ブライアン・W・オールディス (Brian Wilson Aldiss)

1925.8.18〜
イギリス、ノーフォーク生まれ。
パブリック・スクール卒。
その後イギリス軍通信隊に入隊。
5年の兵役を経て、書店勤務の傍らサイエンス・ファンタジー誌に投稿、
1954年に短編「Criminal Record」が掲載され作家デビュー。
1959年、世界SF大会で最優秀新人賞を受賞。
同年に処女長編「Non-Stop」を発表。
1961年「地球の長い午後」でヒューゴー賞受賞。
1965年、短編「唾の樹」でネビュラ賞を受賞。
1973年、評論の「十億年の宴」でSF協会賞を、
1986年、その続篇「一兆年の宴」でヒューゴー賞を受賞。

別名義:C・C・シャックルトン (C.C.Shacklton)
    Hothouse
1962「地球の長い午後」★★★★
〔ヒューゴー賞受賞〕 大地をおおいつくす巨木の世界は、永遠に太陽に片面を向けてめぐる、 植物の王国と化した地球の姿だった! 人類はかつての威勢を失い支配者たる植物のかげで 細々と生きのびる存在に成り果てていた……。 イギリスSF界を代表する巨匠が、 悠久の時の果てにSF的想像力の精髄を展開する名作。 SF。 舞台はずっと未来、自転が停止し、 植物が地球の大地全域を支配している世界。 生存している動物は、ハチとアリと人類だけ。 人類に黄金時代の面影はなく、生きのびるだけで精一杯。 唯一の救済は巨大な植物蜘蛛ツナワタリに運ばれ天(月)へ昇ること。 その先に待ちうける運命と、地球での反逆児の冒険を描いた作品。 まあ、イメージの小説ですね。 植物まみれの情景と生態がどうにも目を引きます。 これが興味深くて好奇心を刺激するのですよ。 そこになんかなつかしさがあって考えたら 昔、ファーブル昆虫記を読んだときの気分に似てるんだな、きっと。 えらそうなキノコの指示がことごとく裏目に出るのに なんともいえない不満がくすぶるけど、そうじて判断すれば、 作者が出したかった人間性を捉えるためだとなっとく。 原題は「Hothouse(温室)」ですが、 アメリカ・ペーパーバック版の 「The Long Afternoon of Earth」を優先したみたい。 「新・SFハンドブック」で絶賛されているだけのことはある、 対象が自社(ハヤカワ)だけであやしかったんだけど(w この世界観が青年の意識構造に近いとの見方はおもしろい。
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