貫井 徳郎 (ぬくい とくろう)
1968.2.25〜
渋谷区生まれ。
1991年、不動産会社に入社するも、二年も保たず退社。
1993年、小説を書き始める。東京創元社主催の鮎川哲也賞に応募。
賞は逸したものの、北村薫の強い後押しでデビューが決定。
1993年、東京創元社より「慟哭」でデビュー。
超参考――ってOHPのみ(^^;
作品リストや紹介、マイベストもあり、およそ理想的です。▼BACK▼ ▽TOP▽
1993「慟哭」★★★☆☆
連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、 捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。 異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、 警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。 こうした緊張下で事態は新しい方向へ! 幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、 人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。 ミステリ。倒叙。社会派風。 警察パートと宗教パートで交互に展開する構成。 はっきりいって、大筋(トリック)の予想はついてしまうでしょう。 それでもなお、ラストの衝撃が強いのが、 この小説のパワーではないでしょうか。 そもそも隠そうとしてませんものね。 だから倒叙としたわけです。 フーダニットの類いではありません。 "北村薫の帯"にはご注意を(w でも第一の犯人はよく黙ってたもんだね。 ともあれ、"彼"の慟哭に震えた感覚は忘れえません。