トニー・ケンリック (Tony Kenrick)

1935〜
オーストラリア、シドニー生まれ。
シドニー高校卒業。世界各国を転々とする。
1970年「殺人はリビエラで」でデビュー。
奇想天外なプロットと、ユニークなキャラクター設定で人気を博す。
本名:Anthony Arthur Kenrick
著作リスト
No. 年度 邦題 原題
1970 殺人はリビエラで The Only Good Body Is a Dead One
1972 スカイジャック A Tough One to Lose
1974 三人のイカれる男 Two for the Price of One
1975 リリアンと悪党ども Stealing Lilian
1976 マイ・フェア・レディーズ The Chicago Girl
1976 バーニーよ銃をとれ The Seven Day Soldiers
1978 俺たちには今日がある Two Lucky People
1979 暗くなるまで待て The Nighttime Guy
1980 消えたV1発射基地 The 81st Site
10 1982 誰が為に爆弾は鳴る Blast
11 1985 Faraday's Flower
12 1986 チャイナ・ホワイト China White
13 1986 上海サプライズ Shanghai Surprise
14 1989 ネオン・タフ Neon Tough
    A Tough One to Lose
1972「スカイジャック」★★★★
三百六十人の乗客を満載したジャンボ・ジェット機が忽然とかき消えた! その直後、二千五百万ドル相当のダイヤモンドを要求する手紙が舞い込んだ。 航空会社とFBI、それに州警察が調査に乗り出すが、手掛かりはナシ。 そこにさっそうと登場するのが、若き弁護士ベレッカー。ただし開店休業中。 そして元妻兼秘書のアニー。 二人が航空会社の友人から、この事件を耳にしたのが運のつき。 十万ドルの報奨金めあてに、素人探偵よろしくうろちょろするうち、 事件の深みにまきこまれ―― そして最後には、あっと驚く結末が…… 軽妙洒脱なユーモア・ハードボイルド。 ユーモアミステリ。 360人の乗客乗員を乗せたジャンボジェット機が 離陸後まもなくレーダーから消滅した! 犯人は身代金として2500万ドル相当のダイヤの原石を要求。 航空会社に勤める旧友からこの事件の話を聞いた 赤字弁護士ベレッカーと、彼の元妻で秘書のアニーは 運よくつかんだ手がかりをもとに、 謝礼金を夢見て消えた航空機と乗客の捜索をはじめることに。 とにかくベレッカーとアニーの掛けあいがおもしろい。 捜査中に巻きおこるドタバタ騒動もたまらないね。 偏屈な近所のじいさんとかカルト教団とか新米スチュワーデスとか(w 合間合間に挿入される犯人一味の物語も 敵側に厚みをもたらしてうまいもんです。 いや、さほど効果的でもないか? ひとりの規格外がぼやけるのが好きなんだけど。 ガチャン!
    Two for the Price of One
1974「三人のイカれる男」

ディブリー、スワボダ、ウォルター。3人は病院仲間だった。 それぞれ、突発性健忘症、幻覚症、多重人格症という問題を抱えている。 ディブリーはドライブ中に運転法を忘れ、 スワボダには常に"見えない"母親がつきまとい、 ウォルターはジェームズ・キャグニーになったり ベティ・デビスになったりと変身する…。 ある日この3人が怒りだした。 通院の途中、車が道路の穴にはまりオシャカになってしまったのだ。 責任は穴ボコを放置したNY市にある!怒れる3人は市に対する、 途方もない復讐プランを編みだした。 彼らの計画とは?そしてその思いもかけぬ展開とは―?
    Stealing Lilian
1975「リリアンと悪党ども」

バニーとエラは一夜にして夫婦となり、 リリアンという九歳の娘を持つことになった。 しかも彼ら三人は、一足とびに億万長者に! もちろんこれは偽装である。 エラにとってバニーは、夫どころか天敵で、 リリアンはまったくの他人、みなし児なのだ。 なぜ彼ら三人が夫婦に、親子に、 そしてまた"億万長者"にならなければならなかったのか? そこには聞くも涙、語れば笑いの物語があるのだが… ともかくここに出来上がった奇妙な親子には、一つの使命があった。 それはリリアンをある組織に誘拐させることである! 抱腹絶倒の傑作ユーモア推理。
    The Chicago Girl
1976「マイ・フェア・レディーズ」

エメラルドが八個ついたネックレス。 ある宝石商が惚れた娼婦に残した豪華な形見。 だが当の女、ロイスは行方不明。 ならばそれを騙しとってやろう…それがレディングの狙いだった。 偽のロイスを一人仕立てればいいのだ! 白羽の矢を立てた女はマーシャ。 だがロイスは、英国上流階級出身という異色の"夜の貴婦人"。 バレればマーシャは殺される。 必死の特訓で、マーシャは化けたかに見えたが、街頭で地を出してしまう。 かくなる上は逆の手段、貴婦人を娼婦に仕立てればいい! そしてレディングの前に格好の女が現れたのだが… 傑作スラプスティック・ミステリー。
    The 81st Site
1980「消えたV1発射基地」

第2次大戦中、ドイツはフランス国内に80カ所のV1発射基地を設けた。 戦後その基地はすべて発見され、破壊された、とされている。 元ドイツ空軍の伍長にして熱烈なヒトラー崇拝者であったラウターが、 V1発射基地が実は81カ所あったと知ったのは1955年のことだった…。 1978年12月、ロンドンの一画で爆発事故が起きた。 ガス爆発かIRAの爆弾製造のミスか、と思われた。 だが保険会社の調査員ペラムが、現場で奇妙な金属片を見つけた。 分析の結果それはかつてV1専用に造られた推進装置の一部とわかった。 "誰かが第2次大戦をやり直そうとしているのか!?" ペラムは愕然となった―名手ケンリックが新境地を拓く冒険サスペンスの力作。
    Blast
1982「誰が為に爆弾は鳴る」

"一週間後の金曜日ホテル・アムステルダムで爆弾が爆発する。 時刻は午後4時きっかり…" 脅迫状は次の爆発も予告し、 三回目の中止と引き換えに百万ドルを要求していた。 爆発は予告の場所で、予告の時刻に起き、一人が爆死した… 犯人はなぜこうも正確に爆弾を仕掛けられるのか! 爆弾魔を追いはじめたのは退職刑事のチャーターズ。 彼は正体不明の男から脅迫をうけ、やむなくそれを引きうけた。 脅迫者は爆弾魔の要求する百万ドルの横どりを企んでいるのだ! 限られた時間のなかで、チャーターズの必死の捜査が探りあてる、 意表をつく爆発装置の秘密とは?
    China White
1986「チャイナ・ホワイト」

ビリー・マーカスは目の前で同僚刑事を撃ち殺され、 自らもナイフで刺されて重傷を負った。 彼を麻薬組織への危険な潜入捜査に駆りたてたのは、その屈辱感だった。 彼らを襲った2人組は、 海運業を隠れ蓑に麻薬を密輸する大富豪の手下と判明した。 その時からマーカスの周到な準備が始まった。 タイから香港へ送られる大量のヘロイン。 その輸送隊に単身まぎれこみ、ヘロインと現金を強奪して組織を潰す。 そして、同僚を殺した殺し屋どもも屠りさるのだ! ニューヨーク、香港、黄金の3角地帯を結んで、 ケンリックが新境地を拓く冒険小説の力作。
    Shanghai Surprise
1986「上海サプライズ」

時は1940年、所は日本占領下の上海。 商社を経営するウェーシーは、不渡り手形をつかまされ、 アメリカに渡る寸前、船を放りだされた。 ところが捨てる神あれば…思わぬ救いの手が現れた。 彼の中国語を見込んだ二人の米国人である。 "ファラデーの花"を見つけ出してくれたら渡航費を出すという。 ウェーシーは引きうけた。 だが"ファラデーの花"とは、ギャングに消された男が隠した半トンもの阿片… 結社の暗躍する上海の迷路に踏みこんだウェーシーに、 たちまち降りかかる危難の数々―。
    Neon Tough
1989「ネオン・タフ」

ヒュー・デッカーはアメリカ司法省麻薬取締局の捜査官。 かつて香港に勤務し広東語をあやつるデッカーだったが、 仕事熱心なあまり常軌を逸した行動をとることしきり、 懲戒処分を受けニューヨークで謹慎中だった。 にもかかわらず、チャイナ・タウンの ドラッグ・ディーラーと派手にやらかした。 こんどこそお払い箱だとおもいきや、命ぜられたのは香港出張。 なつかしい街にもどり、むかしの仲間と再会し、 あの娘にも逢えるなどと思いをめぐらせていたのもつかの間、 変態殺人に端を発する香港の中国返還にかんする 大がかりな陰謀にまきこまれ…。 香港のネオンがいかがわしい活気をかもしだす傑作長編。
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