ミステリ用語辞典

どこがミステリ用語だってのもまじってますが
それ自体がミステリってことで容赦願います。
新規のや間違いがあらば指摘してくださいませ。

ナーゴ

あ行か行 さ行た行 な行は行 ま行や・ら・わ行 英字

あ行 アガサ・クリスティ Agatha Christie(1890-1976) ミステリーの女王。 だがクイーンではない。 「アクロイド」と「オリエント」を 少しのネタバレもなく読めた人は事実上の生き神。 もうひとつお約束ネタを。 クリスティが14歳年下の考古学者の夫を評した言葉。 「考古学者というのは理想的な夫ですわ。だって奥さんが   年をとればとるほど、高い値打ちをつけてくれますもの」 ただし本人はこのセリフを否定しており、これを創作した人物が 名乗り上げれば、首をひねってやるといきまいていた。 むろん、名乗りをあげた者はおらず、迷宮入りに(w アリバイ 不在証明。 完璧であるほど疑われる難儀な性質を含む。 "ほかの場所"というラテン語の alibi から。 もともと位置を示す言葉 alius は、"ほかの"という意味。 暗号 第三者に漏れないように、 当事者間でのみ解読できるよう取り決めた特殊な記号や文字。 アナグラムやサイファが主流。 換字式、転置式、分置式、混合式、隠字式、 隠語式、比喩式、RC4、RSAなどなど。 アンチミステリ 既存の約束を破棄し革正に挑んだミステリ。 大方、奇書か地雷に成る。 中井英夫が想定。 アンフェア フェアプレイ精神に反する作品。 フェアの基準が曖昧な為、物議をかもすのもしばしば。 ネタが出尽くした感のある現代では選り分け困難。 安楽椅子探偵 アームチェア・ディテクティブ。 現場に赴かず人から聞いた話だけで事件を解決する探偵。 アームチェアは「肘掛椅子」なのになぜか「安楽椅子」 石川年 訳者。 一昔前に角川で国名シリーズの翻訳を担当する。 以下の通り。 ローマ劇場毒殺事件 フランス・デパート殺人事件 (なぜかオランダが抜けている) ギリシア棺謀殺事件 エジプト十字架事件 アメリカ・ロデオ射殺事件 シャム双子殺人事件 中国切手殺人事件 スペイン岬の裸死事件 腹痛ぇ… 医者・博士 クローズドサークルでも登場頻度が異様に高い。 検死役をさせる為なのが見え見え。 社会的地位が高く殺人の動機設定にも事欠かない。 エクストラポレーション 外挿法。補外法。 SF Science Fiction の略。空想科学小説。 サイエンス・ファンタジーの分類もあり。 すこし ふしぎ でも可。 ミステリとの相性は悪いが、 ローカルルールの確立によっては新境地が拓かれる。 "いわゆる御三家" I・アシモフ R・A・ハインライン C・クラーク  備考:日本SF作家クラブWWW なお、これを英字欄に置かない理由は察してやってください(w エラリイ・クイーン フレッド・ダネイとマニー・リーの共同ペンネーム。 名前は女王でもミステリ界の王様です。 作品は歴史的重要性やら個人的嗜好で割れるでしょうが ミステリの総合的功績ならクイーンが最高位でウッドボール。 (だのに目録落ちが目立ちつつある。なぜだっ) エラリスト シャーロキアンのクイーン版。 難点は誰も使わないこと。 通常はエラリアン。 (攻撃的なこわい宇宙人みたいでイヤ) 黄金時代 主に英米ミステリ界の1920〜30年代をさす。 フィルポッツ、ルルー、バークリー、スタウト、ヴァンダイン、ミルン(!)、 クロフツ、クリスティ、クイーン、カー、セイヤーズなど百花繚乱、化け物揃い。 女を捜せ "シェルシェ・ラ・ファム" ナポレオン麾下の警察省長官ジョゼフ・フーシェの名句。 ミステリでも法典化。 上へ
か行 ガーゴイル・ミステリの条件 カワード・マッキャン社が出版する ミステリのジャケットに必ず書いてあるらしい。 ガーゴイル・ミステリの条件 カーキチ・カーマニア ディクスン・カーの愛好者。 海外アレルギー 海外の作風(人名や風土風俗)にどうしても馴染めない人。 舞台装置の一。犯人をここへ追い詰めると盛り上がる(か?) 笠井たん(;´Д`) 笠井 潔。 作家として現象学(哲学)的推理を駆使する矢吹駆を創り出し、 20世紀最高のミステリとまでうたわれる「哲学者の密室」を完成させる。 一方、評論家としても周到に考覈された解説には定評があり、 「六とん」を「単なるゴミである」と切り捨てるなどの 厳格で重厚な存在感は現代のヴァン・ダインを思わせる。 というのが管理人のイメージだったのですが、 「らっきょ」の解説では萌え文化まで熱く語っており、 その姿勢に笠井たん自身に萌えてしまうことをさす(なんのこっちゃ) カタストロフィ 劇や小説の悲劇的な結末。破局。 固ゆでタマゴ ハードボイルド。 冷酷な、非情なの意。 主人公は(行動派)私立探偵で一人称がほぼ原則。 「ハードボイルド御三家」 ダシール・ハメット レイモンド・チャンドラー ロス・マクドナルド カタルシス 悲劇を見ることによって日頃 鬱積している情緒を解放し、 それにより精神を浄化すること。清涼な読後感。 ミステリおいては解決編がそれにあたる(はず) 肩を竦める ミステリの登場人物によく見かける仕草。 海外なら自然だが、国内でも跋扈してるのは不可解。 壁本 読了後、壁に投げつけた本のこと。 具体例は枚挙にいとまがない。 価格が高いほど、壁に飛ぶ速度が速くなる。 地雷の類語。 英)throw a book アハハ、これ面白すぎ(w 利き腕 往々にして推理のファクターに一役買われる。 左利きの人間から見ると納得できないケースが多いです。 世の中 右利き用にできてて、否応なくある程度 慣らされます。 咄嗟の場合はともかく、 普段(物に触れる、取る、握手など)は右も使いますから。 気絶 ミステリでは頻繁に登場人物(主に探偵)が 犯人に後頭部を殴打され気を失う。 ところが滅多に致命傷にはならず、 都合のいいタイミングで目を覚ますので心配いらない。 (記憶喪失にも通ずるものがある) 逆トリック トリックは簡単で、誰でも気づくものです。 意図的に簡単にしたのです。 しかし、トリックに気づいた人が、 一番引っかかった人である、という逆トリックなのです(大意) クライム(ノベル) 犯罪小説。 1) 犯罪者側が主役 2) 用意周到に計画された(金目当ての)犯罪を見せる作品 グルタミン酸ナトリウム 「ある意味」「ある種」「逆に」「それでも」「だからこそ」「あえて」など、 使用するとそれっぽく聞こえる文章の味の素。 大抵の理屈を成立させるが、多用すると安っぽくなる。不立文字。 リボヌクレオタイドナトリウムとして、 「生気溌剌たる」「必読の」「意味深長な」「幻想的」「雰囲気(世界観)」 ――ブラーニー石にアンブラッセしたい。 あと「本当に」の連発はどうか勘弁してください。ほぼコチニール色素。 クローズドサークル 雪の山荘、嵐の孤島など、小説舞台が閉鎖された状況。 血液型 両親のどちらかがAB型だと、 O型の子供は絶対に生まれない。 拳銃 >また探偵が事前に弾を抜いてるぞっ コージー(ミステリ) 恐ろしい事件が起こっても、それが解決すると再び平穏な、 心地よい平凡な日常的な生活に戻っていけるという 安心感に支えられたミステリ。 ノワールの対極に位置するジャンル。 クリスティが嚆矢か。 別名:"お茶とケーキ"派 ゴシック小説 怪奇幻想ミステリ。 18世紀後半から19世紀初頭にかけてイギリスで流行した小説。 中世のゴシック建築の古城などを背景とし、 殺人・幽霊・分身などの怪奇・超自然の強調を主題とする。 「オトラント城奇譚」のホレス・ウォルポール、 アン・ラドクリフなどが代表作家。 このミス このミステリーがすごい!の略。 年に1度、12月に発行される。 その年のミステリのガイド・ランキング本。 OHP(歴代作品一覧あり) 古文アレルギー 古い文体に馴染めず拒否反応を示す人。 管理人は五分五分で発症。 コミック力場 ギャグ系のマンガやアニメに発生する力場。 その空間内においてのみ、 通常物理では考えられない力を発揮する事ができる。 例) 女性が巨大なハンマーをどこからともなく取り出し、振り回す 大トリックのあるミステリも多数これに該当する。 コン・ゲーム コン は confidence の略。信用詐欺。 騙し騙されの犯罪などをコミカルに描いたもの。 上へ
さ行 さて、皆さん 登場人物を一堂に会し、探偵が放つ言葉。 解決編突入の合図でもある。 一部の古典でしかない場面と思ったら犀川君が多用。 名探偵 皆を集めて さてといい                    詠人知らず 三大奇書 国内ミステリ史で結果としてターニングポイントとなった作品。 夢野久作「ドグラ・マグラ」 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」 中井英夫「虚無への供物」 埴谷雄高らはこれに久生十蘭などの 異色作家を含めて「黒い水脈」とも呼んだ。 竹本建治「匣の中の失楽」を加えて「四大奇書」とも。 鹿爪らしい顔 御手洗がよくやっている顔。 綾辻も多用する。師弟愛? 具体例 時刻表 たびたびアリバイトリックに駆り出される。 大抵の読者は「どうにかしてやったんだろ」程度の興味しか沸かない。 シャーロキアン ホームズ愛好家。同義語にホームジアンも。 社会派 1950年代後半、松本清張を筆頭に 日本ミステリ界を席巻したほの暗いムーブメント。 個人より社会的背景の濃い犯罪が多い。 >社会派:捜査の過程が焦点 >本格:論理の過程(飛躍を含む)が焦点 ジュブナイル 少年・少女。また、少年・少女向けの本をさす。 叙述トリック 作者が読者に仕掛けるトリック。 フェア・アンフェア論争の火種になりがち。 叙述トリックを用いた作品のレビューで 「叙述トリック」と書くのは犯罪だと思うんだ。 まれに「○○トリック」など見かけるけど 伏せなきゃならないトリックなんてこれぐらいなので結局バレバレ('A`) 地雷 1) 法外な駄作のこと。実は滅多にお目にかかれない。 2) 精神を破壊しかねない威力を秘めた作品。 屍蝋 死体が蝋状に変化したもの。 いかにも京極好みの状態。 発音に困ったライダー姉さんがさらっという。 新本格(海外) 黄金時代以降(1940年代〜)の転換期。 ブランド、ブレイク、イネス、クリスピン、 ライス、ギルバート、クェンティン、フェラーズなど。 各エレメントが深化し細分化が進む。 新本格(国内) 80年代の新人作家らによるムーヴメント。 講談島田組み 綾辻行人、斉藤肇、歌野晶午、法月綸太郎、我孫子武丸、 創元鮎川組み 折原一、山口雅也、有栖川有栖、北村薫など。 90年代の京極夏彦、西澤保彦、森博嗣らで落着。 前衛的な古典が多い。 睡眠薬 登場人物が強烈な睡魔に襲われた場合、 たいていこれが一服、盛られている。 推理 探偵の好物。あさっての方向に飛んで行くのもしばしば。 直接推理と間接推理(三段論法)。細かい分類が色々とある。下記は一例。 演繹:金属は電気を通す。銅は金属である。したがって、銅は電気を通す。 帰納:銅は金属を通す。銅は金属である。したがって、金属は電気をを通だろう。 アブダクション:金属は電気を通す。銅は電気を通す。したがって、銅は金属だろう。 類推:鉄は電気を通す。銅は鉄のようなものである。だから銅も電気を通すだろう。 スコットランドヤード ロンドン警視庁(刑事捜査部)のこと。 海外のミステリでちらほら耳にはさむ。 創設時、グレート・スコットランドヤードという 広場の裏手に面しており、こう呼ばれるようになった。 日本の警視庁を桜田門と呼ぶのに似ていますね。 警察関連に隠語がつきまとうのは人の世の仕様らしい。 ストリック 叙述上に仕掛けをして、 ストーリーがトリックとなる作品の名称。 赤緑色盲 赤と緑の区別がつきにくい、つかない色覚異常。 犯人に不自然に多い。 男性7%、女性0.6%が該当するらしいので 自覚してないケースも多そうです。  しっかり読めます?  絶対領域 ミニスカートとニーソックスの狭間に存在する空間(ふともも)のこと。 一部の人間に防御不可の絶対的な効力を及ぼすことからそう呼ばれる。 具体例 宗左近 1919年5月1日戸畑市(現北九州市戸畑区)生れ。東大哲学科卒。 知る人ぞ知る詩人。 福島県立清陵情報高等学校校歌 「宇宙の奥の宇宙まで」は既に伝説。 東京電機大学中学高等学校旧校歌「風よ光よ」や 習志野台第二小学校校歌「青空」など名作は数知れず。 ゾッキ本 出版社が倒産した時や在庫が飽和状態という時、 定価に関係なく投げ売りされた本を指す。特価本。 「ぞっき」の語源は「すっかり」を意味する市場語あるいは俗語という説も。 上へ
た行 ダイイング・メッセージ 被害者が死に瀕した際に残すメッセージ。 もっぱら筆者の電波で成り立ち、名作は生まれにくい。 一説では(本格的な)発案者はクイーンとか。ぁゃιぃ。 ダイニング・メッセージ 「ケーキが戸棚にあります」 タクシーの運ちゃん 何気ない世間話からしばしば探偵に天啓を与える。 登場したら要注意。 探偵 作品の魅力に直結する重役。 頭脳と頭蓋骨が頑丈なのが好ましい。 ミス好きが過剰に反応する単語。 基本は正義の使者だが、 お前が事件を呼び寄せると非難されたりもするアンビバレントな存在。 detective(ディテクティヴ) は ラテン語の de tegere(真相発見者) が語源。 元祖はもちろんポーが創造したオーギュスト・デュパン。 探てい小説 戦後の漢字制限で「偵」の字がなくなった時の表記。 なんともかっこわるい。目も当てられない。戦争反対。 折も折、木々高太郎が探偵小説の発達、向上をはかるため、 新たに「推理小説」という呼称を提唱。代替し普及。 それゆえ、戦前=探偵小説 戦後=推理小説 で分別する律儀な人も。 探偵小説作法20則 これを忠実に守ってる傑作ミステリはまず存在しない。 「ウインター殺人事件」に収録。 ヴァン・ダインの二十則 チャンドラー 九つの命題 これほんとに存在するの?全然ヒットしないけど。 意義が不明だし。 チャンドラー九つの命題 チャンドラリアン レイモンド・チャンドラー(Raymond Chandler 1888-1959)の 熱狂的な愛好者。 1度遭ってみたい…(w 積ん読 つんどく。積んで置く。 書物を買い集めるだけで、読まずに積み重ねておくこと。 デウスエクスマキナ 「機械仕掛けの神」の意。 ヴァンダインやクイーンが引用する。 二転三転して「探偵の神」の意も。 ドア 体当たりを食らったり蹴破られたりと 不遇な境遇に見舞われる。 ある意味、1番の被害者。 倒叙 倒置叙述。 1)事件が起こるまでの経過を描いた作品 2)冒頭から犯人が誰なのか明らかにされている作品 功徳なく九仞の功を一簣に虧く物語が定番。 備考:三大倒叙 「殺意」 フランシス・アイルズ 「伯母殺人事件」 リチャード・ハル 「クロイドン発12時30分」 F・W・クロフツ 動物 探偵や目撃者、犯人にもなりうる有機化合物。 猫が多い。 読点 「、」の符号。 なぜか後期の西京が(憑かれたかのように)濫用する。 読者への挑戦 解決編の前に挿入される。 作者が読者に対して行う「フェアプレイ」の意志表示。 ほとんどの読者にスルーされる。 トラミス トラベルミステリーの略語。 響きがかわいい。 旅情ミステリとも。 トランク 死体の入れもの。 上へ
な行 萎え 萌え(燃え)の対義語だが広義に適応が利く。 高揚した気分が愚にも付かない陳腐な事象や現象に削剥されるさま。 日本推理作家協会 1947年に設立された"日本探偵作家クラブ"の後身。 1963年に社団法人に改組し、現在の名称に。 OHP  日本推理作家協会賞 江戸川乱歩賞 ネタにマジレス 犯人はわかっているのに、証拠がない。 そんな時に探偵が用いる最終にして常套手段。 当て推量や、虚偽の証拠で、さも確証を掴んだかのようにふるまい、 それに釣られて犯人がついマジレスしてしまい、ボロを出し解決するケース。 残忍で極悪な犯人も、容赦なく萌えの対象にされる瞬間。 類例:勝手にマジレス 犯人しか知りえないことを勝手に口走って自滅するケース。 沈黙は金、雄弁は銀。口は災いの元。いわぬはいうに勝る。 ネタバレ ミスラーならだれもが1度は経験するであろう生き地獄。 先が読めているのに何かを期待して読み進める姿は修羅のそれ。 残りページ数 ミステリで残りページ数がおよそ50〜100ページあるのに 解決編に突入した場合、それが真相ではないのがバレバレで切ない。 書籍の形態上、宥恕しましょう。 ノックスの十戒 探偵小説はフェアでなくてはならない。十の戒め。 ロナルド・ノックスの十戒 ノワール 暗黒小説。 犯罪、暴力、闇社会と、ただただダークな作品。 跳梁跋扈、そこに正と義の道理は不在。 上へ
は行 バールストーン先攻法(ギャンビット) ネヴィンズJr御用達。チェス用語? 真犯人を死んだように見せ、容疑者から除外する手法。 灰色の脳細胞 探偵エルキュール・ポアロの中身。 「ノンノンノン、モナミ!」 ハウダニット 手法(トリック)を重視したミステリ。 Howdunit (How has done it? の省略形) 「馬鹿どもに車を与えるなっ!!!」 人気料理漫画「美味しんぼ」において海原雄山が使う無敵の呪文。 渋滞にまきこまれた雄山。 「なんという混み方だ!」 「必要もない連中が車に乗るからだ!!」 「馬鹿どもに車を与えるなっ!!!」 まさに問答無用の唯我独尊ぶり。 海原雄山の怒りは人類すべてに向けられていると言っても過言ではない。 アハハ、これも面白すぎ(w さすが元祖ツンデレっ。 (C)金の星降らせます バカミス バカミステリーの略。ジャンルの一。 めまいすら伴うバカバカしいトリックやロジックのあるミステリ。 蔑称ではなくある種の愛情が込められる。 属性の人は「バカミスの世界」というガイド本をどうぞ。 パズラー 謎解き、パズルの要素に特化した本格。 早業殺人 犯行時間を錯覚させる密室トリックの一。 被害者を昏睡、気絶させるなりし密室状態の場所に置き、 目撃者に死亡していると思わせた後で (なだれ込んだ隙や、人を呼びに行かせている間など)密室に入り、 その際に目撃者に気付かれぬよう被害者を殺害することによって 密室状態で殺害されたと錯覚させることができる。 クールな知能犯がどさくさに紛れる姿はグラマー。 バリツ 武術(柔術)の一種と思われる謎のスキル。 これを習得すると神々と交信でき不老不死と化すらしい。 ドイルの誤爆云々はいいっこなし。 針と糸 古典的なトリック。 使用するとなぜか必要以上に蔑視される。 氷も仲間入り。 パルプ 低俗(扇情)小説。 「犯人は、おまえだ!!」 ごく一部の探偵が真犯人を追いつめる時に使う言葉。 腕を伸ばし人差し指を突きつけると効果的。 この言葉をいわれると犯人はとたんに青ざめ、たじろぎ、 「な、なにを証拠に」などの決まり文句をはく。 「犯人を、貴方です」 洗脳探偵・翡翠の名言にして至言。 類例:「貴方を犯人です」「お部屋をお連れします」 ピーピング・トム 出歯亀の意。 出歯亀は田代まさしの意。 ミステリでは夜中にふと目を覚まし 重要なシーンを目撃したりする人物や、探偵を皮肉った表現。 ピカレスク 悪漢小説。悪者小説。 〔picaresque novel(スペイン) picaro(ならずもの・悪漢)に由来〕 16世紀半ば、スペインで騎士道小説の理想主義への反動として現れ、 やがてヨーロッパ中に流行した小説の様式。 「ピカロ」の冒険を描き、辛辣に社会を風刺する。 作者未詳の「ラサリーリョ=デ=トルメスの生涯」、 ケベートの「かたり師ドン=パブロスの生涯」などが代表作。 ファルス ファース。笑劇。喜劇。 喜劇作家ピレモンの最期が究極です。 ファンタジー 天地創造の起源譚や八百万の神、群雄割拠が源流か。 ほのぼの系から、えげつないものまで幅広いジャンル。 備考:世界三大ファンタジー 「ゲド戦記」 アーシュラ・K・ル=グウィン 「指輪物語」 J・R・R・トールキン 「ナルニア国ものがたり」 C・S・ルイス フーダニット 犯人当てを重視したミステリ。 Whodunit (Who had done it? の省略形) フェア(プレイ) 作中に事件の解決に必要な情報を虚偽なく記述し、 一般常識と知識があれば解けるはずのミステリ。 専門的であってもきちんと予示されていればOK。 フェンダニット ミステリの発展における四次元的段階(力点)になりうるか? と、その昔 女王様がいいました。 フーダニット(だれが) ハウダニット(いかにして) ホワイダニット(なぜ) フェンダニット(いつ) 伏線 小説・戯曲などで、のちの展開に必要な事柄を それとなく呈示しておくこと。また、その事柄。 再読した時に目立つのが理想的。 双子 入れ代わる為に生息する。 双子の出生率は1000分の9で増加傾向にある。 ミステリでの登場率は明かにそれを上回る。 ちなみに母子手帳はちゃんと2冊もらえます。 ブラック・マスク 1920年にアメリカで創刊された "伝説の"ハードボイルド・パルプマガジン。 1953年にEQMMに吸収。 キャロル・ジョン・デイリイが蒔いたハードボイルドの種子を、 ダシール・ハメットが「赤い収穫」で実らせた。 プロバビリティの殺人・犯罪 蓋然性、確率、公算、の殺人・犯罪。 例) 階段にボールを置く ペダントリー ペダンティック。 晦渋・衒学的すぎて意味不明帰れな作品。 「黒死館殺人事件」など。 ベルティヨン式人間識別法 1879年、パリ警視庁のアルフォンス・ベルティヨン(Alphonse Bertillon)が 考え出した個人を識別する技術。 人体各部を240以上ものパーツに分類し測定する。 古典ミステリではわりと耳にします。 1880年、イギリス人のヘンリー・フォールズ(Henry Faulds)が 指紋研究を確立し、後に御役御免。 東京都中央区築地に宣教師として来日した彼が 日本の拇印による鑑定に関心を示したのが発端。 業績を称え居住地跡には「指紋研究発祥之地」の記念碑も。 指紋の種類は、渦状紋、変体紋、 弓状紋(単純弓状紋,突起弓状紋)、蹄状紋(右蹄状紋,左蹄状紋) 変格 本格の対義。 王道でないトリッキーな作品が呼ばれやすい。 ボウ・ブラメル ジョージ・ブライアン・ブラメル(1778-1840) だて男の代名詞。 名探偵が呼ばれやすい。 ホークショー 探偵の俗称。 英・戯曲家トム・テイラーの作中人物。 からかって呼ぶときにいう。 ホームズ 探偵の代名詞。著者名より知名度が高い。 「初歩だよ、ワトスンくん」 ホラー 恐怖の意。 モダン、カルト、オカルト、スプラッタ、サイコ、ゴシックなど豊富。 管理人には違いがわかりません。 ミステリとの相性が非常にいいジャンル。 ホワイダニット 動機を重視したミステリ。 Whydunit (Why has done it? の省略形) 本格 本格的な定義が存在しないのが魅力の本格。 なんとなくでいいんです、実際問題。典拠もないし。 上へ
ま行 マスマーダラー 大量殺人。土台からして連続殺人(シリアルキラー)とちがうもの。 ミステリ 推理小説や探偵小説の総称。 謎、秘密、不思議、ミステリー、ミステリィ、など和訳される。 最後のは森博嗣専用。 乱歩は「探偵小説とは、主として犯罪に関する難解な秘密が、 論理的に、徐々に解かれて行く径路の面白さを主眼とする文学である」と定義。 ミスリード ミスディレクション。 読者を誤った解釈に誘導するよう導く手法。 ミステリは素直にミスリードされた方が楽しめるのが定石。 御手洗潔 島荘が生んだ探偵。幽遊白書は無関係。 ああ、腹減った。 密室 締め切って外から入れない空間。 もしくは閉ざされて外へ出られない空間。 ミス好きが過剰に反応する単語。 なお、密室ものの原点は「モルグ街」ではなく J・シェリダン・レ・ファニュの 「アイルランドのある伯爵夫人の秘めたる体験」だそうですよ? (「レ・ファニュ傑作集」に収録) 密室講義 「三つの棺」の作中で探偵役のフェル博士が語り出す。 密室の大家・カーが分類分析してるだけあって卓絶。 「緑のカプセルの謎」では毒殺講義も。 ミッシングリンク 失われた環。 断続を連続にする為の環。 事件の繋がりの間隙をさす。 サルと人間の隙間などもさす。 未必の故意 実害の発生を積極的に希望ないしは意図するものではないが、 自分の行為により結果として 実害が発生してもかまわないという行為者の心理状態。 ムック magazine と book の合成語。 造本・編集・発行の様式が、 視覚的な雑誌と文字中心の書籍の中間であるような本。 無敵の呪文 その人物の生き方・人間性を凝縮して表現した言葉。 すべてを失った時 最後に残るもの。 CLAMPの人気漫画「カードキャプターさくら」において、 主人公の木之本さくらは無敵の呪文「絶対、大丈夫だよ」を武器に 数々の危機的状況を乗り越えていく。 類例:「この世には不思議なことなど何もないのだよ」     「君が決めるんだ」「じっちゃんの名にかけて!」 メタ 「超える」の意。 決して「劣る」ではない。 メタミステリ 1) 現実と作中の世界が錯綜するもの 2) 作中作として別な推理小説が含まれるもの 3) 最近では流水大説など常軌を逸したミステリをさす メトリック 韻律学。作詩法。リズミカル。 パンがなければブリオッシュを食べればいいのに。 メフィスト 講談社が出版している雑誌。登竜門。 新感覚のエンターテイメントを発掘している。 しばしば地雷も発掘される。 メフィスト賞 歴代受賞者一覧 萌え (1)マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子。 特に「おたく好み」の要素(猫耳・巫女(みこ)などの外見, ドジ・強気などの性格,幼馴染み・妹などの状況)への好意や, それを有するキャラクターへの好意をさす。 対象への到達がかなわぬニュアンスもある。 〔語源は,アニメ作品のヒロイン名とする説, 「燃える」の誤変換とする説など,諸説ある〕 (2)(1)が転じて,単に何かが好きな様子。または何かに熱中している様子。 三省堂たん… 燃え 熱い言動・行動・事象・現象に対し、 感情が異様に、すこぶる高ぶるさま。 モルグ街の殺人 最初の探偵小説。 元は「トリアノン・バスの殺人」だったが発表前に改題された。 まこと賢明であると同時に天啓を感じさせます。 上へ
や・ら・わ行 館ものというだけで手に取る人多数。 人物構成に偏執狂の主人、幽閉された美少女、忠実で寡黙な執事、 噂好きの料理女、ナーバスな庭師or下男が揃えば よだれダラダラ。 ユーレカ! 判ったぞ!の意。 アルキメデスが王から王冠の金の純度を質問され、 それを量る方法を発明した時の叫び声。 エラリイが閃いた際に引用。 らっきょ 「空の境界」の略。 ゆんゆん電波でさんさん殺人。 ラノベ ラベルとも。ライトノベルの略。 10代の若者を主な読者層に想定した気軽に読める小説の総称。 会話の多様やアニメタッチの挿絵などが特徴。 リーガル 法律に関わること。法的。法定。適法。 ジャンルの一。法廷ミステリ。 最高峰は「逆転裁判」( ゚д゚ ) 参照:六法とか法令とかのすげぇサイト リスペクト オマージュ。トレース。本歌取り。 尊敬。敬意。賛辞。献辞。 要するに、パクること。 インスパイアも仲間入りか(w リドルストーリー 結末のない物語。 読者に結末の判断を委ねた形式の小説。 代表作は、F・R・ストックトン「女か虎か?」 J・モフィット「謎のカード」 N・W・ヤコブ「消えた船」 S・エリン「決断の時」など。 リノリウム ミステリの床。 流水大説 清涼院流水の作品をさす呼称。 メタ小説=大説 リライト (執筆者以外の人が)文章に手を入れて書き直すこと。 レッドへリング ニシンの燻製の意。赤鰊。 人の注意を他へそらすもの。ニセの手がかり。 レトリック 修辞学。美辞学。 文章表現の技法・技巧。修辞。 実質を伴わない表現上だけの言葉。表現の巧みな言葉。 六とん 「六枚のとんかつ」の略。バカミスの代表作。 第3回メフィスト賞を受賞してたりもする。 作者曰く「この本を買うより本物のとんかつを2枚買った方がお得」 ロジック 論理。本格の骨子。 ワトソン君 翻訳のはばでワトスンとも。 ホームズの助手・相棒。記述者の代名詞。 ワトソン役はちょっと抜けてるのが望ましい。 例) 片山義太郎 石岡和己 関口巽 ←抜けすぎっ 上へ
英字 AA Anthony Award / アンソニー賞。 作家で大評論家のアンソニー・バウチャーを偲んで 1970年から開催されているミステリ大会で、 参加者の投票により決定される賞。 CWA賞 英推理作家協会賞(Crime Writer's Association) 1953年にジョン・クリーシイらが創設。 最優秀長編にゴールド・ダガー賞、 次点作品にシルバー・ダガー賞など。 OHP EQMM エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン 1941年にダネイが中心となって創刊された短編ミステリ専門月刊雑誌。 世界一の長寿を誇る《世界最高のミステリ誌》。 無数の作家・作品を発掘し、ミステリの発展に大きく貢献した。 1956年(昭和31年)7月から早川書房が日本語版を発行。 1966年(昭和41年)1月から本国版との契約切れにより 「ミステリ・マガジン」に改題。現代に至る。 OHP HM 1) ハヤカワ・ミステリ文庫   海外ミステリ好きがもっともお世話になるブランド。   作家番号1はクリスティで、 作品番号1は「そして誰もいなくなった」 2) ヘンリー・メリヴェール卿   カーが生んだ代表的探偵 JDC 1) ジョン・ディクスン・カー 2) 日本探偵倶楽部(流水大説に登場する探偵組織) 3) 日本脱毛センター MWA賞 米探偵作家クラブ(Mystery Writers of America)賞 別名エドガー賞 1945年(3月26日)にクイーンやバウチャーやエバーハートらが設立。 発足当初は9名、いまや1000人弱の主導組織。 授賞式はNYで毎年5月の第2金曜日に開かれる。 標語:犯罪はひきあわない――もうたくさん "未来のよりいっそう優れた、野心的な作家の登場をうながすため、 優秀な作品に栄誉を与えること" OHP Q.E.D. Quod Erat Demonstrandum (クォド・エラト・デモンストランダム)の略。 ラテン語で「証明終わり」の意。 初期のエラリイが好んで使用。 上へ ▼屁を雷鳴のごとく扱う▼