Stories of Your Life and Others
2002「あなたの人生の物語」★★★★☆
地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した
言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、
驚くべき運命にまきこまれていく…
ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、
天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描く
ヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、
天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―
ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、
本邦初訳を含む８篇を収録する傑作集。
ＳＦの短編集は苦手なんですよねぇ。
世界とルールの説明がおろそかになりがちなんで。
ところがこの作品に関してはまったく杞憂でしたよ。
古色蒼然なＳＦ、ファンタジーから近代的なハード、
数学、言語、宗教哲学と風呂敷が広い。
けどそれは土台にすぎず、いずれも「人間」の小説になっているんですねぇ。
ほかでもない、あなたの人生の物語に。
「バビロンの塔」高さのこわさが伝わってきたよ。ラストも痛烈。
「理解」ネズミの名作っぽい。人間の最終形態。
「ゼロで割る」ああ、こういうの超好き。
「あなたの人生の物語」表題作になるだけのことはある。ラストやばいって。
「七十二文字」名辞論理学。むしろグロい。
「人類科学の進化」コメントは差し控えます(ｗ
「地獄とは神の不在なり」こういう天使なら教会にも行きたくなるな(ｗ
「顔の美醜について―ドキュメンタリー」もう実録、かあ。
めまぐるしく、風呂敷の広げすぎな観も否めないな。
文章のテイストもちと違和感あったし。
作者のせいか訳者のせいか自分のせいかわかんないけど。
それでも平均値の高さは折り紙付きですけどね。満腹。
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