アダム・ファウアー (Adam Fawer)

1970〜
ブルックリン在住。
幼い頃、病で視力を失い、度重なる手術のため少年時代の多くを病院で過ごし、
病床で小説の朗読テープを「濫読」する。
やがて視力は回復、ペンシルヴァニア大学で統計学を学び、
スタンフォード大学経営大学院でMBAを取得、
ソニー・ミュージック、J・P・モルガン、アバウト・コムなどの
有名企業でマーケティングを担当。
そんな折、親友の女性が末期癌に侵されていることを知り、
ふたりは作家になるという昔からの夢に向かい一念発起。
2005年「数学的にありえない」でデビューする。
日米独伊ほか16か国あまりで出版されるベストセラーとなり、
第1回世界スリラー作家クラブ新人賞を受賞。
    Improbable
2005数学的にありえない★★★☆☆

破滅寸前の天才数学者ケイン。 彼を悩ませる謎の神経失調には大きな秘密があった。 それは、世界を根底から揺るがす「能力」の萌芽だったのだ。 それを狙い、政府の秘密機関“科学技術研究所”が動き出し、 その権力を駆使してケインを追いはじめた。 なぜ彼らはケインを追うのか? 彼らが狙うケインの「能力」とは何なのか? そして科学者トヴァスキーが進める「研究」の目的とは? 執拗な追手から逃れつつ、ケインはその謎に迫ってゆく。 いくつもの物語が謎をはらんで一斉に疾走、 ここに前代未聞のアイデアを仕込んだ ジェットコースター・サスペンスが幕を開ける。 統計学の講師をしていたデイヴィッド・ケインだが、 癲癇の発作に悩まされ、ギャンブルに溺れていた。 ある日、必勝に見えたポーカーの大勝負で敗れ、 カジノ店主のマフィアに多額の借金をしてしまう。 同時期。 精神病院から退院したデイヴィッドの双子の兄ジャスパー。 組織を裏切り情報を売りわたすCIA工作員ナヴァ。 謎の人体実験を敢行する科学者トヴァスキー。 その研究の被験者であるジュリア。 研究結果の横奪を狙う上官のフォーサイス。 無関係に見えるそれぞれの思惑が絡みあい、 物語はありえない結末へと集約される―― タイトルがかっこよすぎますね。それで買い。 テーマは確率論、もう少しネタバレ気味に踏みこむと、 "ラプラスの魔による未来予知"となります。 一応、伏せたけど目次とかで予測はできちゃう範囲かと。 フルサスペンスが売りで新書上下巻600ページ、一気に読み終わります。 読んでる感覚はSF。 ミステリ的技巧にも注目です。伏線のまとめがあざやか。 ただいずれも半端だなという印象を持ってしまいました。 決定論や集合的無意識のギミックって新鮮さもないし、 読者全般に考慮した物理などの"講義"も説明感全開で浮いてんだよなぁ。 ヒロインのナヴァもどうも好きになれない。 相手や情報を選んでいるとはいえ、保身の殺しも躊躇なしとか。 わざわざ命がけでケインにかかわる要素、動機も薄い。 ハリウッド的ロマンスがないのが救いか。 あとジュリアとベッツィのイベント、エピソードがあればなぁ。 血縁だけじゃなく、ほんのささいな、借りがある、 守るという約束のひとつでもあれば。(とくにないのが逆にいい?) 特定の意志により人死にが出てまで (例えばトミー、どうせ自殺してたし事故で死亡してもいいじゃん的な) 少女はあの結末を望むのかな。 (微妙にずれてる気はする。干渉レベルがどうにも不定で) 4000円ではコスパが悪いと思う確率は高いはず(w
関連(?)書雑記
小島 寛之 (こじま ひろゆき)

1958〜
東京都生まれ。
東京大学理学部数学科卒業。
同大学院経済学研究科博士課程修了。
帝京大学経済学部環境ビジネス学科助教授。
数理経済学の視座から、社会における「公平性」の意味を探究する。
数学エッセイストとしても活躍。

hiroyukikojimaの日記
2005使える!確率的思考★★★★
ギャンブル、天気予報、ビジネスから人間関係まで、 この世は不確かな事柄でいっぱいだ。 私たちは、偶然に翻弄されながら、 可能性の高さを見積もったり比較したりして、 自らの行動を決断せねばならない。 では、賢く適切な選択をするにはどうすればよいか? そこで強い味方となるのが「確率的思考」である。 本書は、数字の苦手なわれらにも腑に落ちる平明な語り口で、 確率のテクニックを駆使して考える術を伝授する。 ツキの正体、統計数字のからくり、 人づきあいやビジネスでの意思決定法など、 魅力に富んだ事例満載で愉快に学べる一冊。 基本的な確率論を日常レベルの生活に例えて (宝くじ、賭け事、株、類似店の密集、データ解析など) わかりやすく解説してくれる書。 ややこしい数式なんかもほとんど出てきません。 まだまだ発展途上にある学問なので さまざまなモデルの紹介もたのしいです。 ざっくばらんな文章で気軽に読めます。 (序盤はのぼせ気味ですがw) SD(標準偏差)、ベイズ推定、正しい選択など、 新しい思考の組み立てが見つけられますよ。
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