レイモンド・チャンドラー (Raymond Chandler)

1888〜1959
イリノイ州シカゴ生まれ。
1933年、ブラック・マスク誌にて中編「脅迫者は射たない」でデビュー。
1939年、長編&マーロウもの第1作「大いなる眠り」を発表。
1955年、「長いお別れ」でMWA賞・最優秀長編賞を受賞。
ハードボイルドの重鎮。

超参考
著作リスト:長編 いずれも私立探偵フィリップ・マーロウものです。
No. 年度 邦題 原題
1939 大いなる眠り The Big Sleep
1940 さらば愛しき女よ Farewell, My Lovely
1942 高い窓 The High Window
1943 湖中の女 The Lady in the Lake
1949 かわいい女 The Little Sister
1953 長いお別れ The Long Good-bye
1958 プレイバック Playback
1989 プードル・スプリングス物語 The Poodle Springs Story (※)
※冒頭部だけ執筆し亡くなったチャンドラーの原稿をロバート・B・パーカーが完成させた
    The Big Sleep
1939「大いなる眠り」

私立探偵マーロウは、スターンウッド将軍の娘が ゆすりにあっている件で、将軍家へ招かれた。 マーロウは、脅迫状の差出人の家へ行き、 二発の銃声を聞いて家の中へとびこんだが、 それは秘密写真撮影の現場だった。 新鮮な内容、会話の妙味、迫力ある描写、 この処女長編で、チャンドラーはハードボイルドのチャンピオンとなった。 フィリップ・マーロウシリーズ第1弾。
    Farewell, My Lovely
1940「さらば愛しき女よ」★★★★
前科者大鹿マロイは刑務所をでたその足で、 別れた女を探しに黒人街を訪れた。 だが、そこで彼はまたしても殺人を犯してしまう。 現場に居合わせたマーロウも取調べをうけた。 その後、高価な首飾りをギャングから買い戻すための護衛を 依頼されるが、マーロウは自らの不手際で依頼人を死なせてしまう。 苦境に立った彼を待っていたものは…… 全篇に流れるリリシズムと非情な目が 女と男の哀切な生を鮮烈に描きだす、最高傑作。 フィリップ・マーロウシリーズ第2弾。 女と男の哀切な生を鮮烈に描きだす最高傑作、かぁ。 "卑しき街を行く孤高の騎士"マーロウにではなく、 大鹿マロイに贈られるのがしぶいねぇ。 例によってこの手の作品の魅力は 淡々とした必要最低限の文体や行間から 直に感じ取ってもらわないと伝えようがないな('A`) チャンドラーはユーモアも具えててやっぱり強いですね、存在が。 ところで、この時代の女性特有の 「〜なんだわ」口調はずずいと萌えますな(;´Д`)
    The High Window
1942「高い窓」

パサデナの裕福な未亡人の依頼は、盗まれて売りに出されたらしい 家宝の古金貨を取り戻してほしいというものだった。 夫人は歌手あがりの息子の嫁を疑っていたが、マーロウは 依頼人の家庭にそれだけではない謎が隠されているのを感じとった。 傲慢な夫人、借金に悩む生活力のない息子、 どこか弱々しい印象の秘書、マーロウをつけまわす黒メガネの男。 やがて事件の関係者が1人、2人と殺されていき、 マーロウの前には事件の意外な様相と過去の出来事が浮かび上がってくる。 冷たく透明な一人称の文体で描かれる、ハードボイルド小説の巨匠の名作。 フィリップ・マーロウシリーズ第3弾。
    The Lady in the Lake
1943「湖中の女」

別荘の管理人ビルが大声を上げて指さしたものは、 深い緑色の水の底でゆらめく人間の腕だった。 目もなく、口もなく、ただ灰色のかたまりと化した女の死体が やがて水面に浮かび上がってきた― フィリップ・マーロウは化粧品会社社長の依頼で、 1カ月前に姿を消したその妻の行方を追っていた。 メキシコで結婚するという電報が来ていたが、情夫はその事実を否定した。 そこで、湖のほとりにある夫人の別荘へ足を運んだのだが…… ハードボイルド派の巨匠チャンドラーが名作『長いお別れ』に 先駆けて発表した、独自の抒情と乾いた文体で描く異色大作 フィリップ・マーロウシリーズ第4弾。
    The Little Sister
1949「かわいい女」

かわいい娘が二十ドルを差し出して、マーロウの援助を求めて来た。 娘の中にある奇妙ないつわりの態度に興味を抱き、 マーロウは事件をひきうけた。 舞台は映画王国ハリウッド。 街の顔役、ギャング、映画女優、愛欲物欲が錯綜し、 マーロウの行く先に、死体と拳銃の雨が降る! 正統派ハードボイルドの神髄はこの一作にある! フィリップ・マーロウシリーズ第5弾。
    The Long Good-bye
1953「長いお別れ」★★★★★

私立探偵フィリップ・マーロウは、 ふとした友情から見も知らぬ酔漢テリーを二度も救ってやった。 そして彼はテリーの殺害容疑を晴らす為に三たび立ち上るのだった! ハードボイルド派の王座を占めるチャンドラーが 五年間の沈黙を破り発表した畢生の傑作、 一九五四年アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞受賞作。 フィリップ・マーロウシリーズ第6弾。 熱い。男の友情炸裂ですよ、燃え。 物理的な描写も心理的な描写も秀逸。 漢臭いセリフの数々に痺れます。惚れちまう…
    Playback
1958「プレイバック」

女の尾行を依頼されたマーロウは、 ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。 だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。 明らかに女は脅迫されているらしい。 男は影のように女について回った。 そして二人を追うマーロウを待つ一つの死とは。 多くの謎を秘めた問題の遺作。 フィリップ・マーロウシリーズ第7弾。
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