The Affair of Heavenly Voice
1937「ミステリ講座の殺人」★★★☆☆
著名女流作家の邸宅に「ミステリ講座」と称して集められた人々。
ある夜、「天の声」と呼ばれる鐘の音に、人々はたたき起こされた。
そこで秘書の老女が殺されていた。
なぜ犯人は殺害後にあえて鐘など鳴らしたのか。
そして老女が死ぬ前に語っていた謎めいた言葉の意味は……。
黄金時代の名バイプレーヤーによる本格推理、ついに邦訳!
ハント・ロジャーズ・シリーズ第2弾。
スランプに陥っている大女流作家マーカーは自慢の邸宅の維持費にこまり、
自宅にてミステリ創作講座を開講した。
物書きたちを集め、ミステリの作法を有料でアドバイスするのだ。
そんなある真夜中、"天の声"と呼ばれている青銅の鐘の音が屋敷にひびいた。
叩きおこされた人々がそれぞれの部屋から顔をだすと、
マーカーの秘書の老女が胸に短剣を刺され死亡していた。
彼女は前日、「ルスピアムがわたしの命取りになる」という
なぞの言葉を残していた……。
犯人はなぜ自らの犯行を鐘の音でしらしめたのか?
そして"ルスピアム"とはいったいなにを示すのか?
やがて第二の殺人が発生し――
ふつうのフーダニット。
特徴は巻末の"手がかり索引"くらいか。
事件の手がかり(伏線)が明記されていて、
読者も読みながらメモって、
最後にそれと照らしあわせてみれるというもの。
……メモりながらミステリ読む人って都市伝説だと思うけど(^^;
それに論理的かどうかがあやしくてね。
例の黄金時代臭も弱かったよ。
ミステリ創作講座もほとんど体をなしてない。
ただ官憲のリアクションはおもしろかったな。
やる気のない保安官がひとりいるだけでね。
それもほとんど現場にいないし、調査もおざなり。
関係者がどうしようと自由ってのもなんか笑える。
なんぼ平和な地方でもこんなことってあるのか?
※本書巻末に著作リスト付き
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