パトリック・オリアリー (Patrick O'Leary)

1952.9.13〜
ミシガン州サギノー生まれ。
州立ウェイン大学でジャーナリズムを学ぶ。
詩を北米の文芸誌に何篇も発表している。
1995年に発表した第一長篇『時間旅行者は緑の海に漂う』は、
90年代のフィリップ・K・ディックを思わせる作品と評され、好評を博した。
広告代理店でアソシエイト・クリエイティヴ・ディレクターとして働くかたわら、
詩や小説を発表しつづけている。デトロイトで妻クレアと二人の息子と暮らしている。
著作リスト(下記の2冊だけ)
    Door Number Three
1995「時間旅行者は緑の海に漂う」

1991年、ぼくはハリウッドでタイムマシンを燃やした。 人生でいちばん狂気じみた、この一年の締めくくりとして。 一年間でぼくはエイリアンと恋に落ち、 忘れられた夢の秘密を発見し、 地球を最終戦争から救い、 時間旅行の能力を手に入れたのだ。 すべてはあの時から、エイリアンの娘と名乗る女性ローラが ぼくの診療所にやってきた時からはじまった…! 夢と現実が交錯するディック的世界を描き、英米で絶賛を浴びた話題作。
    The Impossible Bird
2002「不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ」★★★★
1962年の晩夏、 小麦畑で寝ころがっていた少年マイクとその弟ダニエルは、 空飛ぶ円盤を目撃し、ふと気がつくと秋になっていた… 40年近くが過ぎ、CM監督になったマイクと英文学教授のダニエルは、 二人とも死んでいた。 だが、どちらも死んでいることは自覚していない。 二人をそれぞれに訪れた謎の男タカハシが、 疎遠になった兄と弟にお互いを見つけだすように脅すが… P・K・ディックの後継者と評される著者の話題作。 SF。ファンタジー調。 「死ぬのってどんなだろうって、考えたことある?」八歳のダニーは訊いた。 十歳のマイクは答えた。「たまに」 「ずっと考えてるんだ。魚をつかまえてから」 物語は1962年の幼い兄弟の会話から導入し、 2000年の中年になった兄弟の交錯する視点からはじまります。 これ構成の順序がすばらしいですね、 エントロピーを"殺した"着想より構想の勝利。 人が死に瀕すると過去が走馬灯のように見えるってよく聞くけど それを逆の形で幻視させるってのもセクシーです。 しかし兄弟関係を至上にたらしめたのはおもしろいですねぇ。 兄妹だったら最強だったけど(w 現在(05.06.26)某関取兄弟の確執がどうとか穿っているようですが、 あの程度の不和なぞこれを読めば解消するかもしれません(w
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