I, The Jury
1947「裁くのは俺だ」★★★☆☆
ハマーの胸にぐっと嗚咽がこみあげてきた。
ともに戦火の下をくぐり、
右腕を失ってまで彼を救ってくれた戦友ジャックが、
下腹部に銃弾をぶちこまれて見るも無残な死体となっていたのだ。
ハマーは誓った。
犯人は俺が裁く、この45口径が!
金と顔にものをいわせる特権階級、
ボスどもを憎悪し、法律の盲点をついた犯罪を暴いていく、
タフガイ探偵マイク・ハマー登場!
全世界にセンセーションを巻き起こした衝撃の問題作!
私立探偵マイク・ハマー・シリーズ第1弾。
親友のジャックが45口径の銃で無惨に殺害された。
その光景を目に焼きつけ、ハマーは誓った。
犯人は自分が同様の方法で裁いてやると。
しかし好男子のジャックが殺されるような動機が見つからず、
ハマーの捜査は難航する。
それを嘲笑うように発生するおなじ銃による事件関係者の連続殺人。
友の無念を晴らすため、血の復讐劇が幕を開ける!
シンプルなハードボイルド。
過激さが売りというイメージどおりの一作でした。
残念なのが、ハンムラビ法典なハマーの復讐と
作品の展開から、犯人が読めてしまうところ。
論理的推理なんかじゃなく、
当てずっぽで当たっちゃうかなしさ。
ハマーという男を象徴する衝撃的なラストシーンだけにおしい。
(ハマー自身は意外とちゃんと推理してるんですが)
いっそ、いったん犯人を被害者と見せかけつつ、
ハマーの解決篇を挿入後、撃ったのは彼だった、
みたいな構成ならヤマ勘も軽減できたかも?
|