モーリス・ルブラン (Maurice Leblanc)

1864.11.11〜1941.11.6
フランス・ノルマンディー地方の都市ルーアン生まれ。
ロースクールを落第後、
パリに居を構え純文学系の心理小説を書きはじめるも、不評。
40代になり、友人の編集者に依頼され気が進まず書いた
紳士的な振る舞いの泥棒にして探偵の
アルセーヌ・リュパン(Arsene Lupin)ものが大ヒット。
リュパン・シリーズ56編の総発行部数は全世界で5000万部を超える。
その功績からレジヨン・ドヌール勲章を受章。

日本では「ルパン三世」が有名ですが、ルブランのルパンが一世にあたります。
    Arsene Lupin, gentleman-cambrioleur
1907怪盗紳士リュパン★★★★
名探偵シャーロック・ホームズとならぶ 推理小説史上の巨人、アルセーヌ・リュパンは 世界中の老若男女から親しまれている不滅の人間像である。 つかまらない神出鬼没の怪盗、 城館やサロンしか荒さぬ謎の男、変装の名人、 ダンディでエスプリにあふれた怪盗紳士リュパン。 本書はリュパン・シリーズの処女作であり、 八短編を収録した決定版。  アルセーヌ・リュパンの逮捕 リュパン初登場作! ――が、タイトルの通り、いきなり逮捕されます(^^; 大西洋を横断中の定期船内が舞台で、 乗客に変装したリュパンが潜りこんだって話。 逮捕される理由にシビれる。"ぼく"と"わたし"はネックだな(w  獄中のアルセーヌ・リュパン 獄中にいながら、ある男爵に窃盗予告状を送りつけたリュパン。 男爵はリュパンのライバルともいえるガニマール警部に 捜査・張り込みの依頼をするのだが、予告は実行され……。 (まあ、今後も基本的なトリックが多いです)  アルセーヌ・リュパンの脱走 前話でガニマール警部に脱獄宣言したリュパン君。 厳戒態勢で看守たちが目を光らせる中、 いかにして彼は脱走に成功したか?  奇怪な旅行者 列車内。リュパンがリュパンに追いはぎにあう事件。 怪盗紳士の本領発揮。  女王の首飾り 伝説的な"女王の首飾り"の密室消失事件。 おお、アルセーヌ・リュパンのルーツ。  ハートの7 リュパンの友人で伝記記者である"わたし"が、 彼と知り合いになるきっかけになった事件。 "わたし"の家で起きた不思議な強盗、自殺事件。 ハートの7のカードが意味するものとは。  彷徨する死霊 舞台は城。 そこに住む父親と娘が何者かに命を狙われているらしい。 手紙で計画を知ったリュパンは阻止するため、城に潜入する。  遅かりしシャーロック・ホームズ こちらも舞台はお城。 チベルメニル城の伝説の地下道の謎を前に、 リュパンとホームズの夢の頭脳対決! あのヒロインも再度登場。
    813
1910813★★★☆☆

《ダイヤモンド王》と呼ばれる大富豪ケッセルバック氏は、 全ヨーロッパの運命を賭けた重大秘密を握ってパリに出た。 その全貌を明らかにすベく、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが会見したその夜、 氏は何者かに刺殺されてしまった……。 現場に残されたレッテル“813”とは? 手がかりの人物をおそるべき冷酷さで消してゆく 謎の人物“L.M.”を相手に、ルパンの息づまる死闘が始まる……。 (ルパン傑作集) 《ダイヤモンド王》と呼ばれるケッセルバックは、 ヨーロッパ全土を揺るがしかねない機密を所有していた。 その情報を盗みだそうと怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが 彼と"会見"した矢先、何者かに刺殺されてしまう。 さらに手がかりを握る秘書やホテルのボーイまで 容赦なく同様の手口で殺害された。 現場からは"813"と書かれたレッテルと "L.M."と彫りこまれたシガレット・ケースが発見された。 これを足がかりに殺人犯人、 そしてケッセルバックの秘密を追うルパンだが、 相手は何度も彼の先手を打ち、苦戦をしいられる。 ついにルパンの身柄は官憲の手に落ちてしまう―― 本書は、まあ、一人二役……三役?のトリックが目玉なだけ。 "813"のなぞや"L.M."との対決は 「続」きを読まないと解明しませんのでー。
    813
1910続813★★★★
謎の人物“L.M.”の手によって刑務所に放りこまれたルパンは、 持ち前の沈着冷静さで警察陣を翻弄して脱獄に成功。 一路ベルデンツの廃墟に向う。 全ヨーロッパの運命を握る秘密を解く鍵が、必ずあるにちがいない……。 が、またしても“L.M.”の恐るべき刃は先回りしていた。 “L.M.”とはいったい何者なのか? ルパンの鋭い追及の前についに姿を現わした人物は意外にも……。 (ルパン傑作集) 刑務所に投獄されながらも勝手気ままに振るまうルパンだが、 この状況でもなお"L.M."の攻撃が彼を苦しめていた。 やがて大胆なひらめきで脱獄に成功はするものの、 《ダイヤモンド王》の秘密の先にはすでに"L.M."の影が。 さらにルパンの計画は味方の間にも不協和音が生じてきた。 焦燥し煩悶する彼についに決着のときがせまる。 はたして勝利はどちらの手に収まるのか? うう、あの実の娘を観察するくだりは泣けるなぁ(T_T) ただ展開とか真犯人が登場人物や目次で予測できるのはどうなのよ。 まず目に入るんだからこのへんは気を使えっての……('A`) 内容自体は代表作とよぶにふさわしい大作ですね。 しかしこの訳者(堀口大学氏)、 「これは」の使い方が珍妙だねぇ、さすが19世紀生まれ。 存外、ルブランのクセを忠実に訳しただけのこれは文章なのかな。
    Les huit coups de l'horloge
1923八点鐘★★★☆☆

レニーヌ公爵と名のって、 若く美しい婦人オルタンスの前に登場した怪盗ルパンは、 彼女を8つの冒険へと誘う。 怪紳士レニーヌは、生得の天才的なひらめきと、 過去の強盗の体験から身につけた豊富な知識で、 無実に泣く人達や、虐げられた人びとを救うために大活躍。 最後に、オルタンスの愛も手に入れる。 その後のミステリーで定番となった トリックを惜しげもなく繰り出した評判作。 (ルパン傑作集)  塔のてっぺんで (Au sommet de la tour) 城館になかば幽閉された生活を送るオルタンス婦人に 熱をあげたセウジ・レニーヌ公爵は、彼女を散歩に誘いだす。 広庭にたたずむ20年以上放置されていた古い屋敷に侵入すると、 動いてるはずのない時計から八点鐘が響きわたった。 さらに屋敷のテラスから望遠鏡を覗いてみると、 そこには白骨化した男女の死体が……。 運命的な八点鐘を機に、 レニーヌ公爵はオルタンスとともに8つの冒険をすることを約束。 この連作短編集のはじまりです。  水瓶 (La Carafe d'eau) ジャック・オーブリユの死刑が明日執行されることになった。 容疑は従兄弟殺しと現金(紙幣60枚)の窃盗。 彼の無罪を信じる友人と家族から事情を訊いたレニーヌは、 事件の解明に乗りだすことに。 証拠がなく苦戦するレニーヌが見どころ。 トリックの水瓶による発火は時代を感じさせます(w  テレーズとジェルメーヌ (Therese et Germaine) 電話の盗聴から殺人の計画の臭いを嗅ぎとったレニーヌは それを未然にふせごうと現場近くのカジノで待機していた。 ところが、すぐそばにある密室状態の人目につく小屋で 背中を刺された男が死んでいるのが発見された。 凶器は残されておらず、人物の出入りも目撃されなかった。 レニーヌはこのなぞを解き明かせるのか? テレーズとジェルメーヌの恐懼する女の戦い。 序盤を読みなおすとこらせた技巧がおもしろい。  映画の啓示 (Le film revelateur) 映画女優でオルタンスの異母妹のローズが失踪した。 また彼女と共演しのぼせていたゴリラのような男ダルブレークも 同時期に行方不明になっており、強盗殺人の容疑までかかっていた。 レニーヌは彼がローズを誘拐したとして、足どりをたどることに。 その道程はふたりが共演していた映画の筋書どおりだった……。 一種の見立てものなのよね。でも、これ、事件かなぁ(^^;  ジャン=ルイの場合 (le Cas de Jean-Louis) レニーヌとオルタンスは散歩中、 セーヌ河に跳びこんだ女性を目撃し、救出した。 どうやら結婚の約束が破談になったのが動機らしい。 そこで彼女の婚約者ジャン=ルイから事情を聴くことに。 彼の出生時にトラブルと入れ違いがあり、 ふたりの女性が自分こそ彼を生んだのだと主張する事態となり、 以来、いがみあって今日にいたったという。 レニーヌはこの問題にケリをつけることができるのか? 結論からいえば、にごしただけでつけてないような(^^;  斧を持つ貴婦人 (La Dame a la Hache) 斧で頭部を割られた遺体が発見される事件が相ついだ。 被害者はすでに6人。 現場の遺留品から犯人は女性と思われていた。 そしてオルタンスがこつ然とすがたを消してしまい―― 焦燥のレニーヌと殺人鬼の息詰まる対決! ミッシングリンクもの。 だれかあの程度の共通項には気づけよ(^^;  雪の上の足跡 (Des pas sur la neige) ある男にかけられた殺人事件の疑惑。 雪の上の足跡から容疑は濃厚だったが、 レニーヌは男は巧妙な罠にはめられたとして 雪の足跡のトリックを看破する。 真相はすんげえかわいらしい単純な方法。  マーキュリー骨董店 (Au Dieu Mercure) 何年も前にオルタンスが盗まれてしまった 代々受け継がれてきた幸運をもたらすというコサージュ。 そのゆくえをつきとめたというレニーヌは 彼女に対し、奇妙な指示をあたえつつ、ある骨董店へとみちびいた。 最後の、8つ目の冒険を終えたふたりの結末は?
▼BACK▼          ▽TOP▽