ジョセフィン・テイ (Josephine Tey)

1896.7.25〜1952.2.13
スコットランド、インヴァネス生まれ。
本名:エリザベス・マッキントッシュ(Elizabeth MacKintosh)
別名義:ゴードン・ダヴィオット(Gordon Daviot)
    The Daughter of Time
1951「時の娘」★★★★★

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世―― 彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部は つれづれなるままに歴史書をひもとき、 純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。 安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。 探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。 アラン・グラント・シリーズ第5弾。 ヤードの警部グラントは犯人追跡中にマンホールへ落下し、 屈辱的な入院生活をしいられていた。 気を紛らわせるために集められた書籍や写真のなかで、 ひとつの顔が彼の心をとらえた。 イングランド王、リチャード三世。 ふたりの幼い甥をロンドン塔に幽閉し殺害したとされる怪物。 しかし、グラントはその逸話に疑問を持ちはじめ、 本格的な研究に着手。やがて浮かびあがった真実とは? 歴史ミステリです。 薔薇戦争、最後の王リチャード三世が題材。 まあ、すでにくわしい人なら読むまでもないかと。 べつに歴史をひっくり返すようなオリジナルティはありませんゆえ。 逆にこの辺の歴史に深い造詣のない人ならかなりたのしめます。 歴史上の悪名高い人物の犯罪の無罪を証明するなんて、 わくわくするじゃあありませんか。 ま、結果的には肩すかし食らうかもしれませんが (とっくに前例があると明かされる辺りで) それでも興奮したし、いい夢見た感じです(w タイトルについて。 「真理は時の娘」という古い諺があるようで、 そのまま、真実や真理を意味するとのこと。 カバーについて。 最新の版では青が基調の表紙になってるみたいだけど、 私が読んだやつは赤が基調で、 リチャード三世の肖像画が描かれているんですよ。 青のほうにはないんですよね、城の絵だけで。これ。 (作中ではどうだかしらないけど。どちらもHM文庫です) で、なにがいいたいかというと、 この肖像画の効果がすごいんですわ。 本書のなかでもポイントになっていて、 見る人によって変わる印象がじつにあざやかで説得力がある。 通読中になんども表紙を見返しましたからね、 これが非常におもしろかった。 なので、なんで城の絵になんかしちゃったのかなぁと思うわけですよ。 (挿絵や扉絵にあったらごめんなさい) そんなわけで、最後に彼の記事を張っておきまーす。 Wikipedia
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