ハワード・ヘイクラフト (Howard Haycaft)

1905〜1991
ミネソタ州マデリア生まれ。
同州立大学卒業。
その後、ニューヨークでH・W・ウィルソン出版社に勤務し、
小説や英米作家事典などの編集を担当した。
次第にミステリへの関心が強まり、
多くのアンソロジーを手がけ、
1941年「娯楽としての殺人 Murder for Pleasure」を発表。
ミステリの歴史、年代史として大絶賛され、
評論家・編集者として米国ミステリ界の重鎮に。

1947年、MWAベスト・ミステリ評論賞を受賞。
1953年、ウィルソン出版社の社長に就任。
1963年、MWAの会長に就任。
1953年、ウィルソン出版社の会長に就任。
1975年、これまでの貢献度から特別賞を受賞。
(特別賞ってエドガー賞のだよな?)
    The Art of the Mystery Story
1946ミステリの美学★★★★★

クイーンの短編小説観、 カーの密室講義、 チャンドラーの殺人美学、 黄金時代を築いた作家たちが、 惜し気もなく披瀝する小説作法の神髄。 海外ミステリを愉しむための道標としての22編。 バウチャーが論じるスパイ小説、 ハメットの辛辣な書評、 ガードナーは起源を探る。 読む者も、書く者も、なぜこれほどミステリを愛してやまないのか。 詳細なコレクターズ・ガイドを収録して、 大御所ヘイクラフト畢生の名著を新訳。 豪華メンバーによる22編の評論集。 カッピー、ウィルソン、スタウト、セイヤーズ、ノックス、 ヴァン=ダイン、フリーマン、チェスタトン、リーコック、 クイーン、カー、ガードナー、ハメット、ウォード、 チャンドラー、ライス、フィルモア、バウチャー、 カーター、ヘイクラフト、サンドウの面子。 クイーンは2編あるので、合計22になります。 ただし、原著は53編収録されているので、 本書の半端さはいなめません。 売れ行き次第で続編が……なんて可能性はあるみたいですが、 正直、そんな売れねえよなあ(^^; なお、巻末に原著のリストがしっかり記されているので 全体の雰囲気はちゃんと味わえます(?) 目玉はエドマンド・ウィルソンですかねー。 だれがアクロイドを殺そうがどうでもよい、 でおなじみ、かなりのミステリ嫌いで有名な人。 当然、くそみそにこきおろしているわけですが、 それを載せてしまうヘイクラフトに感心する。 いやいや、たしかにムカっとくるけど、 そんなのもまたおもしろいんだよね。 他はミステリの批評や歴史の研究的なものばかり。 真面目なものから、下品なものまで(w ファイロ・ヴァンスものの皮肉なパロディもあるのですよ、 作者はクリストファー・ウォード。 探偵の名前がファイロ・パンツ!(w もうね、パンツパンツと出てくるだけで、 原作とのギャップの妙がじわじわきてニヤニヤしっぱなし(w さて、収録されているクイーンの2本をピックアップ。 「短編探偵小説100年史  The Detective Short Story : The First Hundred Years」 アンソロジー「101年の娯楽」(1941)の改訂版序文。 「編集者のノートから Leaves from the Editors' Notebook」 EQMMから転載した解説風書評を7編。 広く深いクイーンのミステリ美学を感じましょう。
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