ウラジーミル・ナボコフ (Vladimir Nabokov)

1899.4.23〜1977.7.2
帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグ生まれ。
父親は政治家。
ロシア革命で祖国を離れ、
ベルリン、パリでの亡命生活を経て、
1940年にアメリカに渡り、英語でも創作活動を始める。
1955年「ロリータ」が出世作にして代表作、大きな反響を呼んだ。
晩年はスイスのモントルーの高級ホテルで暮らした。
ロシア・アメリカ文学史上に屹立する異形の大作家。
    Lolita
1955ロリータ★★★★★

「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。…」 世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。 中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、 ミステリでありロード・ノヴェルであり、 今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。 多様な読みを可能とする「真の古典」の、 ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。 ネタバレ満開のあらすじ紹介しちゃいます。 まっさらで読みたいなら注意されたし。 2部構成の少女性愛ラブストーリーです。 (第一部) 少年時代、熱愛していた少女アナベルと死別したハンバート・ハンバート。 その神性を忘れることができず、少女しか愛せなくなった彼は、 ドロレス・ヘイズという12歳の理想的な少女と出逢いをはたす。 ドロレス、ロー、ローラ、ドリー、ロリータ! なんとか彼女の気を引こうと、慎重に画策する彼だが、 思うようにことは運ばず、はからずも彼女の未亡人の母親に求愛される。 最初は身震いするだけのハンバートだったが、 これをロリータに近づくチャンスと婚姻を承諾。 ロリータが義理の娘となったやさき、 (殺害を計画していた)じゃまでしかない母親が交通事故死。 ついにふたりきりとなったハンバートとロリータは やがて結ばれ、アメリカ各地を車で旅行することに―― (疑懼、タッチの差で非乙女でやんの;w;) (第二部) 転々としながら愛をはぐくむもうとしていたハンバートだが、 気まぐれなおてんば少女は彼の思惑どおりにはなびかなかった。 それどころか彼からの解放を望むようになり、 とうとう移動中に知りあった男と行方をくらませてしまう。 この裏切りに気も狂わんばかりのハンバートは 彼女の追跡と、相手の男の処刑を誓うのだが―― まあ、こんな流れ。 われらのロリコンの起源にあたる作品ですが、 とにかく笑えるというのがおどろきでした。 紹介文に"ときに爆笑を、ときに涙を誘う"とあるのはだてじゃない。 いや、泣けはしないけど(w 殺人物語でもあるので倒叙ミステリとしても読めますよ。 ハンバートの獄中手記という形で物語られるのですが、 こいつのキャラクターがすばらしいんだね。 少女しか愛せない自分を変質者と自覚して苦悶しながら それでもひたすらそれを追い求めてしまう姿を嗤えるか。 ユーモアとウィットを常に振るまい、分を別せる好青年なんだよお(?) もっとうじうじ陰鬱な男と少女の話だと思ってたから意外でね。 よもや靴下を"使用"するなんて夢にもおもわなんだ(w だからといって内容が軽いわけではなく、 じつに563個の注釈が不可欠なように、 (注釈といいつつ、自分で考えなさい的な丸投げも混入w) 豊潤な言葉遊びやメタファが盛りだくさん。 たくさんすぎて一度で消化なんてできません。 これを不慣れな言語(英語)で書いちゃうんだから化け物だね。 でも"修正派"には賛同しかねるな、私見は単純ミス。巨匠も人間。 ハムの原稿が虚構である必然性が薄いもの。 ただ、もし虚構とした場合、 殺人犯はドロレスでそれをかばうためにでっちあげた、なんて、 なんの根拠もない妄想もできるんだよね。 ハンバートは―― 九歳から十四歳までの範囲で、 その二倍も何倍も年上の魅せられた旅人に対してのみ、 人間ではなくニンフの(すなわち悪魔の)本性を現すような乙女が発生する。 そしてこの選ばれた生物を、「ニンフェット」と呼ぶ ――なんて理論の提案をしているんですよね。 ならば現在のいわゆるロリコンはこれに改めるべきだと思うの。 せめてハムコンに。ラッセル・トレーナーめ! しかしロリータたんよりハンバートのほうが萌えるから困る。 エロさはうすいけど、げらげら笑えて、愛の深みも堪能できる名作、 へんな先入観にとらわれず読んでみてください!
身長 12歳:57インチ(4フィート9インチ) 13歳:59インチ 14歳:60インチ 体重 78ポンド(35キロ) 86ポンド(39キロ) 90ポンド(41キロ) ハムと邂逅時の身長:4フィート10インチ(147センチ) ▼BACK▼          ▽TOP▽