The Terror of Living
2011「生、なお恐るべし」★★★☆☆
ベテランの運び屋ハントは、
ある受け渡しの現場を保安官補ドレイクに発見され、逃亡する。
彼はやむなく“償い”として仲介者から提示された仕事を受ける。
だが、実はその成就を待ってハントを始末すべく、
嗜虐的な“調理師”が放たれていた。
死闘の末に3人の男を待ち受ける運命とは―?
緊密なプロットと鮮烈な人物造型で
全米を震わせた超弩級新人のデビュー作、いよいよ上陸。
ノワール系犯罪小説。
不幸が重なり若くして殺人で服役し、牧場で馬を育てるかたわら
麻薬の運び屋として細々と生計を立てていた中年男ハント。
いつものように麻薬を回収し運ぶ途中、
保安官補ドレイクに見つかってしまい麻薬を放棄して逃奔。
一度のミスでも致命的大損害になりかねない組織は
ハントに豺狼な殺し屋フィッシャーを差し向けるが――
主にこの3人の視点で物語がリズミカルに展開します。
ハントは54歳なのですが心中に去来する思考が妙にリアル、
作者は30程度なのによくぞ描き上げたものです。
前科者としての、また前科者を父に持つドレイクのしがらみも重みがある。
破滅的な結末ばかり頭をよぎりますが救いはあるのだろうかと一気に読めました。
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