A・E・W・メースン (A. E. W. Mason)

1865.5.7~1948.11.22
ロンドンのダルウィッチ地区エヴァレイ生まれ。
オックスフォード大学トリニティーカレッジに学んだ。
容姿端麗で、在学中から演劇俳優として活躍し、
卒業後は職業劇団へ、ベンスン一座やコムトン喜劇団に加わり巡業。
1895年、30歳で舞台を退き、作家に転身。
同年、長編歴史小説の処女作「A Romance of Wastdale」を発表した。
その後も趣味を生かした冒険小説や自作の劇化など執筆し、
自由党議員として下院に議席を得たり、
第一次大戦で将校に任ぜられたりし、
1910年「薔薇荘にて」でミステリの分野にもデビュー。
パリ探偵局のアノーを誕生させた。

筆名、正確には――
Alfred Edward Woodley Mason
アルフレッド・エドワード・ウッドリ・メースン
    The House of the Arrow
1924「矢の家」★★★★
ハーロウ夫人がなくなって、遺産は養女に残されることになった。 そこへ義弟が登場し、恐喝に失敗するや、 養女が夫人を毒殺したと警察へ告発した。 養女は弁護士に救いを求め、パリからアノー探偵が現地に急行する。 犯人と探偵との火花を散らす心理闘争は圧巻で、 犯罪心理小説の変型としても、 サスペンスの点でも類例の少ない古典的名作! ミステリ。アノー探偵シリーズ第2弾。 富豪のハーロウ夫人がなくなり、 遺産はすべて養女ベティに残されることになった。 ところが、夫人の義弟が現われ、恐喝に失敗すると、 ベティが夫人を毒殺したのだと告発した! こうして探偵アノーが出馬し、調査を開始。 遺体を解剖しても毒の痕跡はなく、 義弟のたくらみは瓦解したのだが……。 この次の展開がうまいですね。まあ、読めるだろうけど(w しかし、これ、犯人が多すぎですって(^^; 単独犯は無理としても、共犯者の数が……。 アンはいかにもミスリードだし。 主犯の存在、印象はあざやかで文句ないんだけれどねぇ。 黄金時代の香気が強いので、信者にはそれだけで快感です。 フランス人のアノー探偵もユニークで、 芝居がかった、思わせぶりな態度は 俳優でもあった作者らしくてほほえましいです。 ああ、ノートル・ダム寺院の正面ファサードを拝観したい。
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