笠井 潔 (かさい きよし)

1948.11.18〜
東京月島生まれ。
作家に転じる前は学生運動に関わり、
共産主義労働者党系 学生組織・プロレタリア学生同盟の指導者で、
1970年、当時の筆名"黒木龍思"のペンネームで評論を書き始める。
1974年から二年間のフランス留学を経て、
1979年「バイバイ・エンジェル」で角川小説賞を受賞しデビュー。
1986年、八ヶ岳山麓に移住。
1995年、探偵小説研究会を結成。
2003年「オイディプス症候群」にて第3回本格ミステリ大賞小説部門、
「探偵小説論序説」にて第3回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。
文芸評論家としてもメジャー。
1979「バイバイ、エンジェル」★★★★★

ヴィクトル・ユゴー街のアパルトマンの広間で、 血の池の中央に外出用の服を着け、 うつぶせに横たわっていた女の死体は、 あるべき場所に首がなかった。 こうして幕を開けたラルース家を巡る連続殺人事件。 司法警察の警視モガールの娘ナディアは、 現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件の謎を追う。 矢吹駆シリーズ第1弾。本格ミステリ。 舞台はフランス。むろん登場人物もフランス人だらけ。 現象学での探偵が独特でおもしろいです。かっこいい。 推理小説というより思想劇だな。 続編も読みたいけどなぜか足踏みしちゃう。 カバたんとか呼ばれだしたからかな(違
1981「サマー・アポカリプス」

灼熱の太陽に喘ぐパリが漸く黄昏れた頃、 不意にカケルを見舞った兇弾― その銃声に封印を解かれたかの如くヨハネ黙示録の四騎士が彷徨い始める。 聖書の言葉どおりに見立てられた屍がひとつ、 またひとつと、中世カタリ派の聖地に築かれていく。 ラルース家事件の桎梏を束の間忘れさせてくれた 友人が渦中に翻弄され、案じるナディア。 謎めく名探偵矢吹駆の言動に隠された意図は。 矢吹駆シリーズ第2弾。
1983「薔薇の女」

火曜日の深更、独り暮らしの娘を絞殺し屍体の一部を持ち去る。 現場には赤い薔薇と血の署名―― 映画女優を夢みるシルヴィーを皮切りに、 連続切断魔の蛮行がパリ市街を席捲する。 酷似した犯行状況にひきかえ、 被害者間に接点を見出しかねて行き詰まる捜査当局。 事件のキーワードを提示する矢吹駆の現象学的推理が冴える、 シリーズ第三弾。 矢吹駆シリーズ第3弾。
1992「哲学者の密室」

開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、 厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。 現場に遺されていたナチス親衛隊の短剣と死体の謎を追ううちに 三十年前の三重密室殺人事件が浮かび上がる。 現象学的本質直感によって密室ばかりか、 その背後の「死の哲学」の謎をも解き明かしていく矢吹駆。 二十世紀最高のミステリ。 矢吹駆シリーズ第4弾。
1997「熾天使の夏」

矢吹駆誕生の謎に迫る笠井潔の処女長編小説 小さな呟きが頭蓋の芯で反響しあい、叫び声が心底で、 恐怖と歓喜に充ち百のシンバルのように激しく轟きわたる。 ――完璧な自殺それが問題だ―― かつて革命の時を生きた男は植民地都市の一隅で、中空への飛翔を試みる。 20年の歳月をへて今明かされる矢吹駆の罪と罰。 笠井潔の原点、幻の処女長編犯罪小説!! 矢吹駆シリーズ第0弾。
2002「オイディプス症候群」

エーゲ海に浮かぶミノタウロス島。 不思議な建造物ダイダロス館に集まった10人の男女は、 ギリシア神話をなぞった装飾を施されながら、次々と殺されていく。 カケルが示唆する孤島の連続殺人とは…。 矢吹駆シリーズ第5弾。
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