アンドリュー・ヴァクス (ANDREW H. VACHSS)
1942〜
ニューヨーク生まれ。
1985年「フラッド」でデビュー。
前科27犯のアウトロー探偵バークを誕生させた。
ネオ・ハードボイルド派の切り札。
Flood 1985「フラッド」
一週間千ドルで、コブラという男を捜してほしい― フラッドと名乗る小娘の依頼は、バークにはうまい話に思われた。 だが彼女は、幼児虐待殺人鬼コブラに復讐を誓う女性武術家だった… 前科27犯のアウトロー探偵バークが、聾唖の武術の達人、黒人の預言者、 マッドサイエンティスト、魅惑的な男娼らをひきつれ、 NYの暗黒街で最低のうじ虫を追いつめる。 ポスト・ネオ・ハードボイルドの旗手ヴァクス、衝撃のデビュー作。 デビュー作。▼BACK▼ ▽TOP▽
Shella 1993「凶手」★★★★☆
殺し屋は、ゴースト、と呼ばれていた。 自分の両手だけが、唯一の武器だ。 ストリップバーで、彼は踊り子シェラと出会った。 二人はお互いが同じ種類の人間であることを感じとり、 美人局のコンビを組む。 だが、殺人事件に巻きこまれて 彼が服役しているあいだに、シェラは姿を消した。 彼女を求めて、ゴーストはアメリカのアンダーグランドを 血に染めて彷徨いはじめる……。 ノワール。 ハードボイルドを突き詰めるとこうなるんですね… あるのは原理と原則だけ、小細工のない孤高の抒情文。 なんでもないような場面で泣けてくるのが自分でも理解(処理)できない。 読了した今も痛切でいまいましくてただ哀しい。 チープでくだんない理屈っぽい正義や、 ありふれた欺騙を駄弁る端敵に厭倦してたら、 この救いのない「本もの」をぜひ手にしましょう。