著作リスト:長編
アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ (Ernest Miller Hemingway)
1899.7.21〜1961.7.2
イリノイ州オーク・パーク生まれ。
高校卒業後、
カンサス・シティー・スター紙の記者になるが半年程度で辞職し、
第1次大戦に赤十字の一員としてイタリアに渡る。
負傷者輸送中に被弾し、負傷を負って帰国。
その後、パリに渡り、本格的な創作活動をはじめる。
が、スペイン内戦、第2次大戦にも従軍記者として参加。
1952年、ピューリッツア賞を受賞。
1954年、ノーベル文学賞を受賞。
晩年は健康及び精神状態(躁鬱)が悪化し、
1961年、アイダホ州ケチャムで猟銃自殺。
「失われた世代」の内面を描き、その代弁者とみなされた。
戦争・闘牛・狩猟など、死に密接した行動的世界を
簡潔に、瑞々しく、冷徹に描く文体は
ハードボイルド文学の原点ともいわれている。
ちなみに、猫好きだったりもする。
弟のレスター・ヘミングウェイも作家、
孫娘のマリエル・ヘミングウェイは女優。
フジコ・ヘミングウェイってだれ?
超参考著作リスト:短編その他
No. 年度 原題 邦題 1 1926 The Torrents of Spring 春の奔流 2 1926 The Sun Also Rises 日はまた昇る 3 1929 A Farewell to Arms 武器よさらば 4 1937 To Have and Have Not 持つと持たぬと 5 1940 For Whom the Bell Tolls 誰がために鐘は鳴る 6 1950 Across the River and into the Trees 河を渡って木立の中へ 7 1952 The Old Man and the Sea 老人と海 8 1970 Islands in the Stream 海流のなかの島々 9 1986 The Garden of Eden エデンの園 10 1999 True at First Light ケニア
No. 年度 原題/邦題 備考 1 1923 Three Stories and Ten Poems
三つの短編と十の詩短篇集 2 1924 In Our Time
われらの時代短篇集 3 1927 Men Without Women
男だけの世界短篇集 4 1933 Winner Take Nothing
勝者に報酬はない短篇集 5 1938 The Fifth Column and the First Forty-Nine Stories
第五列と最初の四九の短編短篇集 6 1969 The Fifth Column and Four Stories fo the Spanish Civil War
第五列とスペイン内戦に関する四つの短編短篇集 7 1972 The Nick Adams Stories
ニック・アダムズ物語短篇集 1932 Death in the Afternoon
午後の死1935 Green Hills of Africa
アフリカの緑の丘1938 The Spanish Earth
スペインの大地1964 A Moveable Feast
移動祝祭日1967 By-Line
狩と旅と友人たち1985 The Dangerous Summer
危険な夏― ― われらの時代・男だけの世界 ヘミングウェイ全短編1 ― ― 勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪 ヘミングウェイ全短編2 ― ― 蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす ヘミングウェイ全短編3 64 242 367
The Sun Also Rises 1926「日はまた昇る」★★★★★
禁酒法時代のアメリカを去り、 男たちはパリで“きょうだけ”を生きていた―。 戦傷で性行為不能となったジェイクは、新進作家たちや 奔放な女友だちのブレットとともに灼熱のスペインへと繰り出す。 祝祭に沸くパンプローナ。 濃密な情熱と血のにおいに包まれて、 男たちと女は虚無感に抗いながら、 新たな享楽を求めつづける…。 若き日の著者が世に示した“自堕落な世代”の矜持。 ヘミングウェイの実体験にもとづくモデル小説。 渇いて無気力な"ロスト・ジェネレーション"と評された自分たちを 若き著者が反撥とたぎる情熱をこめて書きあげた一作。 戦争に多くを奪われ、怠惰と映る日常から、 熱気あふれるフィエスタの"アフィシオン"、 人並みの欲望はあるが性行為不能の主人公、 その恋人で自由恋愛を謳歌し苦悩するヒロイン、 ふしぶしから滲みでる喧噪と焦燥、虚無から生まれる感情。 余分はあれど天分もそれなのだからお手上げですね。 機微をうがつ各場面がリアルに印象的で、 私的にはイラティ渓谷での鱒釣りが圧巻。なんと透明。 「最近の若い者は」のレッテルに反駁する永遠の現代小説。 ※イギリス版タイトルは現在でも「Fiesta」とか
A Farewell to Arms 1929「武器よさらば」★★★★☆
苛烈な第一次世界大戦。 イタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレドリックは、砲撃で重傷を負う。 病院で彼と再会したのは、婚約者を失ったイギリス人看護師キャサリン。 芽生えた恋は急速に熱を帯びる。 だが、戦況は悪化の一途を辿り、フレドリックは脱走。 ミラノで首尾よくキャサリンを見つけ出し、 新天地スイスで幸福を掴もうとするが…。 現実に翻弄される男女の運命を描く名編。 恋愛小説、ですかねぇ。 悲劇的で余韻に虚無感が漂います。 タイトルもこれ以外ないですね。 たしか、これも著者の実体験がヒント程度にはなってたはず。 死に密接した作風とテーマは相乗し、 簡勁で斟酌ないハイセンスな死生に敬礼。
The Old Man and the Sea 1952「老人と海」★★★★★
やせこけた老人。その名はサンチャゴ。 しかし、海の男である彼には、不屈の闘志があった。 ひとり、小舟で沖に出て1週間、つにに遭遇した巨大な、かじきまぐろ。 綱を操り続け、大魚と格闘する日が続く。殺すか殺されるか―。 だが、いつしか彼の心には、大魚への熱い友情が生まれていた…。 アメリカの文豪、ヘミングウェイが、 大自然の中で生き抜く男の、勇敢さとロマンを描き上げた不朽の名作。 漁師の物語。 サンチャゴが漢前ですねー。ほれぼれ。 一見救いのないラストもそう感じさせない生き様で払拭。 短い長編で、これを手軽に読めるのもおいしいです。 「日はまた昇る」での釣り活写との差―― 月日の熟練、洗練や主題背景――もおもしろい。 肉体とモラルの闘い、これは男にはたまらんですな。
ヘミングウェイ全短編1 ――「われらの時代・男だけの世界」
1921年、一人のアメリカ人青年がパリにやってきた。 地位もなく名声もなく、 ただ文学への志に燃えたアーネスト・ヘミングウェイという名の青年は、 このパリ時代に「雨のなかの猫」「二つの心臓の大きな川」「殺し屋」など、 珠玉の名編を次々に発表する。 本書は、彼の文学の核心を成すこれらの初期作品31編を収録。 ヘミングウェイの全短編を画期的な新訳で刊行する全3巻の第1巻。
ヘミングウェイ全短編2 ――「勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪」
1928年、28歳のヘミングウェイは、キー・ウエストに居を移した。 戦争と革命と大恐慌の’30年代、陽光降り注ぐこの小島に腰を据え、 気鋭の小説家は時代と人間を冷徹に捉えた数数の名作を放ってゆく。 本書は、経験と思考の全てを注ぎ込んだ珠玉短編集『勝者に報酬はない』、 短編小説史に聳える名編「キリマンジャロの雪」など17編を収録。 絶賛を浴びた、新訳による全短編シリーズ第2巻。▼BACK▼ ▽TOP▽
ヘミングウェイ全短編3 ――「蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす」
炸裂する砲弾、絶望的な突撃。 凄惨極まる戦場で、作家の視線が何かを捉えた― 1937年、ヘミングウェイはスペイン内戦を取材、 死を垣間見たこの体験が、以降の作品群に新たな光芒を与えることになる。 「蝶々と戦車」を始めとするスペイン内戦ものに加え、 自らの内面を凝視するラヴ・ストーリー「異郷」など、 生前未発表の7編を含む全22編。 遺族らの手による初の決定版短編全集、完結編。