタビーユは再び謎に巻き込まれた。 南仏海岸の幻想的な古城砦を舞台に、奇怪な、 そして意外な出来事が連続する。 その影に見えかくれする、亡霊にも似たバルメイエの姿に怯える人々。 前作でついに明かされることのなかった 〈黒衣婦人の香り〉の秘密がそのヴェールを脱ぐ、ファン必読の書。 ジョゼフ・ルールタビーユシリーズ第2弾。 「黄色い部屋」で何度もでてきた意味深なワード〈黒衣婦人の香り〉。 気になりますよねー。 ただ解説で「前作よりいちじるしく劣ったもの」とされているので、未読(w▼BACK▼ ▽TOP▽
Le fantome de l'Opera 1910「オペラ座の怪人」★★★★★
夜ごと華麗な舞台が繰り広げられるオペラ座。 だが、その地下では全く別のドラマが進行していた。 幽霊騒ぎを端緒に、続発する奇怪な出来事。 恋い慕う歌姫を追って事件に巻き込まれたシャニイ子爵の運命は? 人外境と化したオペラ座の奈落の闇にひそむ幽霊とは何ものなのか? 『黄色い部屋の謎』と並び称される、ルルーの代表的傑作! 神秘に到達しうる幻想的な怪奇ロマンミステリ。 ビューネンドラマ(戯曲)といったほうが正確かしら。 ファースの要素なんかも混じってるしなぁ。 まあ、おおよそこの物語をしらない人もいないだろうからいっか。 19世紀末のパリ、オペラ座での悲劇。 ジャンルの好き嫌い問わず読んでおくべき作品です。 "キリエ・エレイソン" ゲコッ!