Debout Les Morts
1995「死者を起こせ」★★★☆☆
愛称マルコ、マタイ、ルカの、
それぞれ専門の異なる若く個性的な歴史学者と元刑事が、
ともに暮らすパリのボロ館。
その隣家に住む引退したオペラ歌手の婦人が怯えていた。
ある朝突然、見知らぬ木が庭に植えられていたというのだ。
ボロ館の四人がその木の下を掘るが何も出ない。
そして婦人は失踪した。いったい何が起こったのか?
1995年、ル・マン市ミステリ大賞と、
1996年、ミステリ批評家賞受賞の傑作。
ミステリ。
なんといっても個性的なキャラクタ達のよさに尽きますねー。
実にユニークでユーモラス、みんなマイペース。
みんなクソに足をつっこんでる(w
実際、ユーモアミステリで通りますよ^^
文章が一人称でもないのに地の文が独白的なのが特徴。
(慣れるまで読みにくいかも)
突然庭に出現したブナの木の怪奇さ、こういうのいいねぇ。
ただ、まあ、役割がそれほどトリッキーではないのがおしい。
そういう意味ではタイトル負けしてるかな。
それでも執念の殺人劇と散文的なユーモアのコラボが光る秀作です。
ミステリとしては日本向けじゃないけど(^^;
ときに作中の序盤の一節にこんなのがあるんですが、
パリの歩道では、蹴るのにちょうどいい石を見つけるのは難しい。
田舎でだったら、見つかる。ただし、田舎では石なんかどうでもいい。
ところがパリでは、蹴るのにいい石をどうしても見つけたいときがある。
そういうことだ。
かなりいいですねー♪
こういうの読まされるとじつに気分いい。
うれしくなっちゃった。
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