メアリー・W・ウォーカー (Mary Willis Walker)

1944〜
ウィスコンシン州生まれ。
テキサス州オースチン在住。
1991年「凍りつく骨」でデビュー。
アガサ賞、マカヴィティ賞をW受賞。
2作目「処刑前夜」で女性犯罪ライターのモリー・ケイツを登場させ、人気シリーズに。
    Zero At the Bone
1991「凍りつく骨」

闇の中で大きく目を開けて、目の前の光景を想像した。 2メートルを超える太った雌の大蛇が、ゆっくりととぐろを解いている。 骨まで凍りつき、身体に氷の芯ができたようだ。 部屋は不気味なほど静かだった。 ――悲惨な死を遂げた父の謎を追う 美人犬訓練士キャサリン・ドリスコルの身に危難が……。
    The Red Scream
1994「処刑前夜」★★★★
テキサスの岩山とコロラドの清流を背景に聳えるマクファーランド邸。 だがこの豪邸は呪われていた。 前妻の死に続く二度めの妻と住込みの青年の変死。 犯人と思われた男が逮捕されてからも奇怪な事件は続く、 真犯人は他にいたのか。 犯罪記者モリーの決死の努力にも拘らず犯人処刑の時は刻々と迫ってきた。 モリー・ケイツ・シリーズ第1弾。 11年前、"剃髪魔"とおそれられた連続殺人犯ルイ・ブロンク。 彼の死刑執行の日が一週間後にせまっていた。 犯罪ライターのモリー・ケイツは最近ブロンクの犯罪実話を出版しており、 評判、売れ行きともに好調だった。 しかし、彼女のもとに脅迫状めいた詩の手紙が舞いこみ歯車は狂いだす。 ブロンクが自身の死刑を決定づけた富豪の妻タイニー殺しを否認したのだ。 さらに富豪の関係者がつぎつぎに殺害され……。 モリーはブロンクの犯罪を再調査するのだが―― ミステリ。 処刑をタイムリミットにしたタイプはけっこうあるけど、 本書はもしブロンクの妻殺しがえん罪だとしても、 ほかになんにんも殺してるので死刑に変わりはないというもの。 それに附随する死刑制度の是非も考え深いものがありますね。 難点は犯人を特定、断定する伏線が張られていないところ。 整合性はしっかりとれているけど、フーダニットにはもう一歩。 キャラクターがみんなあやしげでね、このへんはレベル高いんですが。 モリー・ケイツも興味深いですよ。一言でいえば故障してます。 原因は作中で明かされるから触れない。 彼女は中年で娘がひとりいて、なんどか離婚歴があり、いまは独身。 犯罪を追う姿勢は殺人魔ブロンクをも動かすほどです。 彼女の今後の変化も見どころになるでしょう。 原題「赤い叫び(レッド・スクリーム)」は死刑囚が刑執行を目前にあげる断末魔の叫びのこと。
    Under the Beetle's Cellar
1996「神の名のもとに」

邪教集団「ジェズリールの家」の近くで、 小学生17人を乗せたスクールバスが、 AK−47銃で武装した男たちに取り囲まれ、 子供たちは地面に掘った穴の中で人質になった。 教団では生後50日めの赤ん坊を、 神に返すといってすでに42人も鎌で殺している。 女性事件記者のモリー・ケイツは恐るべき陰謀に挑むが…… モリー・ケイツ・シリーズ第2弾。
    All the Dead Lie Down
1998「すべて死者は横たわる」

銃砲規制法案を巡って、今、テキサスは熱かった。 モリーは上院を取材中、憎むべき男の姿を目にした。 28年前、愛する父の不可解な死を自殺と片づけた保安官だった。 おぞましい記憶とともに復讐の思いがたぎる。 一方、賛成派・反対派がしのぎを削る議会では恐るべき陰謀が進んでいた。 ウォーカーの最高傑作登場! モリー・ケイツ・シリーズ第3弾。
▼BACK▼          ▽TOP▽