山田 風太郎 (やまだ ふうたろう)

1923.01.04〜2001.07.28
兵庫県生まれ。
東京医科大卒。
1947年「宝石」の第一回懸賞小説に入選した「達磨峠の事件」を発表。
1949年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」の二作で探偵作家クラブ賞を受賞。
1958年「甲賀忍法帖」を最初とする忍法帖シリーズを刊行。
1997年、菊池寛賞、
2000年に日本ミステリー文学大賞を受賞。
自由奔放な空想力と奇想で多くの支持を得た。

超参考
19??妖異金瓶梅★★★★★

精力絶倫の快楽主義者・西門慶は、八人の夫人と二人の美童を侍らせて、 日夜、酒池肉林ともいうべき法悦の宴をひらいていた。 この屋敷で、第七夫人・宋恵蓮が両足を切断された無残な屍体で発見される。 はたして誰が?何のために―? 日本推理小説史上に残る名作「赤い靴」をはじめ、 天才・山田風太郎が中国四大奇書の一つ『金瓶梅』の世界に材を採った 超絶技巧の連作ミステリ全15篇! さらに単行本未収録の異稿版「人魚灯篭」を加えた ファン待望の『妖異金瓶梅』完全版。 連作短編集。15話+1収録。 ミステリ。ていうかアンチミステリ。というか奇書。 変態性欲のあめあられ。金蓮さま……(;´Д`)閨秀 久々に"小説"を読んだ気分。すごい充実感。 舞台は16〜17世紀頃の中国、でいいのかな。 最初は夫人が多い上にとっかえひっかえ(w)で ついていくだけでやっとですが、慣れればじつに読みやすい。 16話もあるけどハズれないもんね。 前半はワンパターンだけど、そのパターン自体が特異だし (これを具体的に書けないのがミステリなんだよなあ……) 後半では一気呵成の物語にもう目が離せません。 海外(西洋)作品では絶対に味わえない作品ですね。 ついで。 中国四大奇書ってのは「水滸伝」「三国志演義」「西遊記」「金瓶梅」ね。 ――漫画でしか読んだことない(^^;
    山田風太郎ミステリー傑作選1(全10巻)
1948-53眼中の悪魔 〈本格篇〉★★★★★

日本探偵作家クラブ賞受賞作! 人間心理の綾を鋭くついた本格ミステリー集。 どんでん、どんでん、どんでん返しの物語がつまった絶品。 テーマ(本格篇)が固定ゆえ引き出しの幅に問題はあるけれど、 へ理屈抜きでおもしろいのでいっそ幼児化してトライ。  眼中の悪魔 青年医師橘の恋人珠江は腹違いの兄定吉の放蕩に苦りきり、 羽振りがいい小富豪の片倉と結婚してしまう。 裏切られた橘は疼痛をおぼえつつも、片倉夫妻との交友は断たなかった。 やがて片倉と定吉の確執に目をつけたところから、 証拠なき――完全殺人の喜劇が動きだす。  虚像淫楽 夜の病院に昇汞を服毒した女性が担ぎこまれる。 夫に無理やり飲まされたといい、 夫もまた自宅で昇汞を服毒し、絶命していた。 夫婦のあいだになにが起きたのか。 医師たちがつかんだ病理のかたちとは?  厨子家の悪霊 田舎村の名家である厨子家の夫人が刺殺された。 仮面の亭主、狂人の息子、清純な娘、夫人の情夫、 厨子家で不幸が起こるたびに見かけられる、 片目の犬――厨子家の悪霊……。 事件の背景にからみあういわくある人物たち。 相つぐどんでん返しのすえ浮かぶ事件の真相とは?  笛を吹く犯罪 だれかがドアを開くと 自らに硫酸が降りそそぐよう細工をした自殺願望者。 ほとんど人づきあいがないので、 ドアが開くまでの退屈しのぎに遺書をしたためるが……。 自殺失敗者と医師ふたりの奇妙な物語。  死者の呼び声 女子大生旗江が面接で出会った会社社長。 半年の勤めで社長は彼女に求婚をする。 と同時に旗江のもとへ一通のふしぎな手紙が舞いこむ。 そこには妻を殺した夫に毎週1通、 死んだはずの妻から手紙が届くという物語が書かれていた――  墓掘人 台風の夜、同僚の医師会田に呼びだされた橘は、 会田宅で手首を切った瀕死の彼と、 青酸カリで絶命している男を発見する。 男を殺したのは会田で、妻に不貞を働いたというのが動機、 そして自身も生きる希望をなくし自殺を図ったのだ。 しかしこの土壇場で妻の懐妊を知り、 はたしてどちらの子か診断してもらうため、橘を招いたのだが。  恋罪 山田風太郎の大学時代の級友から届く手紙でつづられる、 殺人恋物語。実話……じゃないよね。  黄色い下宿人 純正なホームズもののパロディです。 ある富豪の失踪と殺人事件をあつかった話。 ホームズと日本人留学生の対決がにやりとさせます。  司祭館の殺人 聾の司祭サフラック、その甥で唖の助手マルタンは、 冬のある日、川でおぼれている盲目の女性を救助した。 3人の生活はやがて愛憎うずまく事件を引きおこし……。  誰にも出来る殺人 この話だけ短い長編です、文庫で約200ページ。 安アパートの癖のある住人たちの人生模様。 壮絶なラストもただ頭が下がるばかり(;´Д`)
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