ニコラス・ブレイク (Nicholas Blake)
1904〜1972
アイルランド生まれ。
オックスフォード大学卒業。
その後、教師として詩学を教えた。
本名であるセシル・デイ=ルイス(Cecil Day Lewis)の別名義。
桂冠詩人。欽定詩宗。
イギリスで国王から任命され、
王室の慶弔に公的な詩をつくることを義務とした詩人。
現在は慶弔の詩は任意となり、終身年俸を与えられる名誉職。
ブレイク名義の推理作家デビューは1935年「証拠の問題」。
私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズを誕生させた。
A Question of Proof 1935「証拠の問題」
予備校の教員マイケル・エヴァンズは殺人犯として警察から疑われていた。 が、それはとんだ濡衣だった。 人を殺すなどもってのほかだし、 まして被害者は自分の教え子の一人なのである。 しかし、彼のアリバイは極めて曖昧だった! 本格派の雄ニコラス・ブレイクが、 証拠を過大視しすぎる警察の捜査を鋭く風刺した異色作。 ナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズ第1弾。
Thou Shell of Death 1936「死の殻」
空の英雄と讃えられる伝説的な飛行士、 ファーガス・オブライエンに復讐を誓う脅迫状が届いた。 殺害予告の日はクリスマス。 私立探偵のナイジェル・ストレンジウェイズは、 護衛を依頼されるが、まんまと犯人に出し抜かれてしまう。 新本格派と呼ばれた著者の初期の名作。 終幕で浮かび上がる悲劇的な復讐者の姿は、読者の胸に強く残るだろう。 ナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズ第2弾。
The Beast Must Die 1938「野獣死すべし」★★★★☆
探偵作家フィリクス・レインは、 最愛の一人息子を暴走する自動車に引き逃げされた。 再三の調査にもかかわらず自動車の行方は知れず、 六カ月がむなしく過ぎた。 怒りを抑えきれない彼は、ひとり見えざる犯人に復讐を誓った! 英国の桂冠詩人セシル・D・ルイスが ブレイクの筆名で綴った、香気あふれる本格傑作。 ナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズ第4弾。 倒叙&ミステリ。 前半は息子をひき逃げで亡くした父親の日記で語られる復讐劇。 後半は三人称で描かれるミステリ仕立て。 詩人のミステリだけあって、 理屈っぽい詩文や引用は当然のようにあり(w 冷たい憎悪と鋭い心理戦が美しい作品です。▼BACK▼ ▽TOP▽
Head of a Traveller 1949「旅人の首」
ある夜、テムズ河から偶然に引き上げられた男の首なし死体。 警察はさっそく捜査を開始するが、死体の身元すらも判然としない。 警視庁はアマチュア探偵としての信頼も厚い 名探偵ナイジェル・ストレンジウェイズに協力を要請した。 やがて、失われていた死体の首が思わぬ場所で発見される…… 本格派ブレイクの代表的傑作! ナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズ第9弾。