1982「後鳥羽伝説殺人事件」★★★☆☆
広島県の三次駅で女性の変死体が発見された。
被害者は後鳥羽伝説をたどる旅をしていた正法寺美也子。
殺害された時、彼女が持っていたはずの
後鳥羽伝説に関する本はなぜ消えたのか?
事件を追う野上刑事は、
美也子が八年前の事故で記憶を失っていたことを知る。
同じ事故で命を落とした浅見祐子の兄・浅見光彦、
彼が捜査に加わったとき、意外な真相が姿を現した――!
記念すべき名探偵浅見光彦のデビュー作!
浅見光彦倶楽部による「浅見光彦ワールドの楽しみ方」を追加。(角川文庫)
浅見光彦シリーズ第1弾。旅情ミステリー。
のちに100を越える大シリーズの出発点。
トラミスなわけですが、
トラの部分はすてき。
後鳥羽法皇伝説をなぞっての道程は魅力。
これが事件性にからめばさらによかったんだけど。
ミスの部分は弱いか。
確証が成立してないし、やり方がせこい。全体的になし崩し的。
とはいえ緻密な論理を期待しなけりゃ十分です。
(そんなものをトラミスに期待する人もいないよね、ましてや多作する流行作家に)
あとは、ほら、地理とか時刻表とか、
ああいうものを是認するかどうかで評価は曲折するでしょう。
うれしいのが浅見光彦倶楽部による「浅見光彦ワールドの楽しみ方」。
こういう企画はただただすばらしいと思うのですよ(^^)
私のような初心者なら、まず本書を強くおすすめできます。
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