フレドリック・ブラウン (Fredric William Brown)

1906.10.29〜1972.3.11
オハイオ州シンシナティ生まれ。
インディアナ州のハノーヴァー大学にまなび、
1940年頃、貿易新聞の校正係に就職。
そのかたわら、実業関係の出版物に
ユーモアもの主体の寄稿(中短編)を数多くする。
1947年、推理処女長編「わが街、シカゴ」でMWA賞を獲得。
以後、本格的な職業作家に。作品数はミステリのほうが多い。
    What Mad Universe
1949「発狂した宇宙」

ロケット墜落地点にいあわせたSF雑誌編集者キースは、 突然奇妙な宇宙に転移してしまった。 そこでは通貨にクレジット紙幣が使われ、 身の丈七フィートの月人が地球人と共に街路を闊歩していた。 しかも地球は、アルクトゥールス星と熾烈な宇宙戦争を繰り広げていたのだ! 奇想天外な多元宇宙ものの古典的名作! 代表作。
    Martians, Go Home
1955「火星人ゴーホーム」★★★★
カリフォルニア州の砂漠の中の一軒家で、 SF小説の原稿に苦吟していた小説家ルーク・デヴァルウは、 世にも不思議な体験をした。 突然、奇妙な緑色の小人が訪ねてきたのである。 「やあ、マック」と小人はなれなれしく彼に話しかけた。 「ここは地球だろ?」驚いて口もきけない彼に、 小人はおりから夜空にのぼっていた月を指さし、 「月が一つしかないもんな。ぼくんとこには二つある」 太陽系内で月を二つもっている惑星といえば、ただ一つ…… するとこの小人は、火星人なのだ! 痛烈な諷刺と軽妙なユーモアにかけてはならぶものなき 奇才ブラウンの古典的名作、ついに登場! SF。 SF作家ルーク・デヴァルウは大スランプに陥っていた。 人里離れた小屋で新作の構想を練っていた彼の前に、 とつじょ緑色のこびとがあらわれ、話しかけてきた。 なれなれしく、礼儀しらずのソレは火星人らしいのだ! だが、ソレは彼のもとだけではなく、 地球上の各地に、大量に出現していた―― と、前半はファーストコンタクトとパニック小説。 この火星人がとにかくヒドい(w 地球の公序良俗なんて道理は皆無。 人間のいやがることが大好きで、 あちこちにワープしてはいやがらせをくり返します。 83ページからのこきおろしが圧巻だったな。 表紙のにくたらしい顔もデザインがうまいなあと。 後半はおおきく流れが変わって、 唯我・独知・認識論などに移行し――と、 ネタバレになるからこれはあまりつっこむまい。 サイエンス面はグダグダだけれど フィクション面は古典的名作に異論なしなので 基本としておさえておきたい一品です。
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