バーバラ・ニーリイ (Barbara Neely)

ペンシルヴェニア州レバノン生まれ。
教育、女性、アフリカに関する問題に取り組むラジオ番組制作など、
さまざまな社会問題を切りこんでいた。
一方でいくつかの短編小説を雑誌に寄稿し、
1992年、処女長篇「怯える屋敷」を発表。
人種差別と事件に挑む黒人家政婦ブランチ・ホワイトを生みだす。
同作はアンソニー賞、アガサ賞、マカヴィティ賞の
最優秀処女長篇賞を獲得という快挙を成しとげる。
    Blanohe on the Lam
1992怯える屋敷★★★☆☆

ひょんなことから警察に追われるはめに陥った黒人家政婦のブランチは、 身を隠すためにある富裕な一家の別荘で働くことにした。 だが、屋敷には不穏な空気が漂っていた。 どうやら、莫大な財産をめぐる対立があるらしい。 やがて、一家と親交のある保安官が謎の死を遂げて…… 家政婦ブランチ・ホワイトが、 知恵と勘を働かせて事件の謎を解きあかす。 アンソニー賞、アガサ賞、マカヴィティ賞の最優秀処女長篇賞に輝いた話題作 ブランチ・ホワイト・シリーズ第1弾。 黒人家政婦ブランチ・ホワイトは不運が重なった結果、 不渡り小切手を振りだしてしまい、法廷で有罪に。 一方的に禁固1ヶ月と判決されるが、 トイレで用(大)をたしている最中に 看守の隙をみて運よく(!)逐電に成功。 そのままある屋敷の住みこみ家政婦の仕事に就き、 急場はしのいだかに見えたが、 この一家の人々はどこかちぐはぐで様子がおかしく、 なにやら財産をめぐる争いがくすぶっているらしい。 やがて、一家と交友のあった保安官が自動車事故で崖から転落死。 当局は自殺と発表したが、ブランチは事件性を感じとっていた。 さらに第二の変死事件が発生し……。 基調はユーモア・ミステリ。 ただユーモアのネタが黒人差別のものばかりでね。 黒人目線だし、卑屈・自虐的というわけでもないんだけど ちょっと気疲れする感がありました。 だって文章全体の3割はそれ系なんですもん。 問題の根が深く重いので気軽に感受できない自分に忸怩しちゃう。 それとユーモア路線でありながらこわさもあるんだな。 屋敷の一族がふしぎと不気味で。 まともなのはダウン症の青年だけだものな。 ミステリの出来ばえはいたって平凡、可も不可も不在。 やはり人種問題の切り口で評価された作品みたいですね。 こういった品種のミステリははじめて読んだし。
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