No. |
年度 |
原題 |
邦題 |
1 |
1911 |
The Innocence of Father Brown |
ブラウン神父の童心 |
「ブラウン神父シリーズは巨大な器だ。神も宇宙もこの中にある。」
奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句、
全5冊におよぶ色彩ゆたかなブラウン神父譚は、
シャーロック・ホームズものと双璧をなす短編推理小説の宝庫で、
作者チェスタトンのトリック創案率は古今随一だ。
まんまるい顔、不格好で小柄なからだ、
大きな黒い帽子とこうもり傘の神父探偵の推理は常に読者の意表をつく。
●収録作品
「青い十字架」
「秘密の庭」
「奇妙な足音」
「飛ぶ星」
「見えない男」
「イズレイル・ガウの誉れ」
「狂った形」
「サラディン公の罪」
「神の鉄槌」
「アポロの眼」
「折れた剣」
「三つの兇器」 |
2 |
1914 |
The Wisdom of Father Brown |
ブラウン神父の知恵 |
収載作品は、トリックの点でチェスタトンの作品でも
十指にはいるほど優れている「通路の人影」、
ポオの“盗まれた手紙”にも比肩される「銅鑼の神」、
仮装舞踏会を舞台に
神父の心理試験反対論を織りまぜた傑作「器械のあやまち」、
チェスタトンの奇術趣味がよく現われた、
カー、ロースン、H・H・ホームズなどの先駆「グラス氏の失踪」等。
●収録作品
「グラス氏の失踪」
「泥棒天国」
「ヒルシュ博士の決闘」
「通路の人影」
「器械のあやまち」
「シーザーの頭」
「紫の鬘」
「ペンドラゴン一族の滅亡」
「銅鑼の神」
「クレイ大佐のサラダ」
「ジョン・ブルノワの珍犯罪」
「ブラウン神父のお伽噺」 |
3 |
1926 |
The Incredulity of Father Brown |
ブラウン神父の不信 |
チェスタトンの作品中、特に優れている「犬のお告げ」を中心に、
奇想天外の密室トリックで、チェスタトンならではの大胆さが
現われている名作「ムーン・クレサントの奇跡」、
カーの先駆ともいうべきオカルティズムの色濃い「金の十字架の呪い」、
これもカーの『白い僧院の殺人』の先駆とみなされる「翼ある剣」、
ほか四編の珠玉を収録した。
●収録作品
「ブラウン神父の復活」
「天の矢」
「犬のお告げ」
「ムーン・クレサントの奇跡」
「金の十字架の呪い」
「翼ある剣」
「ダーナウェイ家の呪い」
「ギデオン・ワイズの亡霊」 |
4 |
1927 |
The Secret of Father Brown |
ブラウン神父の秘密 |
総数88編の推理小説を書き、
ブラウン神父ものの短編ではすでに第4冊目の本編に至っても
トリックに新鮮な工夫が凝らしてあるのはさすがである。
ディクスン・カーのフェル博士やH・M(ヘンリ・メルヴィル卿)を
彷彿させる人物の登場する、
一種の密室殺人事件「飛び魚の歌」、
常識を超えたユーモアと恐怖の底に、
必然的動機のある奇抜な「ヴォードリーの失踪」など全10編を収録した。
●収録作品
「ブラウン神父の秘密」
「大法律家の鏡」
「顎ひげの二つある男」
「飛び魚の歌」
「俳優とアリバイ」
「ヴォードリーの失踪」
「世の中で一番重い罪」
「メルーの赤い月」
「マーン城の喪主」
「フランボウの秘密」 |
5 |
1935 |
The Scandal of Father Brown |
ブラウン神父の醜聞 |
五人の人物が全員消失するという、
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に先んじたような、
実に例のない作品「古書の呪い」を初め、
「ブルー氏の追跡」「とけない問題」と、
「緑の人」など、いずれもチェスタトン特有のユーモアと、
逆説にあふれた粒よりの傑作ぞろい!
ファンには欠くことのできない重要な短編集の一つである。
●収録作品
「ブラウン神父の醜聞」
「手早いやつ」
「古書の呪い」
「緑の人」
「《ブルー》氏の追跡」
「共産主義者の犯罪」
「ピンの意味」
「とけない問題」
「村の吸血鬼」 |