サラ・パレツキー (Sara Paretsky)
1947~
アイオワ州に生まれ。カンザス州で育ち。
カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴに住む。
1982年に「サマータイム・ブルース」で作家デビュー。
1988年に「ダウンタウン・シスター」で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。
2002年には同賞のダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、
さらに2003年の「ブラック・リスト」で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。
1994年には早川書房の招きで来日している。
OHP
Indemnity Only 1982「サマータイム・ブルース」★★★★☆
料金は一日125ドルと必要経費。 報告書は作成しますが、調査方法の指図はお受けしません―― 夜遅くに事務所を訪れた男は、息子の恋人の行方を捜してくれと依頼する。 簡単な仕事に思えたが、 訪ねたアパートで出くわしたのはその息子の射殺死体だった。 依頼人が被害者の父親ではないことも判明し、さらには暗黒街のボスが脅迫を…… 圧力にも暴力にも屈しない 私立探偵V・I・ウォーショースキーの熱い戦いが始まった! 多くの女性たちに勇気を与え、励ましてきた人気シリーズの第一作。 翻訳をリニューアルし、新たに解説を付した新装版で登場! V・I・ウォーショースキー・シリーズ第1弾。 蒸し暑い夏の夜。ウォーショースキーの事務所に信託銀行の専務が訪ねてきた。 彼の息子ピートのガールフレンドが失踪し、その捜索を依頼され調査を開始。 手始めにピートのアパートに向かうが、そこには射殺されたピートの死体が。 さらに調査を進めると数々の不審な点が浮上、 街の権力者たちの思惑に振り回されながらも立ち向かうが…… 1982年のデビュー作ですが、同年にスー・グラフトンが「アリバイのA」を発表。 こちらも女性の私立探偵キンジー・ミルホーンが登場し、 男臭かったハードボイルド界に大きな影響を与えたとか。 いわゆるミステリ的謎解き要素は薄めですが、 タフな事件への挑戦やハイセンスな会話など一気に読みこめます。 自立した強い女の生き様もまたいいものです。
Deadlock 1984「レイクサイド・ストーリー」
穀物会社に勤めていた元ホッケー選手ブーム・ブーワはわたしのいとこだった。 埠頭から落ちて死んだというが、自殺説も流れていた。 その死因に疑いを抱くわたしは、彼のマンションを訪れるが、 部屋はめちゃくちゃに荒され、警備員までが何者かに殺されていた。 愛すべきいとこの死の背景に、何があったのか? たった一人で調査に当たるわたしに襲いかかる魔の手、 五大湖を走る大型貨物船の爆破… シカゴの海運業界に渦巻く陰謀とは? ハードボイルド・シーンに颯爽と登場した 女私立探偵V・I・ウォーショースキーの活躍を描くシリーズ第2作。 V・I・ウォーショースキー・シリーズ第2弾
Killing Orders 1985「センチメンタル・シカゴ」
本当はこの事件に首をつっこみたくなかった。 株券偽造の疑いをかけられたおばは 昔わたしの母に冷酷な仕打ちをした張本人なのだ。 一族のつながりがなければそんなおばを助けようとはしなかっただろう。 しかし、一度は助けを求めてきた本人が今度は調査を打ち切ってほしいという。 おばにどこからか圧力がかかったのか。 調査を進めるうち、友人の証券ブローカーが何者かに殺され、 わたしは危うく硫酸を浴びせられそうになる。 シカゴの修道院に隠された驚くべき策謀、過去から現われた衝撃の事実。 女探偵ヴィクの孤独な闘いを描くシリーズ第3作。 V・I・ウォーショースキー・シリーズ第3弾
Bitter Medicine 1987「レディ・ハートブレイク」
夜のニュースが、産科医の撲殺事件を報じていた。 女医ロティのところの代診の医師だった。 通りすがりの犯行でなければ、この前救急病院で死亡した妊婦の夫が ギャングを雇ってうらみを晴らそうとしたのかもしれなかった。 わたしはその線を洗おうとするが、 そんなとき今度はロティの診療所が中絶に反対するデモ隊に襲われた。 しかも、デモ隊の指導者についた弁護士は あろうことかわたしの前夫だったのだ…。 錯綜する事件の向こうに何が待ちうけているのか? シカゴの女探偵V・I・ウォーショースキーの 苦くハードな闘いを描くシリーズ最新作。 V・I・ウォーショースキー・シリーズ第4弾
Blood Shot 1988「ダウンタウン・シスター」
わたしが生まれ育った街サウス・シカゴには、古い隣人たちがいる。 その一人、生前母の唯一の味方だった女性が重い病気にかかっていた。 わたしとは姉妹のような間柄だった一人娘のキャロラインが、 父親を探してと頼んできたのは、そんな時だった。 母親は絶対に私生児の彼女に実父の名を明かそうとしなかったのだ。 幼なじみのたっての依頼で、わたしはまず母親が以前勤めていた 化学工場に探りを入れるのだが、やがて調査は意外な様相を… シカゴの女探偵の命を賭した怒りの行動を描き、 英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を受賞した話題作。 V・I・ウォーショースキー・シリーズ第5弾▼BACK▼ ▽TOP▽
Burn Marks 1990「バーニング・シーズン」
父の妹のエレナはアル中で身持ちが悪く、昔から一家の悩みのタネだった。 そんな叔母が、不審火で住まいにしていたホテルを焼け出され、 わたしのアパートに転がりこんできた。 一日でも早く苦手な叔母を追い払うために新しい住居探しを始めたが、 一方、叔母の隣人の娘が別なビルの建設現場から死体となって発見された。 事件の背景を洗い始めたわたしにも、やがて生命の危機が…。 シカゴの女探偵の怒りの行動を描く最新作。 V・I・ウォーショースキー・シリーズ第6弾