ロス・マクドナルド (Ross Macdonald)

1915〜1983
カリフォルニア生まれ。西部カナダで育ち。
ロンドン・ウェスタン・オンタリオ大学卒。
妻は作家マーガレット・ミラー。
1944年、長編「暗いトンネル」でデビュー。
1949年「動く標的」以降、私立探偵リュー・アーチャーを登場させ、
ハメット、チャンドラーに次ぐハードボイルド派の代表作家に。
作品は"家庭の悲劇"が特徴で核。
1964年「さむけ」でCWA賞シルヴァー・ダガー賞を受賞。
1965年「ドルの向こう側」でCWA賞ゴールド・ダガー賞を受賞。
同年、MWAの会長を務め、
1974年、MWA賞巨匠賞を受賞。

本名:ケネス・ミラー(Kenneth Millar)
初期はJ・R・マクドナルドという名義だったが、
J・D・マクドナルドとまぎわらしいので改名。
    The Moving Target
1949「動く標的」★★★☆☆

テキサスの石油王ラルフ・サンプスンが失踪した。誘事件のようだ。 夫人から調査を依頼された私立探偵リュー・アーチャーは、 腕と脚にまかせて事件をさぐるうちに、 複雑にからみあった4つの殺人事件にまきこまれていく。 ハードボイルドの歴史に新しい一ページを書き加えることとなった 記念すべきアーチャー初登場の長編! リュウ・アーチャーシリーズ第1作。 私にとってハードボイルドの味わいはその文体にあるわけですよ。 クールでどこか冷酷無情な、 それでいてスタイリッシュでダンディズムがあるというか。 たま〜に読んで、感覚器官を砥礪するというか。 ほら、ぬるい馴れ合いとか絶対ないじゃないですか、 たまにだとこの異質感がとても映える。 ってのが読書動機なわけですが、どうでもいいわな(^^; でも作品の内容が語りにくいのよね、ハードボイルドは。 洒落た文章をじっさいに読まなきゃ。 ポイントもリュー・アーチャーが初登場ってことくらいか? あとはアーチャーがやたらめったら殴られることとか(w ミステリとしてもフツーに成功してるし、手堅い作品ですよ。 (4つの殺人事件、というのは厳密だけど厳正じゃないですが) バリバリのハードボイルラーはどうか知らないけど、 私のようなぬるぽ人間には定期的なスパイスとしてかかせませんな。
    The Chill
1964「さむけ」★★★★

新婚旅行の第一日目に新妻のドリーは失踪した。 夫に同情し彼女の行方を探すこととなったアーチャーは、 失踪の背後に彼女の過去の影が尾を引いているとにらんだ。 数日後、彼は手掛りをつかめぬまま夫の家を訪れた。 と、そこには血にまみれ、狂乱するドリーの姿が……! リュウ・アーチャーシリーズ第11作。 ハードボイルドミステリ。 霧に包まれてる雰囲気が印象的な作品。 燃え燃えの展開も、ラストでの"さむけ"も文句なしです! 主人公のリュウ・アーチャーも剣で出来ているのでしょうね(違
▼BACK▼          ▽TOP▽