鈴木 光司 (すずき こうじ)

1957.5.13〜
静岡県浜松市出身。
静岡県立浜松北高等学校、慶応義塾大学文学部仏文科卒業。
本名、鈴木晃司。
1990年「楽園」が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、デビュー。
「リング」は横溝正史賞最終候補まで残り、ホラーブームに。
1995年、その続編「らせん」で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。

超参考
1991「リング」★★★★
同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した4人の少年少女。 雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。 ―そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。 少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。 浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。 期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった…。 恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。 リングシリーズ第1弾。 ご存知、ホラーの女王・貞子ものの磐石なオカルトホラー。 普通に面白く読みやすいので大好きです。 ビデオを呪いの触媒にした着想が光ります。
1995「らせん」★★★★
幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、 謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、 冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。 遺体からはみ出した新聞に書かれた数字は 「リング」という言葉を暗示していた。 リングシリーズ第2弾。 ギリギリまだホラー。だいぶ科学的に。 これを失速ではなく加速と思えれば次作がたまらないはず。 ここまで来たら最後まで行きましょう。
1998「ループ」★★★★★

科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって 家族は何ものにも替えがたいものだった。 しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、 馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。 ウィルスはいったいどこからやって来たのか? あるプロジェクトとの関連を知った馨は一人アメリカの砂漠を疾走するが…。 そこに手がかりとして残されたタカヤマとは? 「リング」「らせん」で提示された謎と世界の仕組み、 人間の存在に深く迫り、圧倒的共感を呼ぶシリーズ完結編。 否応もなく魂を揺さぶられる鈴木文学の最高傑作。 リングシリーズ第3弾。 そして、もはやSFに(w ホラーのイメージが強いせいか批判もあるけど 私的にこれかなり好きです。 1つの系を創っちゃってんだから。 全体像の構想もなく よくここまでつないだもんだ。 静岡やらまいか精神おそるべし(w もっとも感銘を受けたのは"予算"でしたよ。 クソガキだったからこれは目からうろこです。 貞子より資本のほうがおそろしい――!(w
1999「バースデイ」★★★☆☆

リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。 小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。 山村貞子―。 貞子を溺愛する劇団員の遠山は、彼女のこころを掴んだかにみえたが、 そこには大きな落とし穴があった… リング事件ファイル0ともいうべき「レモンハート」、 シリーズ中最も清楚な女性・高野舞の秘密を描いた「空に浮かぶ棺」、 『ループ』以降の礼子の意外な姿を追う「ハッピー・バースデイ」。 "誕生"をモチーフに三部作以上の恐怖と感動を凝縮した、 シリーズを結ぶ完結編。 リングシリーズ第4弾(完結) "誕生"をコンセプトにしたサイドストーリー3篇。 貞子と舞たんと礼子のおまけのお話。 蛇足といえばそれまで(w
1996「灰暗い水の底から」★★★☆☆

大都市の欲望を呑みつくす東京湾。 ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。 この不安定な領域に浮かんでは消える不可思議な出来事。 実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでいることを。 カルトホラー。短編集。 幅広い作品揃いですが一貫して"水"が核になってます。 地味にいいですよ、ただ怖いだけじゃないってのも。 ただ作品にむらがあるので評価は低め。
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