宇宙情報センター
佐藤 勝彦 (さとう かつひこ)

1945〜
香川県生まれ。
1973年、京都大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。
北欧理論原子物理学研究所(コペンハーゲン)客員教授、
東京大学理学部助教授を経て、
現在、東京大学大学院理学系研究科教授、
ビッグバン宇宙国際研究センター長。理学博士。
専攻は宇宙論・宇宙物理学。
1981年、「インフレーション理論」をアメリカのグースと独立に提唱、
国際天文学連合の宇宙論委員会の委員長を務めるなど、
宇宙論研究を世界的にリードする。
1989年、井上学術賞、
1990年、仁科記念賞を受賞。
2002年には紫綬褒章を受章。

ミステリといえばミステリなので置いちゃえ。SFの基本耐性もつきますしね。
1998「相対性理論」を楽しむ本★★★★★

「相対論を楽しむ本」というタイトルは 本書の内容を言い当てて妙である。 相対性理論とは1人の物理学者の日常的な現象についての 素朴で純粋な問題意識と単純な思考の積み上げによるものである。 相対性理論は難解であり「道具」を知らない人は 近づくことができないと思われているがそれは必ずしも正しくない。 特殊相対性理論についての基本的な考え方は素朴かつ単純で、 誰にでも近づくことを許している。 本書を通じて感じられるのは著者の相対論への愛である。 まるで嬉々として自分の恋人について語るように、 独創的なたとえを交えながらかんで含めるように、 しかし、できうる限り妥協なしに解説している。 コンパクトな本ではあるが内容は豊富で、 アインシュタインの生い立ちから、特殊・一般相対性理論の解説、 さらに相対論の宇宙論への応用と最新宇宙論の解説にも2章を割いている。 著者の相対論への愛に満ちた本書は読んでいて楽しく、 まさに「相対論を楽しむ」ことができる。 科学読み物(以下略) 相対性理論のお話。 実にわかりやすい、初心者向けでは最高峰かと。 イラストや図解も多く、相対論の概要は把握できます。
1999最新宇宙論と天文学を楽しむ本★★★★
宇宙論と天文学のめざましい進歩は、 神秘のベールにつつまれた宇宙の謎を次々と解きつつある! …本書は、「宇宙に始まりや終わりはあるのか?」 「星の質量はどうやってはかる?」といった素朴な疑問から、 「ビッグバン理論」「インフレーション理論」などの最新宇宙論までを、 読みやすい文章とポイントが一目でわかる図解で紹介。 宇宙研究の最前線を手軽に体感できる格好の書。 宇宙論と天文学のお話。 基本的というか初歩的な内容。 とにかくわかりやすさが光ります。
2000「量子論」を楽しむ本★★★★★

素粒子のしくみから宇宙創生までを解明する鍵となる物理法則「量子論」。 本書ではそのポイントを平易な文章と図解を駆使して徹底解説。 とても興味があるけれど、むずかしくて理解できない…… そんな代表的なものが、アインシュタインが提唱した「相対性理論」だろう。 ところが、現代物理学にはその相対性理論よりも難しく、 奇妙で、なおかつとても面白い理論がある。それが「量子論」。 一番身近な例をあげると、 最近はほとんどの人が持っている携帯電話やパソコンの もっとも重要な部品ともいえる半導体チップの中を支配している法則である。 こればかりではなく、素粒子などのミクロの世界に適用されるもので、 人などの遺伝子など生物の構造や進化、 そしてマクロの極限である宇宙の創生までを解明するとされている。 本書は、その量子論のポイントが一目で理解できるように、 図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説した格好の入門書。 最先端物理学の不思議な世界を手軽に味わうことができる。 監修は宇宙物理学を世界的にリードしている東京大学の佐藤勝彦教授。 文庫書き下ろし。 量子論のお話。 実にわかりやすい、初心者向けでは最高峰かと。 イラストや図解も多く、量子論の概要は把握できます(狡 相補性って面白いですねー。
2001宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった★★★★
宇宙の謎とそれをめぐる難解な理論を、 いつも一般の読者にもわかるレベルにかみくだいて説明してくれる佐藤勝彦。 本書でも、「宇宙に果てはあるのか」「宇宙はどのように生まれたのか」 「宇宙はどれくらい膨張しているのか」といった素朴な疑問を切り口に、 宇宙論に関する諸理論がそれをどう解明しているのかを、 平明な語り口で伝えてくれている。 たとえば、宇宙の「果て」や「始まり」の疑問について。 著者はまず『旧約聖書』の世界創生神話や カントの宇宙論などの「思弁の学問」に触れつつ、 その疑問が時間と空間の問題に行きつくことを指摘。 アインシュタインの一番の成果は、その時間と空間、 つまり宇宙そのものを初めて物理学の対象として扱ったことだ、と説明する。 宇宙そのものがわかれば「果て」もわかるはずだと言う。 さらに著者は 「アインシュタインにも解けない問題が一つありました」と続ける。 アインシュタインの相対論によって宇宙のモデルは示せたが、 その「始まり」は謎のままである。 そこで「無」から「有」を生む「トンネル効果」の解説をはじめている。 量子論、相対論はもちろん、統一理論、ビッグバン理論、 インフレーション理論、ホーキングの理論など、 諸理論の位置づけや成果が興味深い展開のなかで説き明かされている。 とくに、宇宙には「子宇宙」や「孫宇宙」が 無数に存在するという理論は驚嘆に値する。 「観測時代」に入った宇宙論の動向も論じられるなど、 宇宙論・宇宙研究の歴史と現在をつかむのに最適の入門書だ。 宇宙のお話。 広くほんのり深く、そしてわかりやすい。 基本的な疑問も解消されたりで満足です。
2004「相対性理論」の世界へようこそ★★★★
ブラックホールからタイムマシンの可能性まで、 不思議な科学の世界を豊富な図解で徹底解説! ロングセラーの続編、待望の書き下ろし! 世界的にヒットした映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や 漫画「ドラえもん」で見られるタイムトラベルは、 SFの世界の話で科学的な根拠はない、と思っていませんか? いえいえ、そんなことはありません。 「相対性理論」では、実はタイムトラベルの可能性を認めているのです。 現代の科学は「相対性理論」を応用することで、 今この瞬間も無限の可能性を求めて進歩・発展を続けています。 本書では、それら最先端の成果の中から、興味深いテーマにしぼって、 タイムトラベルの可能性やブラックホールの正体などを わかりやすく解説しました。 「未来へのタイムトラベルは意外に簡単!?」 「自転するブラックホールと自転しないブラックホールの違いとは」 「像が輪のようになる“アインシュタイン・リング”とは」など、 “夢の科学ワールド”へあなたを招待します。 「相対性理論」の世界を存分に楽しめる、 “目からウロコの科学読み物”です。文庫書き下ろし。 「「相対性理論」を楽しむ本」の姉妹品です。 あっちが基本でこっちが応用。 重複している部分も多いですが復習にもなるのでよいでしょう。 ブラックホールやタイムマシンに興味あれば買いです。 相変わらず、わかりやすくページも薄く値段も安いんでグットです♪
2005大宇宙・七つの不思議★★★★
宇宙の創生から地球外生命体の探査まで、 宇宙の謎を解き明かす7つのカギを徹底分析。 図解も豊富でよくわかる最新宇宙研究の決定版。 国際物理年を迎え、今宇宙が注目されている。 「宇宙の年齢は137億歳!」「火星からの隕石に生命の証拠?」など、 新聞に宇宙関係の記事が出ない週はないほどだ。 ▼そのような中で、現在の宇宙研究は、 2つの大きな謎に答えを出すことを目標にしている。 1つは「宇宙はどのように生まれ、今後どうなっていくのか」という謎。 もう1つは「宇宙に地球外生命体は存在するのか」という謎。 ▼本書は、この2つの謎を解き明かす7つのカギを徹底分析。 宇宙創生のシナリオから火星における生命探査、太陽系外惑星の発見まで、 夢とロマンあふれる大宇宙の“七不思議”を語り明かしていく。 「宇宙の果てにあるものとは?」 「銀河系を取り巻く暗黒エネルギーの正体とは?」 「ブラックホールは人でも作れる!?」 「自宅のパソコンでETを探せる!?」など、 面白くて役に立つ目からウロコの情報が満載! 豊富な図と写真でよくわかる最新宇宙研究の決定版。 ▼文庫書き下ろし。 目次 ●不思議その1 火星の水と生命のゆくえ ●不思議その2 第二の地球・無数の地球 ●不思議その3 沈黙を続けるETたち ●不思議その4 宇宙のはてから来る光 ●不思議その5 目には見えない宇宙の主役 ●不思議その6 高次元空間に浮かぶ膜宇宙 ●不思議その7 宇宙が人間を生んだ意味 いまさらいうまでもなく、 初心者にやさしい、初心者でもたのしい、幅広い宇宙読み物。 でもなんだか詩的になっててジュブナイルっぽい(w ドレイクの方程式とかフェルミのパラドックス、 惑星の探査、観測法がすてき。 宇宙の壮大さがよくわかりますねー。 では例のURLでも。 http://www.planetary.or.jp/setiathome/home_japanese.html
関連(?)書雑記
    Bite-Size Einstein
1996アインシュタイン150の言葉★★★☆☆

アインシュタインの名言集。 「私は天才ではない。ただ人より長く問題とつき合っているだけだ」 「どうして自分を責めるんだ?  他人がちゃんと責めてくれるんだから、いいじゃないか」など、 人生の真実をついた言葉がいっぱい。読む人を元気づける1冊です。 著:ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ ・大切なのは疑問をもち続けること。 ・過去・現在・未来の区別は、どんなに言い張っても、単なる幻想である。 ・第三次世界大戦はどう戦われるのでしょうか。  わたしにはわかりません。しかし、第四次大戦ならわかります。  石と棒を使って戦われることでしょう。 などなど150のウイットとユーモアに富んだ アインシュタインの言葉が収録された書。 ページ割がすっごい贅沢です(w まあ、彼のいうことならなんでもそれっぽく聞こえますよね。 それでも大科学者を身近に感じられてたのしいです。
1989ホーキング、宇宙を語る★★★★
スティーヴン・W・ホーキング Stephen W. Hawking (著) この宇宙はどうやって生まれ、どんな構造をもっているのか。 この人類の根源的な問いに正面から挑んだのが 「アインシュタインの再来」ホーキングである。 難病と闘い、不自由な生活を送りながら遙かな時空へと思念をはせる、 現代神話の語り部としての「車椅子の天才」。 限りない宇宙の神秘と、それさえ解き明かす 人間理性の営為に全世界の読者が驚嘆した本書は、 今や宇宙について語る人間すべてにとって必読の一冊である。 古典科学読み物。基礎基盤。 世界17カ国で大ベストセラー。 車椅子の天才科学者ホーキング、宇宙創成の謎に挑む。 広く浅めの宇宙論のお話。 さすがに古さは感じちゃいますねー。初出はずいぶん前だし。 そんな良し悪しはべつに、人間味のある作風は褪せませんが(^^) ホーキングは食いつき易いので幅広くいけますよ。 ガモフもいいね。
ブライアン・グリーン (Brian Greene)

1963.2.9〜
超ひも理論研究者。
ハーヴァード大学を卒業後、オクスフォード大学で博士号取得。
現在はコロンビア大学物理学・数学教授。
超ひも理論の権威ウィッテンから
「現役ひも理論研究者のなかでも指折り」という評価を受ける一方で、
超ひも理論を普通の言葉でわかりやすく語れる
数少ない物理学者の一人でもあり、
これまでに二〇ヵ国以上で一般向けの講演を行って超ひも理論を解説、
テレビ番組などへの出演も多い。
    The Elegant Universe
1999エレガントな宇宙★★★★★

この世界の物理法則はどのように決まったのか?宇宙はなぜ存在するのか? 究極の問いに対する究極の答えを求めて、 物理学者の探究はついに超ひも理論へとたどり着いた! 11次元のひもが宇宙をつくる! この本は、物理学が味わった挫折からはじまる。 物理学の歴史のなかでも華々しい成果として語られることが多い、 相対性理論と量子力学。 現代物理学の柱とも言えるこの二つの理論が、 実は両立しないということをご存じだろうか。 この両方が完全に正しいということはあり得ないのである。 これは、物理学が宇宙の本当の姿を映し出す 根本の理論を手にしていないという証拠だった。 数多くの天才たちがこの対立を解消しようと試みたが、挫折した。 そのため、物理学は半世紀もの間、 この難問を抱えたまま前進しなければならなかったのである。 しかし、今や私たちには、超ひも理論がある。 本書の主題である超ひも理論は、この物理学最大の難問を解決する。 そればかりではない。 宇宙の本当の姿を映し出し、万物を説明し尽くす根本の理論、 究極の理論であると考えられている。 宇宙の本当の姿とは? 第一線の研究者である筆者が、 巧みな表現で描く超ひも理論の最新成果から、 驚くべき宇宙の姿が明らかになる! 科学読み物。 超弦理論のお話。 いいですねー、読んでてワクワクしますもん。 素人でもわかりやすいんで助かります! 意味不明な部分も多々ありますが…私だけ?(^^; 天才の思想に触れられるのは快感ですー♪ ま、これはフィクションだという考えも大事ですけどね。 まだまだ仮定が山積みなので。 もはや1つのSF小説としても上出来すぎ。
ミチオ・カク (Michio Kaku)

1947.1.24〜
日系アメリカ人の理論物理学者。
ニューヨーク市立大学理論物理学教授。
超ひも理論の権威であり、現代理論物理学の第一人者。
ハーバード大学卒。
カルフォルニア大学バークレー校で博士号取得。
『超空間』『サイエンス21』(共に翔泳社)『アインシュタインを超える』(講談社)などの
著者がベストセラーとなり、
『超空間』はニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストで
年間ベスト・サイエンス・ブックに選ばれている。
全米ラジオ科学番組の司会者を務めるかたわら、
さまざまな科学番組や「ナイトライン」「60ミニッツ」
「ラリー・キング・ライブ」などの番組にもゲスト出演。
最新の宇宙論を一般読者や視聴者に
分かりやすく情熱的に伝える著者の力量も高く評価されている。

OHP
    PARALLEL WORLDS a journey through creation, high dimensions, and the future of the cosmos
2005パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ★★★★★

ブラックホールへの決死の旅や、 タイムマシン、もうひとつの宇宙、そして多次元空間― 本書は宇宙論の世界を席捲する革新的な宇宙の姿を鮮やかに描き出す。 今日、ひも理論とその発展理論であるM理論は圧倒的な支持を得て、 世界の名だたる物理学者や天文学者が、 最先端の波検出器、重力レンズ、衛星、天体望遠鏡を動員し、 多宇宙(マルチバース)理論の検証に取り組んでいる。 もしパラレルワールドが存在するのなら、 いつかこの宇宙が暗く凍ったビッグフリーズを迎えるとき、 われわれの未来の先進文明は、 次元の「救命ボート」によってこの宇宙を脱出し、 パラレルワールドへと至る方法を見つけるであろう。 宇宙論の科学ノンフィクション。 ひも理論→M理論がメイン。ひもの次は膜になってたのね。 本書は図も写真もほとんどないのにとにかくわかりやすい! 哲学や神学、パラドックスのエッセンスを織り交ぜたり、 SF映画や小説を例に用いたり、飽きさせない工夫がすごい。 タイプ別文明、宇宙の死や誕生、脱出方法とSFを読むたのしさもあります。 各章冒頭に引用句をつけたりの遊びもいい。 索引、用語集もあるので復習にも便利。 宇宙物理学の全容がこれ1冊に内包されています。 しかしこの手の本でポーの名を目にするとは思わなかった。 ポーの詩があるパラドックスを解決していたそうな。 デュパンよりすごい?(w
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