スティーヴン・キング (Stephen Edwin King)

1947.09.21〜
メイン州生まれ。
1966年に高校を卒業後、
メイン大学に入学し、1970年に卒業。
大学2年から学内新聞の「ザ・メイン・キャンパス」のコラムを毎週執筆。
1971年、メイン州の公立高校ハンプトン・アカデミーで英語教職に。
1974年、長編「キャリー」でデビュー。
別名義:リチャード・バックマン (Richard Bachman)
モダンホラーの王者。

超参考
    CARRIE
1974「キャリー」★★★☆☆

狂信的な母親に育てられた風変わりな少女キャリーは16歳。 絶対的な母親の権威と、 止まるところを知らぬクラス・メートたちの悪意、 それに自身の肉体の変化も重なって、彼女は極度に追いつめられた。 そして誰も知らなかったのは――彼女が念動能力の持ち主であることだった。 キャリーの精神が完全にバランスを崩した時、 チェンバレンの街は炎に包まれる……。話題作家の処女長編。 青春ホラー。 テレキネシスを所有する少女キャリー。 狂信的な母親やクラスメートたちのいじめにより、 キャリーの精神は蚕食され、 チェンバレンの街は瞋恚の炎に包まれる―― 粗い。そして荒い。 デビュー作だけに手探りの習作のよう。 それでもそこはキング。 随所にらしさは健在で、のちの躍進が感じられます。 (多分に結果論ですがw) 構成も災厄がすでに起こった後として描かれていて、 研究書や裁判の問答などが挿話されます。 これがちょっとメリハリが効かず最初は混乱するかも。 解説にこんなエピソードが。 本編は駄作と思い込んだキングがごみ箱に捨てたものを たまたま妻が拾いあげて読み激励し、原稿を完成させたとか。 あぶなかったね。 「ううっ?」の異様さ、 「クリップ七個分頑張ったよ」の滑稽さがとてもいい。
    IT
1986「IT 1〜4」★★★★★

一本の電話が、六人それぞれの平穏を破る。 長いあいだ記憶の底に眠っていたものを、揺り覚ます。 二十七年前、ある場所で、あることが起こった。 そして、ひとつの約束がなされた。いま、その時がきたのだ。 「さあ、帰るんだ、故郷の町へ」。だれもそれを止めることはできない。 たとえそれが、青天(ブルー)から暗闇(ブラック)へ渡ることになろうとも。 メイン州のデリーは呪われていた。 神出鬼没、変幻自在のITが跳梁跋扈しているのだ。 ITは約27年周期で"発生"し、その都度デリーは災害に見舞われる。 1958年の夏、子供たちがずいぶん消えた。 そうして結束された少年七人の<はみだしクラブ>。 彼らの友愛の環はついにITを破ったように思えたのだが……。 ――27年後。 すっかり大人になった<はみだしクラブ>の面々に電話が鳴りひびく。 ふたたびITが動きだしたのだ。 召集され集うかつての仲間たち。今度こそ決着をつけるために―― ホラーの極致。文庫4冊で2000ページ弱の大作です。 キング最長の作品かも。同時に最高傑作とも呼び声高いです。 1958年(少年時代)と1985年(中年時代)のパートが断片的に、 執拗に物語れ、ITとの直接対決で結合します。 大雑把というか、豪勢に雑多すぎてとりとめない部分もあるけれど その不完全さまで効果的に解釈できるのは妄覚なのか。 ラストあたりなんてポロポロ泣いてたよ(´;ω;`) ああ、子どもだったころは、たしかにITがいたよなぁ。
    Misery
1987「ミザリー」★★★★★

雪道の自動車事故で半身不随になった流行作家ポール・シェルダン、 元看護婦の愛読者に助けられて一安心したのが大間違い、 監禁されて「自分ひとりのために」小説を書けと脅迫されるのだ。 キング自身の恐怖心に根ざすファン心理のおぞましさと狂気の極限を描き、 作中に別の恐怖小説を挿入した力作。 ザ・ホラー。 作家の主人公が事故で動けなくなったところを看護婦に助けられ、 そのまま監禁されてその看護婦の為に小説を書かされるお話。 いいですね〜。 プロットだけみると萌え萌えですが(w)、 実際は狂気に溢れてるので主人公にかなり素で同情しちゃいます。 それにしても感情を競馬に例えた件で死ぬほど笑ったよ…最高。 (あれって訳者が凄いのかなぁ…)
    The Long Walk
1979『死のロングウォーク』インフィニティ

近未来のアメリカ。 そこでは選抜された14歳から16歳までの少年100人を集めて 毎年5月に〈ロングウォーク〉という競技が行われていた。 アメリカ・カナダの国境から出発し、 コース上をただひたすら南へ歩くだけという単純な競技だ。 だが、歩行速度が時速四マイル以下になると警告を受け、 1時間に3回以上警告を受けると射殺される。 この競技にはゴールはない。 最後の一人になるまで、つまり99人が殺されるまで、 昼も夜もなく競技はつづくのだ。 体力と精神力の限界と闘いながら、 少年たちは一人また一人と脱落し、射殺されていく。 彼らは歩きながら、境遇を語り、冗談を交わし、おたがいを励ましあう。 この絶望的な極限状況で最後まで生き残るのははたして誰なのか―。 死と直面する少年たちの苦闘を描いた、鬼才キングの問題作、ついに登場。 うわああ、どうしよう… 熟語の並べようがないよ、もうすごすぎて… ただ「歩くだけ」ですよ、別に奇抜な着想や理念があるわけでもなく。 だのに渦巻く狂気とユーモアがやばいの、やばいの。 恐怖にガチガチ震えながら冗談に爆笑してボロ泣きですよ。 上の「ミザリー」もむちゃくちゃよかったけど、 こっちもむちゃくちゃだよ… キングとこんなに相性がいいなんて初めて知った。 おお、この去来する想い、文字に換言などできるものか。 まだ2冊しか読んでない自分が信じられない。 文章の浸透観はクイーンに匹敵してます… 原題は「The Long Walk」なんですよ。 だから「死の〜」は余計だったかな、気持ちはくむけど。 あとページ数は10倍くらい欲しかった。もっとでもいい。 ところで、 キングみずから、本書の絶版を決断! 今後、世界じゅうで手に入らなくなります。 本作品について、衝撃的な情報が入りました。 本作の内容が、米国コロンバイン高校をはじめとする、 学校内における多くの銃乱射事件を思い起こさせるとして、 スティーヴン・キング自身が絶版を決断したというのです。 日本のみならず、各国語版について、今後いっさいの重版が認められず、 在庫を売りつくすのみとなりました。 世界から、キングの長編がひとつ、消えてしまうことになります。 お早めにおもとめを。 だそうですよぅ。 興味を持っていただけたら、ぜひどうぞ。 もう歩けないよ…(;´Д`) 付記。 上のやつ、「ハイスクール・パニック」を指してるのかも(^^; アマゾンでごっちゃになってるけどたぶんそう。 あるいは包括的に、ってことなのかなあ…?
    Thinner
1984「痩せゆく男」★★★☆☆

痩せてゆく。 食べても食べても痩せてゆく。 老婆を轢き殺した男とその裁判の担当判事と警察署長の3人に、 ジプシーの呪いがつきまとう。 痩せるばかりではない、鱗、吹出物、膿… じわじわと人体を襲い蝕む想像を絶した恐怖を、 モダン・ホラーの第一人者スティーヴン・キングが別名義のもとに、 驚嘆すべき筆力で描きつくした傑作。 おんなじことばっかりであれだけど、 笑えすぎ、そしてこわすぎ… この人のシックジョークのセンスはとてつもないね。 もくじだけで大筋は読めちゃうけど、 あの最後の決着のつけ方などもう…(;´Д`) むっはぁ、いごっそいいごっそい。 スケール(鱗)の実際のスケールのイメージがこゆすぎ! (これの元ネタなんだっけ…)
       Different Seasons
1982-1983「スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編★★★★★

行方不明だった少年の事故死体が、 森の奥にあるとの情報を掴んだ4人の少年たちは、 「死体探し」の旅に出た。 その苦難と恐怖に満ちた2日間を通して、誰もが経験する少年期の特異な友情、 それへの訣別の姿を感動的に描く表題作は、成人して作家になった 仲間の一人が書くという形をとった著者の半自伝的な作品である。 他に、英国の奇譚クラブの雰囲気をよく写した1編を収録。 4本の中編小説をまとめた「恐怖の四季」の邦訳文庫版。 本書は秋、冬の2作品を収録。発行はこちらのほうが先です。 秋編「スタンド・バイ・ミー」 事故死体を探しにピクニック気分で2日間の旅に出た4人の少年たちの物語。 冒険色が強いですが、どこか『死のロングウォーク』に通じるものがあります。 線路を歩いて列車に追われたり、ヒルだらけの川で泳いだり、 作中作が2本盛り込まれたり、少年たちの道中は一筋縄ではいきません。 作中作2本目のゲロ連鎖のやつなんて、 読んでてすえた臭いがただよってきますからね(w; 恐怖と笑い、そして卓抜した心理描写の技能は堂堂。 鹿との出逢いのシーンとかよすぎ。 冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」 こちらは打って変わり大人の雰囲気のシックな一作。 舞台はニューヨーク東35ストリート249Bの、とある会員制クラブ。 上司の誘いでそこに足を踏み込んだ主人公は、 不思議な魅力、会員たちが時おり語る風変わりな体験談にとりこまれ、 しだいにこのクラブにのめり込んでいく。 そして本題であるクリスマスの前日、 ある老医師が語った、ひとりの若く美しい妊婦の物語―― これがもうグロテスクなはずなのに美談なのですよ・゚・(ノД`)・゚・ 呼吸法の最初の活用には爆笑したけど、あとからああくるとはね…
       Different Seasons
1982-1983「ゴールデンボーイ 恐怖の四季 春夏編★★★★★

トッドは明るい性格の頭の良い高校生だった。 ある日、古い印刷物で見たことのあるナチ戦犯の顔を街で見つけた。 昔話を聞くため老人に近づいたトッドの人生は、それから大きく狂い…。 不気味な2人の交遊を描く「ゴールデンボーイ」。 30年かかってついに脱獄に成功した男の話 「刑務所のリタ・ヘイワース」の2編を収録する。 キング中毒の方、及びその志願者たちに贈る、推薦の1冊。 春編「刑務所のリタ・ヘイワース」 古参のよろず調達屋・受刑者レッドが描く、 殺人罪で入所したアンディ・デュフレーンの塀の中の物語。 元銀行マンのアンディは淡々とした無感情な30歳の男。 本人は無罪を主張するも、ほぼ相手にされず監獄。 ここから脱獄までの不屈の精神がすげぇの。 無頓着そうだけに希望(自由)にすがりつく姿が一段とあざやか。 こればっかりは本気でハッピーエンドを祈っちゃいます。 夏編「ゴールデンボーイ」 一転、こちらはダーティな倒錯もの。 頭も性格もよく、家庭環境にも恵まれた高校生のトッド。 ふとしたきっかけでナチに関する古雑誌を読み、魅了される。 そしてある日、街中でナチ戦犯のドゥサンダーを見つけてしまう。 当時の話を聞くため、トッドとドゥサンダーの交流がはじまり、 しだいに両者は道を踏みはずし転落していく… 知ることで抑止になるわけじゃないんね。 しかしキングの人間、心理、でもって感覚描写は犀利だねぇ。 くどうようだけど何度でもいいたくなる。 あとこれ、アンディの名前もちらっと出てきます。 はたから見たら一介の犯罪者でしかないのがいいねえ。
    The Green Mile (vol.-)
1996「グリーン・マイル 1〜6」★★★★★

時は1932年、舞台はアメリカ南部の コールド・マウンテン刑務所の死刑囚舎房。 この刑務所で死刑囚が電気椅子にたどりつくまでに歩く通路は、 床が緑のリノリウムであることから、 通称「グリーン・マイル」と呼ばれている。 ここで起こった驚くべき出来事とは?そして電気椅子の真の恐ろしさとは? 毎月1冊ずつ全6巻の分冊で刊行され、 全米を熱狂させた超ベストセラー待望の第1巻。 1 The Two Dead Girls ふたりの少女の死 2 The Mouse on the Mile 死刑囚と鼠 3 Coffey's Hands コーフィの手 4 The Bad Death of Eduard Delacroix ドラクロアの悲惨な死 5 Night Journey 夜の果てへの旅 6 Coffey On The Mike 闇の彼方へ 文庫で150〜200ページのものが6冊でひとつの作品。 本国で毎月、半年にわたって分割発行されていたので、 日本でも同様のスタイルで発売されました。 私はリアルタイムで追いかけたわけじゃないので、 この試みの効果のほどはわかりかねます。 中古の6冊セットで購入したもので。 でも1冊目でこの分割法を知り、実践してみようとは思ったんですよ。 あえて毎月1冊、半年かけて読もうと。 ところが、はっと気づいたら6冊とも読みほしていた不思議(^^; キングのいうところの「誘惑に勝てず」状態だった模様。 それくらいただおもしろく、夢中だったってことです。 死刑囚舎房の看守主任の手記(回想)の形式で物語りは進みます。 この特殊な舞台のぬぐいきれない畏怖、畏敬がふんだんに活写されています。 実体験でもないのによくあれだけ描けるものです。 毎度のことながらキングには頭が下がるね。 しかし、何度も解説で指摘されていたように 分割のさなか読者がミザリー化しなくて本当によかった(w
    Everything's Eventual : 14 Dark Tales
2002「第四解剖室」

私はまだ死んでいない、死んでいないはずだ。 ゴルフをしていて倒れた、ただそれだけだ。それだけなのに。 だが、目の前にある解剖用の大鋏は腹へと迫ってくる… 切り刻まれる恐怖を描いた標題作のほか、ホラーからサスペンス、 ファンタジー、O・ヘンリ賞を受賞した文芸作品まで、 幅広いジャンルにわたって天才ぶりを発揮してきた 巨人キングの十年を総決算する全米百万部の傑作短篇集(vol.)。 ――目次―― 第四解剖室 黒いスーツの男 愛するものはぜんぶさらいとられる ジャック・ハミルトンの死 死の部屋にて エルーリアの修道女―“暗黒の塔”外伝
    Everything's Eventual : 14 Dark Tales
2002「幸運の25セント硬貨」★★★☆☆

ベッドの枕に置かれた封筒。 中には祝福の手紙(「きみはついてるな!」)と25セント硬貨。 チップとも呼べない少額すぎるそのコインが、 ホテルのメイドにもたらした幸運とは… 市井の普通の人間に訪れた特別な瞬間を、名人芸の手業で描いた標題作ほか、 天才キングが十年をかけて、瞬間瞬間の全精力を傾注して彫琢した傑作揃い、 意外な結末ばかりの全七篇(vol.)。全篇キング自身の解説つき。 なにもかもが究極的 Everything's Eventual 1997 SF。遠隔で人間をも殺傷できる不思議な能力を持つ少年が かせられた仕事とは? 式を飛ばす感じが美味。職場生活も。 いちおう、“暗黒の塔”シリーズの一であるそうな。 L・Tのペットに関する御高説 L.T.'s Theory of Pets 1997 アンチホラー(?)。ペットが発端で妻に逃げられた夫のご高説。 閉めかたの不気味さがセクシー、ながらも一枚脱げといった印象。 道路ウイルスは北にむかう The Road Virus Heads North 1999 ホラー。"変化する絵"が題材。 作家がガレージセールで見かけた一枚の絵。 一瞬で心奪われた彼は購入してしまうのだが……。 絵に追われる絵がこわいこわい>< ゴーサム・カフェで昼食を Lunch at the Gotham Cafe 1995 離婚調停のため訪れたゴーサム・カフェ。 だがそこにはサイコな給仕頭がいて大暴れ! いやはや、狂人を絵に描いたような狂人です(^^; 例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚  That Feeling, You Can Only Say What It Is in French 1998 銀婚式の旅行で妻がさいさん見舞われるデジャヴ。 ドグラマグラってます(;´Д`) つか、タイトルおもしれえなあ(w 一四〇八号室 1480 1999 ホラー。「幽霊の出る旅籠の部屋」もの。 オカルト作家の主人公が体験する、 ホテルの一室(一四〇八号室)での物語。 呪われた部屋系はどこにでもあるのね、 こういうの読むとリアルでも気になってくるから困る(;´Д`) 幸運の25セント硬貨 Luckey Quarher 1997 ショートショート。 苦しい生活をおくるメイドに贈られたチップのクオーター。 しみじみした、なんだかいい話です。ホラー集ではないのか(^^;
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